4月13日 ストロンチウム、4号機 小出裕章

MBS(毎日放送)ラジオのたね蒔きジャーナルに、2011年4月13日も小出裕章氏が出演されました。福島原発の毎日の状況に関する小出先生の声を発信してもらい、同放送局とスタッフの方々には感謝したいです。

今日も録音して速やかに公開してくださっている方がいます。ありがとうございます。

【福島原発】2011/4/13/水★新たに心配4号機とストロンチウム90とは

twitterで@id_hovenさんがリアルタイムで要約をツイートされていたので、以下、転載させていただきます。

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まぎれもなくレベル7。安全委員会にはとっくの昔にレベル7と分かっていた。3月17日には。政府としては事故を小さく見せたい、見せたいとしてきた。

冷却ポンプがぶっ壊れ、注水するしかない。本当なら風呂ぐらいの温度。それが今は90度。4号機の燃料棒の損傷は当たり前。ボロボロに壊れてる。燃料棒の頭が水の上にでているのではないかと心配してる

4号機の燃料棒が破損してるのは当たり前。水素爆発した時点で確定。プールの水位は10Mあるはずが、燃料棒の頭が水面からでているのではないかと疑ってる。出てると冷やすことが殆どできない。そういったことを心配してる

もっと注水するしかない。プールが漏れているのではないかと心配してる。建屋にたまったり、地面にしみ出したり。使用済み燃料棒を取り出すのはとてつもなく難しい

生命体に一番影響与えたのがストロンチウム、次にセシウム。一度環境にだしてしまうと中々減らない。ストロンチウムというのはガンマ線を出さない、ベータ線しか出さない。ベータ線を測るのは相当難しい。計測出来なかった。

ストロンチウム90というのはカルシウムと同じ挙動を取る。人間はカルシウムと同じものだと勘違いして体に取り込んでしまう。風に乗ってあっちこっち飛び散ってしまった
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また、同じ放送について、twitterで@Hvemerduさんも要約を書かれていたので、以下転載させていただきます。

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4号機使用済み燃料プールで燃料棒が破損しているというのは当たり前のこと。今、心配しているのは燃料棒がプールから一部が出ているということ。

燃料棒が水に使っていないと、燃料棒の冷却ができない。ただし、水をかければ汚染水が増える。

私の懸念は燃料プールが破損しているかどうか。もし破損していて、そこから水が漏れてるならトレンチなどに汚染水として溜まっているのでないか?

ストロンチウム90はβ線しか出さない核種。β線の検出は時間がかかる。初めて検出されただけで、過去に既に放出されていたということ。プルトニウムもかなり初期から発生していたはず。

ストロンチウム90は生命に対して非常に毒性が強い。ストロンチウムの挙動はカルシウムと似ており、人体はカルシウムと思って骨に取り込む。骨ガンや白血病を引き起こす。

汚染地域に住むことは好ましくないが、引き離すことは長年その土地に住んでいた人に対して大変重いものを背負わせることになる。どれだけ汚染が酷くても住むという人はいるのでないか?
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そして、ブログSleepingCatsにて、小出先生出演部分の書き起こしをされているので、転載させていただきます。

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メインキャスター(以下「司会」):水野晶子
コメンテーター:近藤勝重・毎日新聞専門編集委員

※完全な文字起こしではありません。
 また、誤字脱字等、ご了承下さい。

司会:小出先生、こんばんは。

小出氏:こんばんは。

司会:今日もよろしくお願いたいします。

小出氏:こちらこそ、お願いします。

司会:昨日のレベル7という話は、やはり大きな衝撃だったようでして、
 今日いろいろな報道を見ましても、専門家の方の中にも、
 これは過大に見ているのではないかという人もいれば、
 遅すぎるんだという人もいるようです。
 小出さんの感想は、今日、どうですか。

小出氏:今さら何も言う事はないと思います。
 紛れもなくレベル7ですし、余りにも遅すぎと思います。

司会:こうした中で、内閣府原子力安全委員会のある委員が
 こういう事を言っております。
 「3月23日の時点で、福島第一原発からの放射性物質の放出量が
 レベル7に該当する可能性が高いと解っていた」と言うのですね。

小出氏:もちろんです。

司会:もちろん解っていたとお考えですね。

小出氏:当然です。
 もっと前に解っていました。

司会:どれ位で解っていたと思いますか。

小出氏:今、私は夕刊を読んでいるのですが、
 その夕刊には、3月15日から17日の間にもう既に解っていた
 と書いてあります。

司会:この時に急に放出量が増えたのですよね。

小出氏:そうです。

近藤氏:毎日(新聞)の近藤ですが。

小出氏:はい、こんばんは。

近藤氏:それは、我々の心理的影響とか、そういうものを考えに入れながら、
 情報を操作しているという事なのですか。

小出氏:そうだと思います。
 要するに政府としては、事故を小さく見せたい小さく見せたいと、
 そういう動機がずっとあったと思います。

近藤氏:ものの言い方も、文脈的に訳の解らない言い方をして、
 結局は避難しなくてはならないという結論に至るという、
 そういう情報操作に似ていますね。

小出氏:結局そうなって来た訳ですね、今回の事故の過程で。

近藤氏:そうすると、この(レベル)7というのは、
 国際的にいろいろな声があるのですけれども、
 何か、僕らはもっとマイナスの要素を考えておかなくてはいけないぞ、
 という警告になってきた訳ですか。

小出氏:その尺度自身は、事故が結果としてどんな事故だったか、
 という事を評価するための尺度なのですね。
 それで、既にレベル7というのは最悪な事故という
 そういうレベルに入っている訳ですから、
 レベル7の中でも、比較的放出量が少ないという事故もある訳ですし、
 もっともっと大きな事故も、全てレベル7に含まれてしまうのです。

 それで今現在福島の事故は、レベル7には入っていますけれども、
 まだその中では比較的放射能放出量が少ないという段階にある訳です。
 ただし、困った事と言うか、恐ろしい事とは、
 まだ事故が進行中という事なのです。

近藤氏:ある種の覚悟をしておけ、と言われているような気がして。

小出氏。それも含まれている訳です。

近藤氏:それと、もうひとつ解らないのですが、
 1~3号機が7で、4号はそうではないのですか。

小出氏:4号機は、原子炉自身が止まっていたという事が
 たぶん尺度から漏れているという理由だと思います。
 でも本当は私も、4号機まで含めなければいけないと思います。

近藤氏:1~4(号機)、4つも抱えているから7だという言い方も
 可能な訳でしょ。

小出氏:そうですね、今の放出されている放射能は、
 一体何号機から来たのかという事を区別して調べる事ができないのです。
 とにかく福島原子力発電所から全体として、
 どれだけ出て来たという事を、今推定している訳で、
 それを合算すると、確かに7の領域に入っているという事になっている訳です。
 その中には、4号機からの影響もありますので、
 4号機も含めて言うべきだと、私は思います。

司会:今お話しにありました4号機ですけれども、
 使用済み核燃料プールの水の温度が90℃まで上昇しているという情報があります。
 これはどういう事を示しますか。

小出氏:普段は使用済み燃料プールという水は温度が上がってきますので、
 ポンプを使ってぐるぐる回しながら冷却しているものなのです。
 ただもうそのポンプが回りませんので、
 今は注水だけで温度を下げようとしている訳です。
 通常の冷却回路が失われているので、
 どうしても温度が上がってしまうという事は、仕方のない事な訳です。

司会:普通は何度位のものなのですか。

小出氏:40℃位です。

司会:40℃って、普通のお風呂の温度位のものが、
 今90℃位まで上がっている。

小出氏:そうです。

司会:これは、水をどんどんと注入している訳ですよね。

小出氏:はい、ずっと東京消防庁の消防車が行ったり、
 あるいはコンクリートを流すためのホース車が行ったりしてやって来た訳です。
 この数日どうしたのか私は知りませんけれども、
 また温度が上がったという事を見て、
 コンクリートのポンプ車で入れたみたいです。

司会:水を入れれば、温度は下がるのではないかと思うのですが、
 どうして上がってしまうのですか。

小出氏:たぶん、しばらく入れるのを止めていたのではないかと思うのですが、
 物凄い被曝環境下ですので、入れるという作業も困難を伴っている訳です。
 たぶん、しばらく水をいれないうちに温度が上がってきてしまったのではないか、
 と私は推測しました。

司会:以前に、4号機は水素爆発をしていますけれども、
 その前日の温度が84℃だったというデータがあります。
 それを上回る90℃、この事についての懸念はございませんか。

小出氏:もちろんあります。
 「使用済み燃料プール中の放射性物質の濃度が高くなっているので、
 燃料が破損しているかもしれない」
 というような事を東京電力は言っている訳ですけれども、
 そんな事は当たり前なのです。
 ずっと前に4号機の使用済み燃料プールの建屋で爆発が起きている訳で、
 それは水素なんですね、
 水素が出たという事は、燃料棒の被覆管という金属の鞘が、
 水と反応していたという事を示している訳で、
 もうぼろぼろに壊れているのです、もとから。
 ですから、中から放射能が出て来るという事は当たり前ですし、
 今回の90℃という事も、
 ひょっとすると燃料棒の頭が水の上に出ているのではないか、
 と心配している位です。

司会:東京電力が、今日の新しい情報では、
 4号機のプールの水に含まれている放射性物質の量などを調べた結果、
 こういう事を言いました。
 「燃料の一部が破損しているが、大部分は健全」と発表したようです。
 これは、小出先生がおっしゃっている、
 燃料が破損しているのは当然の事であると・・・

小出氏:当たり前です。

司会:(小出先生は)これを早くからおっしゃっていたのですが・・・

小出氏:そうです。
 水素爆発が起きた時点で確定しています、それは。

司会:しかしながら、東京電力は「大部分は健全」という言い方なのですね。
 これはどういうように取ればろよしいのですか。

小出氏:たぶん燃料棒の被覆管が壊れているという事は、
 認めたのだと思います。

司会:燃料棒の周りを覆っている金属は壊れている。

小出氏:確実なんですね。
 誰がどんなふうに見ても、確実なのです。
 ただし、金属の鞘の中に入っているウランの燃料ペレットという、本体ですけれども、
 それがどの程度破損しているかという事は、私にもよく解りません。
 たぶん東京電力も正確には把握出来ていないと思いますが、
 そのウランのペレット自身がどれだけ溶けているという事に関しては、
 まだそれ程でもないという事を言っているのだ、と思います。

司会:そういう意味ですか。
 ただプールの6m上空で計りました放射線の量が、
 通常の10万倍以上だという話です。

小出氏:それは、水位が減っているからだと思います。
 もともとプールの深さは10m位あるべきものなのですが、
 たぶんもう深さが5mだとか、
 あるいはもっと減っていて燃料棒の一部が水面から出ているのではないか
 という事を私は疑っています。

司会:水面から出ると何が困るのですか。

小出氏:水の中に浸かっていないと、冷却が殆ど出来ないという状態になりますので、
 そういう状態になったがために、燃料棒被覆管のジルコニウムが水と反応して、
 水素が出たのですね。

司会:爆発を起こした。

小出氏:そうです。
 ですから、そういう状態はもう以前にもあった訳ですし、
 今回もそういう状態になっているのではないかという事を心配している訳です。

司会:これも、水をどんどん送りこむ以外ないのですね。

小出氏:そうです。

司会:だたそうすると、汚染された水がまた増えてくるという、
 そこのジレンマに陥ると。

小出氏:そうですね。
 溢れさせれば、増えてきてしまいますし、
 私は、その使用済み燃料プールがどこかで漏れているのではないかという事を
 心配しています。
 水を入れても、結局漏れてきてしまう。
 それが(タービン)建屋の下に溜まったり、あるいはトレンチに溜まったり、
 そして環境に出て行くというルートが既に出来てしまっているのではないか、
 という事を心配しています。

司会:この燃料棒も取りだしてしまおうという考えもあるようなのですが。

小出氏:できるなら、やった方がいいですけれども、
 とてつもない危険物ですので、もちろん人間が近づく事もできませんし、
 全てを遠隔操作でやらなければいけません。
 そんな事が今、ぼろぼろに破壊された建屋の中で行えるのかと考えると、
 とてつもなく難しいだろうと思います。

近藤氏:その難しい事を検討しているという事は、
 余程の事だというふうにも取れる訳ですね。

小出氏:そうです。
 いずれにしても、やらなければいけないのです。
 いつの時点になるかは解りませんけれども、
 どっちにしても、それはやらなければいけないので、
 検討は早くから始めた方がもちろん良い訳です。

司会:それから、今日ストロンチウムという物質の名前が出て来まして、
 これは一体どういうものだろうと思って、伺いたいのです。
 福島県で採取した土壌と葉物野菜から、
 一部ストロンチウム89と90というのが検出されたと。
 このストロンチウムが検出されたのは、今回の事故では、
 僅かであっても初めての事だと聞いたのですが、
 これは、どういう物質で、どういう懸念があるのでしょうか。

小出氏:世界では、1950年代から60年代にかけて、
 大気圏内の核実験というものが大量に行われたのですね。
 それで、原爆・水爆というのが爆発させられて、
 大量の放射性物質が大気中にばら撒かれたのです。
 そして、全世界を汚したのですが、
 いわゆる生命体に対して一番沢山の被曝を与えたのは何かというと
 ストロンチウムです。

司会:ストロンチウムが一番影響が大きかったのですか、生命体は。

小出氏:はい、ストロンチウム90と、
 次にセシウム137という皆さんお馴染になっている放射能なのです。
 セシウム137は半減期が30年ですし、
 ストロンチウム90は半減期が28年。
 それ程一度環境に出してしまうと、汚染が減らないという
 代表格の放射性核種です。

司会:半分に減るだけでも、28年かかるのですね。

小出氏:そうです。
 そして、どうして今日まで検出されなかったかというと、
 ストロンチウム90というその放射性核種は、
 ガンマー線という放射線を出さないのです。
 ベーター線という放射線だけしか出さないというかなり特殊な放射性核種で、
 ガンマー線を測定するという事は本当に簡単な事なのですけれども、
 ベーター線をきちっと測定するという事はとても難しいという事で
 ストロンチウムの分析作業が遅れていたという事だと思います。

司会:やっとベーター線の観測が出来て、ストロンチウムが解っただけであって、
 今初めて出て来たのではないかもしれないのですね。

小出氏:そうです。
 初めから出ていたのです、それは。

 初めから出ていたという意味では、
 プルトニウムという物質も随分前に福島原子力発電所の敷地の中で
 見つかったという報道がありましたけれども、
 それも、かなり初期から出ていたのです。
 ただし、プルトニウムやストロンチウムという放射性核種は、
 殆ど揮発しないという性質を持っています。
 ですから、現在の時点までの所で言うと、
 環境に出て来ている量は、ヨウ素やセシウムに比べると遥かに少ない量で
 おさまってくれているという状態にあります。

司会:今の所、大丈夫な値だと。

小出氏:そうです。
 大変生物学的な毒性の高い放射性核種ですので、
 そういう放射性核種が出て来ないように、
 何とか事故を収束させなければいけないのです。

司会:(ストロンチウムは)具体的には、どういう形で人間に困る物質なのですか。

小出氏:ストロンチウム90というのは、カルシウムという物質と同じ挙動を取ります。
 カルシウムというのは、お解り頂けると思うけど、
 骨を作る主要な物質なのですね。
 人体にとってはとても必要なものな訳ですし、
 ストロンチウムが環境に出て来てしまいますと、
 人間はそれをカルシウムと同じものだと思って体の中に取りこんで、
 骨に蓄積して行きます。
 骨というのは血液を作る所です。
 その骨が被曝する事で、白血病になったり、
 あるいは骨のガンというものがありますけれども、
 そんな事を引き起こしたりします。

司会:今は安全な値ではありますが・・・

小出氏:安全という事はありません。

司会、あ、ごめんなさい。
 安全という事はない・・・

小出氏:ヨウ素やセシウムと比べれば、比較的汚染が低い程度で留まってくれている
 という事です。

近藤氏:これは(ストロンチウム)、福島の30km圏外で出たのだそうですね。

小出氏:そうらしいですね。

近藤氏:そうすると、(福島原発)辺りで留まっているのでしょうか。

小出氏:そんな事はないと思います。
 要するに、風に乗ってあっちこっちに行ってしまったという事です。

司会:最後に一言伺いたいのは、
 菅総理が、原発の近くにはもう20年住めないのではないかと発言をし、
 またそれを後で撤回というか、そんな事は言っていない、
 とおっしゃっているという話があります。
 これについて、どのような感想をお持ちでしょう。

小出氏:とてつもない汚染ですので、
 住むという事はもちろん好ましくない、と私は思います。
 ただし、何度もこの番組でも聞いて頂いたと思いますけれども、
 ずっとそこの土地で歴史を刻んで来た人達を、
 その土地から引き剥がすという事は、またとてつもない重さを
 彼らに負わせる事になりますので、
 どんな汚染があってもそこに残りたいという人はいるのではないかと思います。

司会:本当に、ストロンチウムの事も含めまして、
 4号機の行く末も何とかこれ以上の事にならないようにと祈っております。
 今日もどうも解説頂きありがとうございました。

近藤氏:ありがとうございました。

小出氏:いえ、ありがとうございました。

司会:京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生に伺いました。
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