4月12日 きくちゆみさんによる小出裕章氏インタビュー

きくちゆみさんが、2011年4月12日に小出裕章氏に大阪の熊取にある京都大学原子炉実験所にてインタビューをした際の録音を公開されています。

♪ 小出裕章(京大原子炉実験所)さん、インタビュー ♪ – 52分11秒 – 13.1 MB
(小出先生の自転車通勤の写真など、取材写真が何枚か掲載されています)

http://www.harmonicslife.net/PodCasts/2011/Yumi20110413Podcast.mp3
(mp3ファイルです)

今日は京都から遠路はるばる阪和線の熊取まで足を伸ばし、超多忙の小出裕章さんをインタビューしてきました。30分の予定が白熱して50分にもなってしまいました。一分一秒が惜しい小出裕章さんの貴重なお話です。どうか聞いて広めてください。

あとでポッドキャストにアップします。タイトルをクリックすれば聞けます。

最後に「小出さん、どうすれば原発を止められますか?」と聞くと、「それを知っていたら、僕がやっています」が印象的でした。

書き起こしをされていらっしゃる方がいましたので、以下、転載させていただきます。

4月12日 きくちゆみさんと小出裕章氏との対談 (misaのブログ)

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きくち)私は、赤ちゃんと妊婦は危ないから遠くに逃がせと言う活動をやっていて、特に沖縄で受け入れてもらっているが、その活動は間違っていないか。

小出)放射線はどんな意味でも危険。微量だと言っても、歳を取っていても危険。

ただし、年齢に対する感受性はものすごく違う。

子供ほど、感受性が高い。

子供と妊婦を逃がすのは正しい。

少なくても子供に関しては、こんな原子力なんてものを選択した事に責任がないのだから、いかなる被曝もさせたくないし、出来る事なら逃がしたい。

ただ、避難をさせると言う事は、大変な重荷を背負う事になる。

妊婦と子供だけ避難したら、その家庭はどうなるのだろうか。

き)私たちは、その家族まるごとを避難させようとしているが、お父さんやご両親は行かれないケースがある。

一旦避難したのに、学校が始まったからと福島に帰ってしまった方もいる。

国は安全だと言うから、市民の活動よりも当然そっちを信用する。

政府が言う自主避難は、自らが避難しろ、保障は何もしないよと言う事。

だが既に1ヶ月も経ってしまい、累積被曝がかなりのものになっている。

小)40キロ離れた飯館村と言う所はすごい汚染になっているわけで、私はそういう所の人たちに、住み続けて欲しいとは思わない。

共同体まるごと移れる様な仕組みを作らなければいけないと思う。

私は今度の原発事故を起こしたのは、東京の責任だと思っているが、現実問題として東京では受け入れられないと思う。

原子炉というのはウランを燃やし、そこから出てくる熱で蒸気を発生させて電気を起こす装置だ。

核燃料棒の健全性を守る為に、今使っている原発の熱効率というのは、3分の1しか電気にならない。

3分の2は使えないと言う馬鹿げた装置。

き)海に温排水として捨てている。

小)日本の場合、全て海に捨てるというしか動きようがない。

き)海あたため装置。

小)それは、私に原子力が何なのかを教えてくれた、私の数少ない恩師である水戸巌さんが言った言葉。

メインの仕事は海を温めているのが原子炉。

ウランを燃やせば、何百種類もの核分裂生成物が出来、それが原子炉の中に大量に溜まっていく。

発電の為のウランの核分裂反応は容易に停止させる事が出来るのだが、既に溜まっている放射性物質が熱を出し続ける。

崩壊熱と呼ばれる高熱が出続ける。どんな事をしても止められない。

冷やす為には電気でポンプを動かし水を入れ続けなければいけない。

しかし、今回ポンプが全て止まってしまった。

ジルコニウムという金属でおおわれた1センチ×4メートルの燃料棒のさやの中には、ウランを焼き固めたペレットと呼ばれる小指の先くらいの小さな瀬戸物が沢山詰まっている。

電源が断たれて、原子炉を冷やせなくなり、どんどん熱が上がって行った。

燃料棒の被覆管というのは温度が850度を超えると回りの水と反応する。

反応して出来るものは水素。

水素が、ある時点で爆発して、原子力建屋を粉々に吹き飛ばした。

ペレットは2800度くらいにならないと溶けない。

しかし、原発の敷地の中でプルトニウムという核種が検出されているので、それはウランのペレットが溶けた事を意味している。

今の所、大量に溶けたとは思っていない。

それが大量に溶けて落下するとメルトダウンと言う状況になる。

もし下に水があるとすると水蒸気爆発を起こす。

格納容器が一部破損している為、入れた水が外にどんどん漏れている。

ものすごい放射能汚染の強い水が発電所のタービン建屋の地下やトレンチやピットや立坑にあふれて来ている。

それを何とかしないといけないと、汚染の比較的少ないものから海に流してしまう事になった。

き)これはもう世界から非難ごうごうなわけで、それまでは日本に対し同情が集まっていたのが、海に流した瞬間にものすごい非難で、日本は環境テロ国家だと言われている。

みんなの海であるのに。

小)海は日本のものじゃない。

き)空気も日本だけのものではない。

福島から出た放射性物質は地球を1周し2周目に入っているという。

ヨウ素は半減期が8日なのに、未だにあまり減っていない。

小)私も再臨界が起きているのではないかと疑っている。

ウランが再び核分裂を起こしているのではないかと思うのだが、燃えたり収まったりとくすぶっている状態であり、すぐさま爆発が起きるのではない。

だが、熱が高くなると共に、さらに放射性物質を生み出す事になる。

き)最初は広い地域で避難させ、安全が確認されてから戻って来た方が良いのでは。

小)防災の立場から言えば、もちろんそうだ。

防災の原則は、最悪の事を考えて手立てを打つ。そして、大丈夫なら少しずつ解除をして行けばいい。

日本の国は全然そうではない。

原発で大事故が起きるなんて事は有り得ないと彼らは言っていたわけで、住民が避難するような事は決してないという宣伝でここまで来てしまった。

き)今回それがもろくも崩れて、実際にこういう事になった時に、後手後手に回っているわけだが、これから福島の方はどうして行けば良いのか。

小)放射線管理区域では、水を飲んでも食べてもいけないし、寝てもいけない、子供を入れてもいけない区域。

そのような汚染を、既に福島ではものすごい広範囲の地域で受けている。

一般の人が立ち入ってはいけない様な所が膨大に出来ている。

その様な所で人々を生活させるなんて、私には到底許せない事。

でも、私には避難しろとは言えない。そこで長い間歴史を刻み過ごして来た人々は、そこから一体何処へ行ったら良いのか。。。

原子力を認めてしまう限りこうなる事を、みなさん知らなければいけない。

メルトダウンし、原子炉が爆発するという最悪のシナリオになると、日本全土が放射能汚染に包まれる。

それを何とか防ぐため、福島の現場の人々が苦闘を続けている。

大変な被曝をしながら。

今は冷やすしかないが、別の方法を考えなければ、膨大な水を海に流す事になる。

水の循環システムを作らなければならないが、膨大な被曝を覚悟しなければならない。

何ヶ月もかかるだろう。

き)テレビを見ていると他人事のようにおじさんたちがしゃべっているので、大丈夫なのかと思っていた。

福島の人を助けたいが、それが福島の農産物を食べる事なのか。

自分を含め、東京の大人たちは食べなきゃいけないと私は言って、皆からすごい怒られた。

福島の人たちに関係のない<東京の電気>を福島で作らせていたのだから。

小)私もそう思う。

東京の大人は絶対食べなくてはいけない。

しかし、世界中の子供達には放射能を食べさせてはいけない。

き)そうそう、計画停電ってやる必要あったのか。

小)火力発電所が被害を受けて止まっていたのだと思う。

き)火力発電が止まっていただけで、原発が止まっていたからではないと。

小)もちろんそうだ。原発だけなら何の問題もない。

き)真夏のピーク時でも、火力と水力と風力だけで十分間に合っているとデータにある。

日本の原発を全部止めても電力はまかなえるのか?

小)もちろんだ。

き)今回の計画停電で「原発がないと停電しちゃうんだ」と刷り込まれた。

小)そういう風に政府も電力会社も宣伝をした。

き)メディアはそんな事一言も言わない。

小)私は電気が足りようと足りなかろうと、原発はやってはいけないと言っている。

き)原発はまさに命がけの電力。

原発をやるのは未来にツケを残しながら、労働者に被曝をさせながらの電気なわけだから、そんなもの無くても良い。

そういう人が多くなっていけば、日本は原発でない選択が出来る。

でも、なかなかそうはならない、現実は。

小)今日までならなかったが、これからはどうなるか。

き)選挙で都知事にまた石原さんがなった。

あの人は福島の人に向かって、またここに原発を建てようと言った。

今までも何て人だと何回も思ったが、今回は。。。

あんたは70後半でいいかも知れないけど、子供達はどうするのと。

チェルノブイリではお母さんたちが子供のお葬式をいっぱい出した。

親が子供の葬式を出すような事故を原発1個が作った。

日本が二の舞になろうとしている。

これで収まればそうならないで済むのか?

小)そうならない様に、福島の労働者の人が苦闘を続けている。

それは意味のある結末を生んで欲しいと思う。

き)その人たちも、誰かのお父さんだったり旦那さんだったりする。

小)みんな生身の人間がそこにいる。

き)どうしてこんなものを許しているのか、胸が詰まる。

日本中の原発はまだ動いているし、まだそれを選んでいる人もいる。

私はこういう事故があったら、国中の原発を止めて点検するものと思っていた。

全然甘かった。

どうしたらこれを変えて行けるのか。

うちは家のアンペアを15から更に下げようと思っている。

小)今の日本のエネルギーの使い方は間違えていると思う。

エネルギーの消費量がとてつもなく多過ぎる。

2分の1か3分の1に減らせる。

エネルギーは必要だが減らしても大丈夫な量だ。

そのくらい減らしても、全世界の平均の量になる。

日本のエネルギー浪費は改めなければいけない。

き)3.11がその転換期になるかも知れない。

先生は、コンピュータの電気だけで暮らしている。

小出先生がNHKに出てくれる事を願っている。

<ポッドキャストまとめ終わり>
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