4月16日 福島原発最新状況分析 小出裕章

ビデオニュース・ドットコムが、2011年4月16日にニュースコメンタリーを公開しています。

ニュース・コメンタリー (2011年04月16日)
福島原発最新状況分析
レベル7でも事態の矮小化に躍起な政府とメディア
解説:小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001827.php

神保氏の指摘や分析が前回に続いてとても冷静で鋭く、小出先生から現状に関する見解を存分に引き出していて、とても有益な情報が得られます。

今週も東京電力福島第一原発で大きな動きがあった。原子力安全・保安院は12日、福島第一原発の事故を、原子力施設で発生した事故の深刻度を示す国際評価尺度(INES)による暫定評価を最悪のレベル7に引き上げた。また、東京電力は13日の会見で、4号機の使用済み核燃料プール内の燃料棒が一部破損していることを認めた。
 京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、政府や東京電力が事故をなるべく小さく見せようとして最初に「レベル4」とし、今頃になって「レベル7」にしたと言う。燃料棒の破損に関しても、3月15日に4号機が水素爆発を起こした段階で燃料棒は損傷していたのではないかと疑う。
 再臨界については、クロル38とともにナトリウム24という放射性核種も検出されなければならないが、東京電力はナトリウム24の検出については、データを出していない。今後発表されるはずの核種分析の調査結果の中に、クロル38とナトリウム24があれば、再臨界が発生していると考えていいと述べる。
 今週のニュース・コメンタリーでは、小出氏のインタビューをもとに、神保哲生と大阪大学准教授の平川秀幸が福島原発の現状とその現状を小さく見せようとする政府や東京電力、メディアのあり方について議論した。

以下、小出先生出演部分の要約です。

・(保安院が暫定でレベル7に引き上げたことについて)コメントするのが嫌なほど馬鹿げたこと。レベル7であるのは3月半ばに分かっていた。事故を小さく見せたいということだけで、なんていう人たちなのかと思っていた。いい加減にしてくれというのが正直な気持ち。

・(レベル7であっても流出量はチェルノブイリの10分の1以下という報道が大手メディアでなされていること、そして、算定した流出量に地下や海に流れた分が含まれていないことについて)合わせれば10分の2か10分の3かもしれないが、現時点ではチェルノブイリほどは出ていないという認識。ただし福島は進行中のため、今後の状況次第では超える可能性もある。

・(チェルノブイリは最初の10日間で流出のほとんどが発生したが、福島の場合は少しずつ出る状態が続いていて止まる見通しが立たないことについて)福島の1から3号機の合計はチェルノブイリの3倍。福島の4から6号機の燃料まで合わせると6倍になる。使用済燃料プールも合わせるとほぼ10倍になる。状況によっては福島からの流出量はチェルノブイリを超える可能性。

・(4号機で12日に水温が90度に上昇し、東電が損傷を認めたことについて)4号の使用済み燃料は定期検査の前に原子炉で燃えていたものを取り出したばかりだった。従い、発熱が多い状態。その燃料が水面から顔を出した状況があったと思われる。4号機の原子炉建屋が水素爆発で吹き飛んだが、これは燃料の被覆管が水と反応して水素が発生したことによる。その後あわてて水を入れたが、水が足りないために再び燃料が水面から顔を出したのではないかと推測する。4号機の燃料プールに損傷があるのではないかと疑っている。

・(使用済であっても冷やせなくなると1から3号機と同じような危険があるか?という問いに)まさにその通り。

・(飯舘村でストロンチウムが検出されたことについて)ストロンチウムは大変危険な放射性核種。1950年代から60年代に行われていた核実験が地球全部を汚染したが、そのときにどの核種の影響が大きかったかというと、ストロンチウム90だった。ストロンチウムが危険な理由のひとつは半減期が28年と長いこと。セシウム37は30年だがそれと同様に消えない。理由のふたつめはカルシウムと同じ挙動をとること。従い人間の身体がせっせと取り込んで骨に入れてしまう。白血病や骨のガンにつながるため人間にはとても危険。ストロンチウムは揮発しないため、燃料の温度が少しくらい上がっても外には出ない。ウランの燃料ペレットが健全であれば出てこないはずだが、出ているということは、事故の早い段階から燃料ペレットが一部溶けていたという証拠。

・ヨウ素とセシウムはベータ線と同時にガンマ線を出す。ガンマ線は検出が容易。ストロンチウムはベータ線だけしか出さないため、分析が難しい。が、分析は可能であり、もっと早くやるべきだったと思う。

・(1号機の放射線量が100シーベルトに上がっていたことやクロル38が検出されたこと等に関連し、再臨界の可能性について議論した点について)クロル38は中性子が出ないと絶対に出ないため、クロル38があったのであれば中性子があったのであり、それは核分裂があったことを示す。ただしクロル38があってもナトリウム24が検出されたと発表されていないことはつじつまが合っていない。他にも再臨界を疑わせるデータはいくつもあるため、再臨界が起こっていることを恐れている。再臨界を否定するような材料はこれまでにない。

・本当にどうかというデータを知りたいが、残念ながら東京電力が発表していない。きっちりとした説明をすべき。

・再臨界の程度が大きくなっているか小さくなっているかは、今出されているデータからは分からない。

コメントは受け付けていません。