4月18日 希望的観測ではだめ 小出裕章

ジャーナリストの木下黄太氏のブログ『福島原発を考えます』にて、木下氏が2011年4月18日午前に小出裕章氏に取材された内容が公開されています。

東京電力の会見から希望は見えてくるのか (2011-04-18 11:22:21)

※ 東電が4月17日に配布した工程表そのものは日経新聞ウェブサイトにて入手できます。(こちら

小出先生の関連部分のみ転載させていただきます。全文は上記ページをご覧ください。以下、小出先生発言部分は太字にしています。

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さきほど、小出先生ともお話をしました。先生は「木下さん、このとおりの工程で、うまく収束できるのなら、本当に望ましいです。私もそれを期待はしますよ。まず、そう思っていることは伝えます」とおっしゃいました。その上で、今回の工程に関しての評価をうかがったのですが、「まず、正直に言って、東京電力がこれまでおこなってきた対応が、うまく展開したと私が思えたケースはほとんどありません。ですから、この工程もうまくいけばよいですが、このような希望的な観測で東電が事態の推移をきちんとできるとは僕には思えません。こういう感じでうまく事が進められるなら、とっくに状況は改善しているはずですから」と、概説的にお話になります。さらに、「具体的なプランを見ていくと、元々僕が思っていた格納容器と圧力容器との間に水の循環をつくるということは、よくわかります。ただし、格納容器をきちんと水で浸すという考え方は、現実に対応可能なのか、私は疑います。格納容器は、損傷が激しいものもあるのです。放射能がかなり高濃度の中で、格納容器を補修するということが、どれだけ現実性があってできることなのかと言うことです。できるなら、もっと早く対応していることですから、ここまでそういう風にできていないことをどうやったらできるのかと言う見通しが具体的にあるのなら、まだわかりますが。そうした見通しがある中で出てきている話ではないと思います」とおっしゃっています。格納容器の損傷のレベルをどう考えるのかなど、東京電力にとっては、一貫して歯切れよく語らないストーリーとなっていますから、ここをどうするのかと言うことの具体論に、リアリティがあるのかと言う疑いは僕も持っていましたが、小出先生も同様の見解でした。この流れは、できるのなら、とっくに行われるはずの事についてのやりとりですから、何をいまさらなのです。「木下さん、作業員の皆さんの線量と体力気力を考えたときに、格納容器の修復と言う、危険でかつかなり手間がかかる作業を、どうやったら現実化できるという感覚が、きのうの工程から伺えませんでした。私は、今の状態も、かなりシビアだと強く思っています。危険は差し迫っているままなのに、この流れでどうやったら改善できるのかという考えが、はっきりしません。今回の工程を見ていても、強く思いますよ。」と。原子炉の建屋の中の線量は高いままです。1号機は原子炉の建屋の内側だと少なくとも、毎時二百五十ミリを超えているそうですから、ほとんど何もできる状態ではありません(1号機は本当に大丈夫なのかと懸念します、従来、このブログのコメントなどでも、懸念が続いてる情報が寄せられているのは、1号機のことのようです、危険な状態が続いていることだけは間違いありません)。こうした点から考えると、いったいいつになったら線量が下がるのか。そして、高被曝を覚悟して作業員が破損箇所を点検して、無理やり何とかすると言う話だと思います。兵站も含めて、超えなければならないステップが何段も何段もあります。そのステップの一つでさえ、適正に越えられる見通しがよくわからない中で、一体どうするのかというお話な気がします。これで、菅総理は「少し前進できた感じがする」と述べたそうですが、この点についても小出先生と話しましたが「木下さんの方が分かっていると思うけど、菅さんは何も考えてきめていかないから、物事の本質が分かっていないのですよ」と。勿論、この工程の発表と言うのは、政権が東京電力に見通しを示させるようにした訳ですから、政府の意向が大きく影響をしていることは間違いありません。僕からすれば、本来東京電力がこういう素案をまとめて、政府部内や原子力安全委員会で検討して、政府として見通しを国民に伝えると言うのが本来あるべき姿であって、まずそれを政府そのものから語りかけずに、東京電力に発表させておいて、「少し前進した気がする」という他人任せなコメントになるのは、本当に菅総理らしいなと思います。
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