先日東京電力が塩素38(クロル38)の測定値を訂正したことに関して、Peace Philosophy Centreが、モントレー国際問題研究所不拡散研究センターの研究員ダルノキ-ベレス博士の見解を翻訳して掲載されています。
東電の塩素38測定値撤回に対するダルノキ-ベレス博士の所見と情報開示の要請
この見解について小出裕章氏のコメントが紹介されていますので、以下の通り小出先生部分を転載させていただきます。
東電、保安院、安全委員会が4月25日から会見を一体化し、出席記者は保安院による事前審査により選別されるとの報道がありましたが、小出先生の言われるような生データの公表ということから逆に遠ざかることにならないよう願いたいところです。
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(小出裕章さんから4月23日メールで届いたコメント)
ご指摘の点はそのとおりです。
私の推測では、Ge半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリのデータを、測定器メーカーの解析ソフトを使って自動的に解析してしまっているためだと思います。
その結果を本当ならチェックしなおすのですが、それを怠ったためでしょう。
そして、半減期37分のCl-38の場合、測定時点から、試料採取時点までの減衰補正をすると大きな値になってしまいます。
たとえば、370分(約6時間)経っていたとすれば、測定時点の1000倍の値として評価しますし、採取から測定まで740分(約半日)経ってしまっていたとすれば、採取時点に減衰補正すると6桁分大きくなります。
ダルノキ-ベレスさんのコメントどおり、生データが公表されれば、一気に解決します。 2011/4/23 小出 裕章
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