4月26日 4号機汚染水は本当に3号機から? 小出裕章

2011年4月26日(火)、MBS(毎日放送)ラジオたね蒔きジャーナルに、京都大学原子炉実験所助教小出裕章氏が出演されました。

2011年4月26日【火】
福島元年にチェルノブイリ25年を考える~広河隆一さん
きょうはチェルノブイリ原発事故から25年。はるか遠くの地の昔の出来事だと思っていた原発事故は私たちの直面する最大の難題となってしまいました。チェルノブイリを何度も取材し、福島原発事故翌日には現地入りもしているフォトジャーナリストでDAYS JAPAN編集長の広河隆一さんに「今、私たちがチェルノブイリから学ぶべきこと」を聞きます。京大・小出先生の原発事故解説も

今回も、小出先生の出演部分を録音、公開してくださっています。

【福島原発】4/26/火★1-土壌汚染について 2-4号機 地下汚染水濃度高まる 1/2

【福島原発】4/26/火★1-土壌汚染について 2-4号機 地下汚染水濃度高まる 2/2

以下、要約です。(全体文字おこし転載はその下にあります)

・(郡山市の保育所や学校で園庭、校庭の汚染土を除去する話が出ているが)除去したほうがいい。それは過剰反応ではない。被曝はあらゆる意味で危険であり、どんな時も除去したほうがいい。特にこどもは大人より放射線の感受性が高い。

・(文科省は地上1メートルで測定しているが、郡山市は独自に1センチメートルのところで測定している。これは?)意味がある。というのは地面が汚れているため、表面近くで測ったほうが土地の汚染がより正確に分かるから。大人の場合は被曝量を考える上で1メートルで測ればいいという専門的な合意がある。が、地べたで這い回り泥まみれになる子どもたちのためには、低いところで測ったほうがいい。

・(除去した土の処理は?)一般のゴミ処分場ではだめ。福島原発の周辺の汚染はものすごく、残念ながら住民は元には戻れないと予測している。そこを無人地帯にし、汚染物質はそうした場所に集めるしかないと思う。放射能汚染は消すことはできず、一般の処分場に入れたら後の管理ができなくなる。どこかに集めるしかない。

・(進行中の今の時点で汚染物を集めるのは早過ぎるのでは?)そうかもしれない。今後もっと強い放射性物質が降ってくるのを私は懸念している。しかし、子どもたちは今生きている。今の時点で綺麗にする責任がある。

・(掃除機で校庭を吸い続けるのはどうか?)多分効果はない。土はそのものが汚れていて、掃除機で吸い込めるものではない。表面から数センチ分を除去して新しく入れる必要がある。まだ事故が起きて一ヶ月ちょっとであり、土の汚染は表面から2〜5センチ程度だろう。

・(やれることは何でもやったほうがいいと小出先生は言っていたが、水棺についてはしないほうがいいとしている。水棺に失敗したらどうなるのか?)一部破損している格納容器が、それによって余計に破損してしまう。もともと格納容器は大量の水をいれる設計になっておらず、トラブルが起こりかねない。水をいれることで損傷が拡大する可能性もある。

・(明日から注水量を2.3倍に増やすとされているが?)これまで水を漏らしながら注水を続けてきた。が、1号機の状況を見ると期待通りには冷えていない。そこから水棺の発想が出た。いままでより多い水を入れてみようという話。

・(水棺作業によって格納容器が倒れたり崩壊する恐れは?)格納容器が倒壊したり崩壊したりすることはないと思う。損傷が拡大し水がもっと多く漏れてくることは心配している。これが原因で爆発につながるとは思わない。東電と保安院によると、1号機には水素爆発の危険があるということで、窒素を注入していた。それを本当に心配していたのなら、水棺はしてはいけない。水棺をすると気層が狭まってしまい水素が濃縮されやすくなるはず。

・(ではなぜそのような矛盾したことをしているのか?)分からないが、私はもともと格納容器の水素爆発を防ぐために窒素を入れること自体に疑問を持っていた。もしそれをするなら2号機や3号機でしなければいけないはず。東電はちぐはぐなことをしている。

・(4号機の地下の汚染水の濃度が一ヶ月で250倍に高まったことについて)東電は3号機から来ているとしており、その可能性はあると思う。私は4号機の使用済み燃料プールの損傷が進んで、そこから漏れてきている可能性もあると思う。4号機は考えようによっては難しい問題をはらんでいる。原子炉の中で溶融する可能性はないが、燃料プールの状況によっては事故の進展が大きく変わりえる。4号機は既に爆発で建屋の壁が損傷しており、プールそのものが崩壊する可能性もある。そうなると水がたまらなくなり、外から水をかけつづけても溶融する可能性が高い。そしてその水は外に出てしまう。

・(福島県から先生への質問が増えている。明日もよろしくお願いしたい)はい。

ブログSleepingCatsにて、小出先生部分の書き起こしをされています。転載させていただきます。

4月26日MBSラジオ小出裕章氏「学校の土壌汚染、水棺、4号機地下汚染水等について」

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メインキャスター(以下「MC」):水野晶子
コメンテーター:平野幸夫・毎日新聞「ほっと兵庫」編集長

※完全な文字起こしではありません。
 また、誤字脱字等、ご了承下さい。

MC:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺います。
  小出先生、こんばんは。

小出氏:こんばんは。

MC・平野氏:よろしくお願いします。

小出氏:よろしくお願いします。

MC:今日はまず、土壌汚染、土の問題ですね、
  この土壌の汚染から如何に子供達を守るかについて伺いたいのですが、
  福島県の郡山市、ここは福島第一原発から60km程離れた所ではあるのですが、
  今度小学校・中学校・保育所などで、校庭の土を除去する、と、
  表面の土、表土を除去するという話が出て来ました。
  これは、放射性物質が含まれているとみられる土を、
  何とか除いて欲しいという親御さん達の希望があったという事なのですが。
  もともと文部科学省が基準としているのは、
  3.8mSv以上だと外で活動しないで下さい、というものですので、
  郡山市の場合は小中学校では同じ値ですけれども、
  保育所の場合、それより低い値でも園庭の表面の土を除去しよう、
  という話になっているのですね。
  小出先生からご覧になると、どんなふうに映りますか。

小出氏:いいと思います。

MC:除去した方がいいという事ですか。

小出氏:はい。

MC:もしかしたら、過剰反応なのではないかという見方はありませんか。

小出氏:そんな事は全くありません。
  被曝というのは、大人も含めてあらゆる意味で危険です。
  ですから、何とか被曝をしないように、
  どんな時もした方がいいのですし・・・

MC:出来る事なら。

小出氏:はい。
  特に子供の場合には、大人に比べて放射線の感受性が強いので、
  何とか、出来る事があるならば、やるべきだと思います。

MC:この基準について言いますと、
  文部科学省は、地面から高さ50cmから1mの所の空気で
  放射性物質を計っているそうなのですが、
  郡山市の場合は、地面から高さ1cmの所で計るという、
  独自の方法を用いているのだそうです。
  測定する高さが違う事に意味はあるのでしょうか。

小出氏:もちろんあります。

MC:どういう事ですか。

小出氏:要するに、地面の表面が汚れている訳ですから、
  その汚れている表面から、高さが離れれば離れるだけ数値が小さくなってしまう、
  そういう性質があります。
  ですから、なるべく表面近くで計れば、その土地の汚染の強さというのを、
  より正確に知る事が出来ます。
  だから、1cmという所で計るという事は、
  汚染をちゃんと知るという意味では良い方法だと私は思います。

MC:では、国でも1cmで計ればいいではないですかね。
  何で1mとかになるのですか。

小出氏:要するに、空間のガンマー線量率というものを計っているのですが、
  普通の大人の場合には、身長が150cm、60cm、あるいは、180cmという、
  そういう人間を相手にしている訳で、
  平均的な大人の被曝量を考えるには、大体1mで計ればいいだろうというのが、
  私達の合意なのです。
  でも、子供はもちろん背が小さい訳で、50cm位で計った方が良い訳ですし、
  私は、子供というのは地べたに寝転んで泥まみれになって生きるものだと
  思っていますので、むしろ地面そのものの汚染を計った方が良いだろうと思います。

MC:ただ、この土をさらって、その汚染された土をどこにやるのか
  という問題があると思うのです。

小出氏:もちろん、あります。
  もうどうしようもありません。

MC:埋め立て処分場の一角に埋めるという話も聞こえて来たのですが、
  一般のゴミ処分場でいいのでしょうか。

小出氏:全くダメです。
  今もう既に事故が起こってしまった訳で、
  福島原発の周辺は物凄い汚染になっていて、
  私はこんな事を言うのは大変言い難いけれども、
  たぶん、住民の方は元に戻れないと思います。

MC:原発の近くの方は、元の形ではお住まいになれないだろうというのが、
  小出先生の予測ですか。

小出氏:そうです。
  ですから、そういう場所というのはもう無人にするしかないと思いますので、
  汚染したものはそういう場所に集めるという事になると思います。

MC:では、今一旦一般のゴミ処分場に埋めるという話では収まらない。

小出氏:私は、そんな事はしない方が良いと思います。
  放射能で汚染したものを、一般のゴミ処分場などに入れてしまったら、
  後の管理が出来なくなりますので、
  放射能で汚染したものは、それなりの場所に集めるしかない。
  消す事が出来ないのです。
  ですから、どこかに集めるしかないと思います。

平野氏:先生、これは集めると言っても、現在まだ進行形ですよね。

小出氏:そうです。

平野氏:ですから、これ、今の時点でそれをやるというのは、
  まだちょっと早すぎる・・・

小出氏:それはあるかもしれませんね。

MC:さらってもまた次に放射性物質が降って来るという事ですね。

小出氏:はい、その可能性はあるし、
  もっと強い放射能が降って来る事をずっと私は懸念している訳ですから、
  今やった所でまた汚染が生じてしまう可能性はあると思います。
  でも、子供達は、今生きている訳ですから、
  今やはり綺麗にする責任はあると思います。

MC:例えば、掃除機のようなもので、毎日校庭を吸い取るような事をし続ける
  というのはどうですか。

小出氏:たぶん、効果はないだろうな、と私は思います。
  要するに、砂というか土そのものが汚れてしまっているはずで、
  掃除機で吸い取るような事をしても、たぶんダメだと思います。

MC:そういうゴミやチリというような感覚では、もうダメなのですね。
  土地そのものをやはり除去しなければいけない。

小出氏:そうですね、ですから表面から何cmという所を除去しなければ
  いけないとして、そして新しくて新しく綺麗な土を入れる、と。

MC:また入れなければいけない、入れ替えが必要なのですか。

小出氏:たぶん・・・
  例えば、砂をどかしてしまえば、砂場が無くなってしまう訳ですから、
  新しい砂を入れなければいけないと思いますし、
  校庭を1cmずつはぎ取って行って、
  何回か出来るという事はあるかもしれませんけれども、
  やはり綺麗な土を入れるという作業を、結局はしなければいけないと思います。

MC:上から何cm程までさらう必要が本当はあるのですか。

小出氏:それは良く解りませんけれども、
  ただ、まだ事故が起きて一月ちょっとな訳ですから、
  汚れているのはたぶん表面から2cm、
  深くても5cmだと私は思います。

MC:ただそれでも、それだけの砂をさらってどこかに運び、
  また新しいのを入れるというのは、また大変なお金・労力が要りますね。

小出氏:でも、子供の遊び場だけはやって欲しいです、私は。

MC:それから、水棺について伺いたいのです。
  水の棺と書く、この水棺、水で原子炉を全部浸してしまおうという話での
  処理方法を今度やって行こうという話なのですが、
  これは、小出先生は昨日もやらない方がいいのではないか、というふうに
  おっしゃいました。
  今まで、いろいろな方法について、
  小出先生は、やれる事なら何でもやった方がいいかもしれない、
  とおっしゃっていたにも関わらず、
  水棺についてはかなり否定的なご意見ではないかと、
  私は思っているのです。

  それで、ラジオネーム(省略)という方は、
  福島市からメールで小出先生に質問というふうに下さいました。
  「この水棺の作業は、これから本格的に行われるという事ですが、
  もし失敗した場合には、どのような事が起こるのでしょうか」、
  どうした事を懸念してらっしゃるのでしょうか、先生。

小出氏:格納容器が余計破損するという事です。

MC:格納容器は今一部破損しているのではないか、と
  小出先生は見ていらして・・・

小出氏:それはもう私だけではなくて、皆が見ています。

MC:これが余計破損するというのは、どうしてですか。

小出氏:格納容器というのは、もともと水を入れるなんて事を想定していませんし、
  そういう設計にもなっていません。
  そこに何千トンもの水を入れようとしている訳で、
  今まで考えてもいなかった所で、トラブルが起きないか、
  と私は心配していますし、
  特にもう既に格納容器の一部に損傷がある事は確実ですので、
  その損傷が、水を入れた事で拡大する可能性はあると思います。

平野氏:先生、明日から一挙にこれまでの注水量の2.3倍に当たる
  毎時14㎥に増やすと。
  一挙にこういう事をして大丈夫なのでしょうか。

小出氏:要するに、今水を入れて来ている、これまでも入れて来たのです。
  でも、その水は一部は外に漏れて事は確実です。
  でも、今の1号機の圧力容器の状態を見ると、
  期待している通りには冷えていない。
  ですから、何とか冷やしたいという事を東電は思って来た訳で、
  それが水棺という事にも続いて行った訳ですが、
  水棺にするためには、なるべくどんどん水を入れる必要がありますので、
  今までよりも2倍3倍の水を入れてみようと言っている・・・

MC:入れてみようと・・・
  そこでラジオネーム(省略)という方は、福島県のいわき市から下さいました。
  「この水棺の作業で、格納容器が水の重みに耐えかねて倒れてしまったり、
  崩壊してしまったりという恐れはないでしょうか」。

小出氏:何ともよく解りませんが、
  格納容器が倒れたり、崩れ落ちるという事は、たぶん私はないと思いますが、
  今まで既に漏れが起きている、つまり損傷がある訳ですけれども、
  その損傷の部分がより拡大して、水がもっと漏れてくるという可能性は
  あると思います。
  むしろ、高いかもしれないと思っていて、
  それを私は心配している。

MC:その事が何か原因で、爆発に繋がるのではないか、
  というご質問も来ているのですが。

小出氏:爆発という現象には、私は繋がらないと思います。

MC:そういう事ではないのですね。

小出氏:はい。
  まあ、1号機には、東電や保安院の主張によると、
  水素爆発の可能性があるから窒素を入れるというような事を、
  ついこの間までやっていたのです。
  ですから、その事が、本当に彼らが心配していたのだとすれば、
  水棺はやってはいけません。
  要するに、私達が気層と言う、水ではないガス状の空間が
  どんどん狭まってしまいますので、
  水素がより濃縮しやすくなる、と私は思います。
  ですから、本当に東電や保安院が、水素爆発の可能性を心配しながら
  窒素を注入するという作業をしたのであれば、
  水棺はやらない方がいいです。

MC:そうしたら、何故論理が矛盾するような、水棺に拘っているのでしょうか。

小出氏:解りませんけど。
  私はもともと格納容器の中の水素爆発を防ぐために窒素を入れるという事に
  疑問を持っていて、たぶんこの番組でも聞いて頂いたと思いますが、
  もしそんな必要があるのだとすれば、2号機3号機でやらなければいけない、
  と思ってきました。
  そっちではやっていない訳ですから、
  東電がやっている作業は、本当にちぐはぐな事をやっています。

MC:今度4号機の地下の汚染水が、
  非常に濃度が高くなっているという話が出てきました。
  一ヵ月で最大250倍まで濃度が高まりました。
  の原因は何だとお考えですか。

小出氏:東電によると、3号機の方から水が来ているのではないか、
  と言っていますけれども、その可能性はひとつはあると思います。
  ただ、私は、ひょっとすると、4号機の使用済み燃料プールが
  かなりもう損傷が進んでいて、どんどん漏れて来ている可能性もある
  と思っています。

MC:それは、3号機から汚染水が来たという事よりも、
  4号機の使用済み燃料(プール)の損傷が進んでいる事の方が、
  リスクは高い事なのですか。

小出氏:4号機というのは、とても考えようによっては難しい問題をはらんでいて、
  運転していませんでしたから、本来は原子炉の中にある燃料が、
  使用済み燃料プールという方にあったのです。
  ですから、原子炉そのもの中で溶融するとかいう可能性はない訳ですけれども、
  その分が使用済み燃料プールにありましたので、
  そこが一体どういう状況にあるのかによって、
  事故の進展は大きく変わると思います。
  そして、4号機の使用済み燃料プールは既にもう水素爆発を起こして、
  建屋自身が吹き飛んでいますし、
  建屋の壁までが損傷しているという事が解っていますので、
  使用済み燃料プールがそれこそ崩壊する可能性もあると思います。

MC:プールそのものが崩壊する可能性・・・
  そうしたら、どうなるのですか。

小出氏:そうなると水を溜める事が出来ませんから、
  外からまた水をとにかく入れ続ける、掛け続ける、
  という事になると思いますけれども、
  燃料が溶融する可能性は高いと思います。

MC:その水はどんどん地中に入って行き、また海水に・・・
  という事になるのでしょうか。

小出氏:そうです、もちろんです。
  今までも、そうやって水をどんどん掛けたがために、
  敷地中に水が溢れてしまって、
  なんか東電や保安院は、それあまり程海に漏れていないかのように、
  言っていますけれども、
  私は、それはもうどんどん今現在も漏れている、と。

MC:なるほど。
  これを何とか食い止めなければいけない訳ですけれども、
  作業員の方の必死な作業が続いているし、
  また、福島県からこうした先生へのご質問も増えて来ております。

小出氏:はい。

MC:皆さん、本当に正しい情報を知りたいと思っていらっしゃるのが解ります。
  明日もどうぞよろしくお願い致します。

小出氏:こちらこそ、よろしくお願いします。

MC:ありがとうございました。

平野氏:どうもありがとうございました。

小出氏:はい、ありがとうございました。

MC:京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生に伺いました。
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