4月27日 情報公開の約束は果たされていない 小出裕章

(※ 最初「内部被曝の危険」というタイトルを付けましたが、変更しました)

2011年4月27日(水)、MBS(毎日放送)ラジオのたね蒔きジャーナルに小出裕章氏が出演されました。

2011年4月27日【水】
放送作家が見た被災地
 今夜は、東北の被災地を訪れてきた放送作家の石井彰さんを東京のスタジオにお迎えし、話を伺います。石井さんからは、“放送人”として感じたこと、特にいま現地に何が必要なのか話してもらうとともに、現地のボランティアの状況や、地元ラジオがどのように情報を発信できたかなど、話を聞きます。
 また、今夜も京大原子炉実験所の小出さんに電話出演していただき、汚染された学校の表土除去の問題や、女性社員の被爆などについて話を伺います。

今回も、小出先生の出演部分を公開してくださっている方がいます。

【福島原発】4/27/水★1.内部被爆について2.1号機も高濃度汚染 1/2

【福島原発】4/27/水★1.内部被爆について2.1号機も高濃度汚染 2/2

以下、要約です。(全文書き起こし転載はその下にあります)

・(福島原発において東電の50代女性社員が、女性に定められた法定限度の3倍を超える被曝をしたことについて、マスク等着脱時にほこりをすったことによると言われているが、それは想像できるか?)できない。とてつもない被曝環境に女性がいたこと自体も意外だが、マスクを外すときだけで大量の被曝をすることは考えづらい。性能のいいマスクほど息苦しくなるために外してしまうということは以前から確かに言われていたが、今回は分からない。

・(今回の女性の被曝は、今後50年間で13.6ミリシーベルトに相当する内部被曝だとされているが、どういう意味か?)身体の内部に入った放射性物質から放射線が出ることを内部被曝と言う。とりこんだ放射性物質の固有の性質によって放射線が減っていく。また尿などによっても身体が排泄していく。そうしたことを放射性物質ごとに計算し、50年間でどのような被曝があるかということを導いたもの。

・(50年間で13.6ミリシーベルトというのはどういう数字か?)1年間で1ミリシーベルトの被曝というのがふつうの人の基準。今回の数字は50年間の合計であるため、この女性が今後こうした作業に携わらなければ、一般人の限度に収まると思う。

・(ほこりであるならば、咳などで身体外に排出されないのか?)ほこりといっても目に見えるようなものではない微粒子であるため、認識しないまま取り込んでしまうくらいのもの。薬剤で取り出そうという研究はあるし、それなりの効果のある薬剤もあるが、あまり大きな効果は期待できない。

・(免震重要棟に滞在した時にも被曝したとされているが、そこは休憩所のはずだが?)免震重要棟も福島原発の敷地内にあり、その建物だけクリーンだということはない。人が出入りするだけでも放射性物質が中に入ってしまう。

・(郡山で校庭の土の表面を削る作業が行われたが、とられた土は市内の埋立処分場に運ばれるということだが大丈夫か?)なにより子どもを守らなければならないため、土を削るのはいいことだと思う。ただし削った土の中には放射能が残っており、それをどのように管理するかという問題はある。処分場周辺に対する影響もある。放射能で汚染されたものとして管理する環境に置く必要がある。ただしそうした場所(放射能の墓場)を選定することに困難がある。というのは、どんな場所でも、ある人たちにとってはふるさとであるから。とても気の重い決定になる。

・(土の表面をいったん除去しても、それ以降また汚染されれば繰り返すことになるのでは?)そうなる。が、福島の現在の汚染の大部分は3月15日から16日の間に降り積もったもの。これ以降大規模な汚染が生じなければ、いちど削り取れば耐えられると思う。だが、また大きな汚染が起こることを危惧している。

・(処分するものを管理する区域の設定の必要がありそうだ)やらなければいけないし、ある時点で決断が必要。

・(1号機の建屋で1120ミリシーベルトという放射線量が測定されたが?)すごい線量。今回の事故を収束させるためには私自身現場の作業に携わってもいいと考えていたし、今でも思っているが、これほどの数字を見ると躊躇してしまう。普通の人は入れない。

・(この高い線量の原因は?)今日55%に修正されたが、いずれにしても炉心の大きな部分が損傷している。外に出ているトレンチの水ですらすごい汚染になっているわけで、建屋の中の汚染がひどいのは当然。格納容器の中は立ち入れないレベルだし、次に汚染度の高いのは建屋。こういう事故なのだから汚染は避けられない。

・(水を増やすことで損傷が大きくなると先生は危惧しているが?)うまくいってくれればいいが、損傷拡大については今でも気にしている。

・(4号機のプールは、先生が言った通り、だいぶ傷んでいるようで、耐震補強をすると言っているが)今後余震が予想され必要なことであるため、やってほしいとは思う。プールが崩壊したらお手上げ。ただし被曝環境がひどく、気が重いし、不安。

・(新たなプールを作って壊れたプールから燃料を移動させるのは可能か?)ひとつの選択肢ではある。ただし今ある使用済燃料はかなり損傷していて、被覆管がぼろぼろになり、ペレットがこぼれており、集めるのは難しい。でも、いつかはやらなければならないこと。と言っても大変なこと。

・(細野補佐官がすべての情報を公開すると言ったが、実際どうか?)されていない。重要な情報で公開されていないものは沢山ある。たとえば再臨界が起こっているかどうかは、原子炉の中性子の量を見れば一目瞭然で分かるが、それは出されていない。中性子については正門付近の量が散発的に出されただけで、それ以外には発表されていない。

以下、ブログSleepingCatsにて、この放送の小出先生部分を書き起こされているので、転載させていただきます。

4月27日MBSラジオ小出裕章氏「東電社員内部被曝、1号建屋高濃度放射線検出等について」

ーーーーー
メインキャスター(以下「MC」):水野晶子
コメンテーター:近藤勝重・毎日新聞専門編集委員

※完全な文字起こしではありません。
 また、誤字脱字等、ご了承下さい。

MC:小出先生、こんばんは。

小出氏:こんばんは。

MC:どうぞよろしくお願いします。

小出氏:こちらこそお願いします。

MC:今日は近藤さんがいらっしゃいます。

近藤氏:どうぞよろしく。

小出氏:はい、こんばんは。

MC:まず今日は、福島第一原発で作業をしていた女性社員の
  被曝の問題から伺いたいと思います。
  50代の女性社員が被曝をした量が、
  女性に決められている限度の3倍を超える、という話なのですが、
  これは、マスクを外す際などに放射能を含んだ埃を吸ったとみられる、
  と伝えられているのです。
  現実的に、マスクを外す際の呼吸で、このような高い被曝を受けるという事は
  先生は容易に想像お出来になりますか。

小出氏:できません。

MC:そうですか。

小出氏:はい、まあ、とてつもない被曝環境だという事は、
  もう皆さんご承知のはずですし、
  そういう中で作業をしている方がいらっしゃった訳ですね、
  今回女性という事で、私は、それだけでも意外だと思いましたけど、
  マスクを外すというただそれだけの時のために大量の被曝をするという事は、
  私には考え難いです。

MC:マスクというのは、もちろん防塵マスクの普通よりも強力なものを
  付けるのでしょうね、こうした時に。

小出氏:今回の場合は、たぶんそうだと思います。
  ただし、昔からよく言われていたのですけれども、
  性能の良いマスクになればなるだけ、息苦しくなってしまって、
  作業をしながらつい外してしまう、というような話は、
  昔からよくありました。
  今回の方がどういう事でそんなに大量の被曝をしたのか、
  私にはよく解りませんが、
  そういう可能性があるのではないかな、と思いました。

MC:この被曝の量は、今後50年間で13.6mSvに相当する内部被曝である
  と言われています。
  意味が良く解らないのです。
  今後50年で、というのはどういう事なのですか。

小出氏:内部被曝というのを、どうやって評価するかというと、
  ある時に体の中に吸い込んだり、食べて取り込んだりするという、
  それを内部被曝と私達は呼んでいる訳ですが。

MC:体の内部に入ってしまった放射性物質から放射能(放射線?)が
  出るのですね。

小出氏:そうです。
  そうしますと、取り込んだ放射性物質によって、それ自身の固有な性質、
  所謂半減期というのを皆さん言葉を聞いた事があると思いますが、
  固有の性質で減って行ってくれる、という効果がひとつあるし、
  それから、人間の代謝機能で体外に排泄して行くという機能もあるのです。

MC:尿などで出て行くという事ですか。

小出氏:そうです。
  そのふたつの効果を考えて、その取り込んだ放射性物質が、
  一体体の中に何日間あるのだろうか、何年間あるのだろうか、
  それとももう無くならないか、出て行かないと考えなければいけないか、
  という事を、それぞれの放射性物質ごとに考えまして、
  それが50年間あるとすれば、一体どれだけの被曝をするか、
  という、そういう計算をするのです。
  その結果の値です。

MC:その値が13.6mSv、これはどういう数字だと見たらよろしいのでしょう。

小出氏:何度かこの番組でもお伝えしたと思いますが、
  ひとりひとりの人というのは、1年間に1mSvしか被曝をしてはいけないという、
  そういう基準なのです。
  それに比べればもう13倍以上という事になります。
  ただしそれは50年間の間に合計として浴びるという、そういう被曝量ですので、
  その女性の方は、来年以降はもうこんな仕事に就かないという事であれば、
  平均で言えば、たぶん一般人の限度に収まるだろう、
  と私は思います。

MC:でも、この方のこれからの将来、どうされるかという事も
  ある意味影響を与えてしまうという事ですね。

小出氏:そうですね。

MC:これ、埃として吸った中に放射性物質が入っているという事でしたら、
  普通埃って咳などで人間は必死になって出そうとするのですね。
  埃を吸って、これが取れないものなのですか、放射性物質は。

小出氏:たぶん埃と言っても、目に見えるような埃ではなくて、
  大変(細かい)微粒子になっていて、埃という認識をしない内に吸い込んでしまう、
  そういうものだと思います。

MC:何らかのやり方で外に取りだす事は出来ないのですか、
  内部被曝って。

小出氏:いろいろな薬剤で何とか取り出そうという研究は続いて来ていますし、
  それなりの効果がある薬剤もありますけれども、
  この方はどういう放射性物質を取り込んだのか、
  私まだ今の段階で知りません。
  で、どういう方策になるかよく解りませんが、
  あまり大きな効果は無いと思って頂いた方がいいです。

MC:それから、今回、免震重要棟という建物の中の滞在中にも、
  被曝した量が挙げられているのですが、
  これって作業をなさる方の休憩所だと思うのです。

小出氏:そうですね。

MC:ここにいれば、私、大丈夫かと思っていたのですが、
  休憩中も被曝するのですか。

小出氏:もう免震重要棟も、福島原発の敷地の中にある訳で、
  敷地全体が放射能で汚染している訳ですから、
  その建物の中だけが、完璧にクリーンであるという事はあり得ないです。
  もちろん作業員の方達が出入りするという、その事だけを取っても、
  汚染物質が内部に持ち込まれているはずだと思います。

MC:それから昨日もお話出ましたけれども、
  福島県郡山市の学校で、子供達を被曝から守るために、
  校庭の土を上から3cm削るという作業が行われました。
  ただ、削った土をどこへ持って行くかと言いますと、
  市内の埋め立て処分場なのだそうです。
  こういうやり方で大丈夫ですか。

小出氏:まずは何よりも、子供を守らなければいけないと思いますので、
  土を削ったという事は、私は良い事だと思います。
  次にでは削った土をどうするかという事ですけれども、
  削った所で放射能が無くなる訳ではありません。
  削った土の中に相変わらず汚染した放射能がある訳ですから、
  それをこれから一体どうやってお守をしていくのか、管理をしていくのか、
  という課題が残っている訳ですね。

MC:これ、処分場に持って行くと、処分場でこれから作業をなさる方や、
  近辺の方にどうなのだろうか、と思うのですけれども。

小出氏:そうですね。
  ですから、私は、放射能で汚れているものですから、
  放射能で汚れたものとして管理が出来るような場所に
  持って行かなければいけない、と思います。

MC:そういう意味で言うと、昨日おっしゃられた、
  汚染されたものを集める、汚染されたものの墓場というような場所を、
  いち早く決めた方が良いのではないのですか。

小出氏:はい、私はそう思います。
  ただし、その場所を選ぶという事自身に困難があると思います。
  その場所に指定された人々が、いずれにしても出る訳で、
  ある人々の故郷というか、その土地を、
  もう放射能の墓場にしてしまうという事を決める訳ですから、
  とても気の重い決定になると思います。

近藤氏:先生、話がひょっとしたら重なるかも解らないのですが、
  とりあえず表面からそう言った形で土を除去して行って、
  また日が経てば同じような状況というのは生まれてくる可能性はある訳ですよね。

小出氏:あります。

近藤氏:そうすると、またそれを除去するという事を繰り返す事に
  なるのではないでしょうか。

小出氏:おっしゃる通りです。
  ただし、現在の汚染、郡山市内あるいは福島市内もそうですけれども、
  現在の汚染の大部分は、3月15日から16日の間に降り積もった放射能です。
  それがだんだん今放射能が弱まって来ている。
  一月以上も経っている訳ですから。
  これから本当に3月15日16日に生じたような汚染が出ないのであれば、
  かなりの間、一度削り取れば耐えられるだろうと思います。

近藤氏:そういう事ですね。

MC:そうであって欲しいと願います。

小出氏:でもまたもっと大きな汚染が生じるかもしれない、
  と私は危惧している訳で、
  その場合にはまた取らなければいけないと思います。

近藤氏:そうすると、尚の事、管理区域みたいな形で、土地を管理するという
  必要性があるか解らないですよね。

小出氏:はい。
  いずれにしても、そういうふうにやらなければいけないと思いますし、
  ある時点で決断をしなければいけないと思います。

MC:1号機の話をさせて頂きたいのですが、
  1号機の建屋の中で最も高い放射線量が測定されました。
  1120mSv、これはどうご覧になりますか。

小出氏:凄いですね。
  私は原子力に携わって来た人間の一人として、
  今度の事故を収束するためには、ある程度の被曝を覚悟でも、
  現場の作業に加わってもいいと思いましたし、
  今でもそう思っていますけれども、
  1時間に千百何十mSvなどと言われると、躊躇します。
  普通の人は入れないと思います。

MC:これだけの高い放射線量がどこから出ている、
  その原因は何だと思われますか。

小出氏:炉心という所が、これまで70%損傷していると東電が言って来て、
  今日50%にしたんでしょうか、55%にしたんでしょうか。

MC:修正が出ました。

小出氏:変更したという事ですけれども、
  いずれにしても、もう大変な部分が壊れているのですね。
  放射能が漏れて出て来ている訳で、
  外に出たトレンチの水ですら、凄い汚染水になっている訳ですから、
  建屋の中の汚染はもちろん酷いという事は当たり前なのであって、
  特に原子炉建屋とう所は、汚染が一番強いというか、
  まあ格納容器の中なんていうのはもう立ち入る事も出来ない事は当然ですけれども、
  その次に高いのが原子炉建屋です。
  そこでそういうものがあるという事は、もうこういう事故になってしまったからには
  避けられないと思います。

MC:でも、そこに水を入れる量を、今日も増やした訳ですね。
  その事に対して、余計損傷するのではないかと危惧してらっしゃるのが、
  小出先生のお考えなのですが、
  水を増やそうとしていますね。

小出氏:はい。
  上手く行ってくれれば良いと思いますが、
  まずい方向へ行くかもしれないと、今でも危惧しています。

MC:そして、4号機のプールの方なのですが、
  これは小出先生がおっしゃていた事が現実化しているのかと思いますけれども、
  使用済み燃料プールの水の量が思った程増えていない。
  でも水を掛け続けなければいけない訳ですが、
  このプールが大分痛んでいるようですね。
  これを何とか耐震補強工事が必要だという話になって来ました。
  これは可能ですか。

小出氏:要するに、やって欲しいと私は願います。

MC:どうしても必要な事なのですね。
  余震もあり得る訳ですから。

小出氏:まだこれから余震があるだろうと思っている訳ですし、
  それで崩壊されたら、もうお手上げになってしまいますので、
  何とか上手く考えて、補強工事をして欲しいと願いますけれども、
  その工事をする現場も、物凄い被曝環境の中ですから、
  (溜息)とても気が重いし、出来るのかなあ、と不安です。

MC:私は、またまた素人考えで何なんですけれども、
  新たなプールをこしらえたものを、その横に据えて、
  壊れた使用済み核燃料を移動させると、
  新たなプールを持って行ったらどうかと思うのですけれども、
  そんな事は出来ませんか。

小出氏:ひとつの選択肢ではあると思います。
  ただし、既に今ある使用済み燃料プールの中の使用済み燃料というものが
  かなりもう損傷しているのです。
  水素爆発という事が起きていますので、
  被覆管がもうボロボロになって、
  ウランのペレットというものがそこら中に零れているのだと思います。
  そういうものをどうやって集める事が出来るかという事を考えただけで、
  なかなか難しいだろうな、と思います。
  でも、いつかはやらなければいけない訳ですから、
  今水野さんがおっしゃったように、
  今からすぐに使用済み燃料プールを横に作って、
  そこに移す作業をやった方が良いというのは、ひとつの選択肢だと思います。
  でも、それも大変だと思います。

MC:先日、細野首相補佐官が、情報の1本化をすると共に、
  全ての情報をこれから公開します、とおっしゃったのですが、
  その後、小出先生からご覧になって、全ての情報は公開されていますか。

小出氏:いや、されていないと思います。

MC:されてないんだ・・・

小出氏:はい。

MC:重要な情報でまだ得たいと思っているものは、
  いくつもあるのですか。

小出氏:それはもう沢山あります。
  例えば、私は再臨界という事が起きているか起きていないかという事を
  疑った事がありました。
  で、東京電力の発表が間違っていてくれれば良いと思って願い続けていたら、
  やはり間違っていたと言ってくれたので、ホッとした訳ですけれども、
  でもそんな事を心配する時に、
  例えば原子炉の中の中性子の量という事が、データとして示されれば、
  一目瞭然でそれも解ります。

MC:それ、出されていないのですか。

小出氏:はい、未だに出されていないのです。
  正門の所の中性子の量とかいうのは、単発的に出された事がありますけれども、
  その他の場所での中性子の量というのは、出されていないです。

MC:本当の意味での情報公開をしてもらう事が、
  より安全な策への道だと思います。
  明日もまたいろいろな解説をお願い致します。
  どうもありがとうございました。

小出氏:ありがとうございました。

MC:京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生に伺いました。
ーーーーー

コメントは停止中です。