4月28日 年間被曝上限50mSvの撤廃 小出裕章

2011年4月28日(木)、MBS(毎日放送)ラジオたね蒔きジャーナルに、京都大学原子炉実験所助教小出裕章氏が出演されました。

2011年4月28日【木】
会社が流されて・・・それでも
きょうは、宮古市で津波に会社が流された印刷屋さんの話です。被災企業が今どのように動き出しているのかをお伝えします。そして、復興のためには何が必要なのかを考えたいと思います。原発問題は京都大学の小出さんにお話しを伺います。

今回も小出先生がお話しされた部分を録音して公開してくださっている方がいます。

【福島原発】4/28/木★1.一刻も早く汚染水の処理を 2.汚染物の墓場 1/2

【福島原発】4/28/木★1.一刻も早く汚染水の処理を 2.汚染物の墓場 2/2

以下、要約されている方がいらっしゃいますので、転載させていただきます。(全文書き起こし転載はその下にあります)

京大小出「汚染水、1号機だだ漏れ?プルトニウム、アメリウム、キュリウム、なんじゃそれは?」

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そして、小出先生のお話、1号機の水棺、原子炉の水の量を2.5倍にせずに温度、圧力が下がったのですが、どこかで漏れている、放射性物質が漏れる、水を入れたら圧力が上がるのに下がるとは漏れていて、破損が広がるのです。圧力容器の圧力(※温度のことか)が下がるのはいいこと(炉心を冷やさないといけないので、1号機は温度がなかなか下がらなかったのに、やっと下がった)なのです、これは本来の目的になっています。

 高濃度汚染水の広がりを防ぐため、地下に壁(セメントを入れて地下40mまでの壁を作る、酒の枡のようなものを作る)のですが、それで防げるかは、小出先生、専門知識がなく分からないが、難しいだろうとのことでした。

 福島第1の地下に大きなプールを作り水をためる(地下46m)、ばかげた説明で、そんなもので水が止まるわけはない、地震で地面も割れている、無理のある構想だということで、巨大タンカーで対処すべき、40mの壁にどんな工事になるのか、ということで、1秒でも早く実現できる策がいるので、これは実現性の低いものなのです。追い込まれた中ではダメなのです。

 福島県郡山市の土の除去、取っても最終処分地がなく行き詰っている、福島原発周囲は無人地帯にしないといけない、そこに汚染物の「墓場」にしないといけないとのことでした。そうしないとダメ、産廃処分ではダメなのです。放射能管理の出来るところが要るのです。放射能汚染された瓦礫の処理場所は、こういう方法しかない(放射能は人間の手で消せないので、あきらめて管理できるところに集めるしかないのです)のです。地下のプールの話、汚染水の処理に本当に困っている、原子炉を冷やすために汚染水は増える、それを何とかしないといけない、1秒を争っていい方策を決めないといけないのです。

 水漏れ、どこに行っているかは、タービン建屋、トレンチ、地下、敷地にしみ込んでいるのです。トレンチに滝のように流れ、水の漏れない構造ではない+地震で割れてアウト、なのです。

 これから台風のシーズンで、アメリカの原発が嵐で停止、リスナーより、事故原発に台風が直撃したらどうなるかとの質問に、小出先生、分からない、アメリカでは送電線に支障が出た、非常用電源も信用できないのです。これから、さらに深刻な方向になりうるのです+余震が何ヶ月も続くので、深刻なトラブルになるのです。

 作業員被曝、年間50ミリではなく、5年間100ミリに関しては、1年間に100ミリ浴びてもいいことになる、50ミリの規定があると他の原発に支障が出るので、被曝規定緩和は、作業員が追い詰められている、そんなことを国が一方的に決めていいのか、という見解が小出先生よりありました。年間50ミリも意味がなくなり、こんなものを変えてはいけないのです。

 キュリュウムが原発敷地内から出ましたが、プルトニウムがあり、ウランが核分裂させて、ウランに中性子を加えてプルトニウムになり、さらにアメリシウム、そしてキュリュウムになるのです。ウランがプルトニウムになり、そうなると、アメリシウム、キュリュウムも当たり前に出るのです。キュリュウムはとてつもなく悪影響(プルトニウムより毒性大、ただ量が少ないので危険度は大きくならないものの)であり、ウランの燃料ペレットが融けているわけで、キュリュウムがさらに大きく出る危険性もあるのです。冷却失敗、もっと損傷したらもっとたくさんキュリュウムが出て、大変なことになります。事態収拾は困難で、作業環境を改善しないといけない、汚染水処理で、夢のような話を聞かされて驚いたとのことでした。
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いつものように、ブログSleepingCatsに小出先生部分の文字おこしが掲載されていますので、転載させていただきます。

4月28日MBSラジオ小出裕章氏「事故対策案、被曝線量規定、キュリウム検出等について」

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メインキャスター(以下「MC」):千葉猛
コメンテーター:藤田悟 毎日新聞論説委員

※完全な文字起こしではありません。
 また、誤字脱字等、ご了承下さい。
 ( )は補足。

MC:それでは、小出さん、どうぞよろしくお願い申し上げます。

小出氏:こちらこそ、よろしくお願いします。

MC:今日は毎日新聞論説委員の藤田悟さんと一緒にお伺いして参ります。
  お願いします。

藤田氏:よろしくお願いします。

小出氏:はい、よろしくお願いします。

MC:まず1号機の格納容器の水棺、
  水で満たすための作業に関してなのですけれども、
  今原子炉に入れている水の量を2.5倍にする予定だったのが、
  そこまで行きつかないうちに、温度や圧力が下がってしまっている、
  と伝えられておりまして、
  東京電力は格納容器の圧力が下がっている事を
  大変気にしている、という事なのですが、
  これはどういう危険があるのでしょうか。

小出氏:たぶんどこかで漏れているという事ですね。

MC:中の放射性物質が漏れている、と。

小出氏:格納容器というのは、一定の空間ですけれども、
  そこにどんどん水を入れれば、
  本来は圧力が上がらなければいけないのですが、
  それが逆に下がっているという事は、漏れているという事です。

MC:それが続いてしまっているという事が懸念されているという事ですね。

小出氏:そうですね。
  まあ、私は初めからそれを懸念して、
  水を入れるような事をすれば、破損が拡がると思ったのですが、
  たぶんそうなっていると思います。

MC:原子炉圧力容器の温度も下がり続けているという事が
  伝わって来ているのですが、
  これが下がり続けて行くと、どういう事になりますか。

小出氏:それは、良い事です。
  要するに、原子炉圧力容器の中に炉心という本体がある訳ですが、
  そこをとくかく冷やさなければいけないという事が
  一番大切な事であって、
  そのために水を入れて来た訳ですが、
  1号機だけは、なかなか圧力容器の温度が下がらなかったのです。
  それが、水の量を増やしたという事で下がったという事で、
  当たり前の事ですけれども、
  それは良かったと思います。

MC:なるほど。
  こちらはではそういう形で本来の目的の方向に繋がっている
  と思っても大丈夫なのですね。

小出氏:そうです。

MC:解りました。
  それから、もうひとつなのですけれども、
  高い濃度の汚染水が地下水に混じって海などに流れ出すのを防ぐために、
  政府と東京電力の事故対策統合本部が、
  地下に壁を作る事を考えている、と伝えられています。
  地下の地盤の割れ目にセメントを流し込んで埋めて、
  その周りに地下40mまでの大きなコンクリートの壁を埋め込む、
  お酒を呑む時の四角い枡の底を抜いたような形のものを、
  コンクリートで作って、原発の周りに埋め込むような感じだという事なのですが、
  これで高い濃度の汚染水の流出というのを防げるのでしょうか。

小出氏:すみません、私は、そういう事の専門家でないので、
  解りません。

MC:何とも言えないという感じですね。

小出氏:何か難しそうだな、とは思いますけれども、
  専門知識を持った方々が、一応計画されているのだと思っていますので、
  上手く行って欲しいとは思います。
  素人的には、なかなか難しいだろうな、と思いますが、
  やってみるという事なら、やってみて欲しいです。

MC:こういう計画が持ち上がっているかと思えば、
  もうひとつ、福島第一原発の敷地内の地下を掘って、
  大きなプールを作って、高い放射性濃度の汚染した水を溜める構想が
  あるというふうに伝えられているのです。
  菅総理は、敷地内の地下46mに岩盤、岩の層があって、
  下には水が沁み込まない事が調査で解った、
  と説明したという事なのですが・・・

小出氏(失笑しつつ)随分バカげた説明ですね。
  そんな所で水が止まる訳がない、と私は思います。

MC:やはり堅い岩の層があるからと言って、
  水が沁み込まないという事は。

小出氏:それは、今回の地震だって、岩盤がバリバリ割れて、
  メチャメチャになって起きている訳ですよね、
  割れたらそれでお終いになってしまうじゃないですか。

MC:この構想というのは、かなりムリがあるという感じですね。

小出氏:(また失笑しつつ)と、思いますし、
  私は一番初めから、巨大タンカーを連れて来るのが、
  一番早いというふうに提案していたのですが、
  そんな巨大なプールを作るとか、40mもの壁を作るとか、
  そんなための工事に、一体どれだけの時間がかかるのだろうな、
  と思います。
  タンカーを連れてくれば済む事ですし、
  いくつか乗り越えなければいけない壁はありますが、
  今この緊急事態ですから、何とか一秒でも早く、
  実現出来るという方策を選ばなければいけないと思います。

MC:そう考えると、もう何とも実現性の低い話だという事ですね。

小出氏:そうですね。
  もちろん、あらゆる可能性をやってみるというのは良いですけれども、
  今この追い込まれている状態の中で言うなら、
  本当にそんな事でいいのかな、と思います。

MC:それから、福島県郡山市の放射線量の数値が高かった小学校などでは、
  校庭の土を削り取って捨てるという作業が、始まっているのですけれども、
  掘り起こしたけれど、最終処分地に運べず、
  当面校庭に置きっ放しという事になってしまいました。
  最終処分地の近くにお住まいの方の反対が理由だという事なのですが、
  これ、完全に処分するためには、どうしたらいいのでしょうか。

小出氏:確かに前回も、私、お答えしたと思うのですが、
  大変言い難いのですが、福島原発の周辺の地域は、
  無人地帯にしなければならなくなる、と私は思います。
  放射能の汚染の特別に強い所ですね。
  そういう所を、やはり覚悟を決めて、そこの汚染物を集めて、
  そこは汚染物の墓場にするという事を、
  最終的にはしなければいけないと思います。

MC:やはりそうしなければ、完全に危険を防ぐ事は出来ない、
  という事ですね。

小出氏:普通の産業廃棄物処分場のような所に運んでしまいますと、
  その処分場が閉鎖された時には、
  もとの普通の宅地になるか畑になるか知りませんが、
  いつか忘れ去られてそうなってしまいますので、
  もっとちゃんと放射能としての管理が出来る場所に
  移さなければいけないと思います。

MC:この土に限らず、今後原発の敷地の中では、
  高いレベルの放射能汚染された瓦礫が出て来る事が予想されるのですけれども、
  こういったものも最終的に処理する場所としては、
  今小出先生がおっしゃったような形を考えるしかないという事ですかね。

小出氏:ありません。
  放射能はもう人間の手で消す事は出来ませんので、
  どこかに隔離するという事しかできません。
  そのためには、どこか諦めて、一カ所に管理できるような形で集めるというのが、
  出来る最善の事だと思います。

MC:藤田さん、こういう事なのですけれども。

藤田氏:そうですね、こういう地下にプールを作るという、
  かなりムリと思えるような事まで検討しないといけないという事は、
  それだけ汚染水の処理に本当に困っているという事を意味する
  と考えて良い訳ですよね。

小出氏:おっしゃる通りです。
  今でも行き場所がない訳ですし、
  原子炉を冷やすためには、これからも水を入れなければいけませんので、
  汚染水がどんどん増えてきます。
  それをとにかく何とかしなければいけない、
  という切羽詰まった所に追い込まれている訳で、
  本当に一秒でも争いながら、
  良い方策というのを早く決めなければいけないと思います。

藤田氏:冒頭の所で、小出さん、おっしゃいましたが、
  注入している水が漏れいている可能性があると。
  その漏れた水というのは、どこに行っているというふうに・・・

小出氏:タービン建屋であるとか、トレンチであるとか、ピットであるとか、
  あるいは、私はもう地下に浸み込んでいると思っていますけれども、
  敷地中に溢れているのだと思います。

藤田氏:地下に浸み込んでいる可能性も、かなり高い、と。

小出氏:もちろんです。
  一時期ピットという所の、空気中に見える所が割れていて、
  そこから滝のように流れ落ちていた事を見つけて、
  そこを塞いだというのですが、
  ピットもトレンチも縦坑も全てコンクリート構造物ですから、
  もともと水が漏れないような構造になっていません。
  おまけに地震でもうやられている訳ですから、
  たぶんそこら中で割れて漏れていると思います。
  ただ目に見えないとうだけの事です。

MC:そんな状況の中、気になる事としまして、
  これから台風のシーズンが来るのですが、
  今日、アメリカの原子力発電所が暴風雨の影響で自動停止したというニュースが
  入って来ていまして、
  送電線が嵐で傷付いてしまったための事なのですが、
  こちらのスタジオにこんなメールも来ていまして、
  ラジオネーム(省略)の方なのですけれども、
  「福島第一原発、今後もし台風が直撃したら、
  一体どういう事態が待っているのでしょうか。
  台風シーズンまでに何らかの対策は出来るのでしょうか」
  という質問が来ているのですが。

小出氏:解りません。
  今教えて下さった米国のやつの、台風で送電線に障害が出たという事で、
  もちろんそういう事はあり得るだろうと思います。
  (台風ではなく暴風雨ですね)
  その時には、非常用電源が使える、
  と東京電力の方は言うかもしれませんけれども、
  そう言いながら、今回の事態になった訳ですから、
  何が起きるかよく解らないというふうに思っていた方がいいと思います。

MC:これから、更に事故が深刻な方向になってしまうような事が、
  台風が来た場合には起き得る状況では、ある訳ですよね。

小出氏:たぶん、そうだと思いますし、
  まだ余震がこれから何カ月も続くと思いますし、
  そういうもので、何か深刻なトラブルが起きる可能性というのは、
  やはりあると思います。

MC:それから、もうひとつ今日伝えられているニュースとしまして、
  厚生労働省が、原発での作業員の方の被曝の線量について、
  年間50mSvとする上限規定を無くし、
  5年間に100mSvの上限だけを残す事が検討されているという事なのですが、
  小出先生はどう思われますか。

小出氏:それは、5年間に100にするのですね。

MC:はい。

小出氏:そうすると1年間に100まで浴びても良いという、
  そういう事にしてしまうという事ですか。

MC:そうですね。
  50mSvという上限規定を無くさないと、
  他の原発から派遣されている作業員の方が、
  許された線量を使い果たして、
  その後他の原発の点検などの点検が出来なくなる
  という心配があるからという事なのですが。

小出氏:要するに、被曝の規定を緩和するという事になる訳ですね。
  それはまあ、一歩一歩作業員の方達が
  追い詰められているという事な訳ですね。
  そんな事を国の方が、一方的に決めて良いのかな、と私は思います。

藤田氏:こういう上限規定を、単に無くしてしまうと、
  年間50mSvという規定は一体何だったのか、
  という話になりますよね。

小出氏:なりますよね。
  勝手にそんな事を行政の方で変えてしまって良いのかな、
  というふうに今私は思いました。

MC:それから、ちょっと、もうひとつ気になるニュースとしましては、
  昨日東京電力が原発の敷地内から、
  キュリウムという物質が新たに検出されたと発表しました。
  このキュリウムというのは、今まで私達耳にした事がない言葉なのですが、
  これはどういう物質なのでしょうか。

小出氏:プルトニウムというのは、皆さん時々お聞きになったと思いますが、
  もともと原子炉の燃料がウランなのですが、
  ウランを核分裂させてエネルギーを取り出す装置が原子炉です。
  でも、そこにウランがある限り、ウランは核分裂をすると同時に、
  中性子を食べてしまうという性質も一方で持っていまして、
  中性子を食べると、初めはプルトニウムになります。
  それから、そのプルトニウムがまた中性子を食べると、
  アメリシウムという元素になりまして、
  アメリシウムがまた中性子を食べると、キュウリウムというふうに、
  次々と新しい原子核が出来て行く性質を持っています。

  既に福島の原発の敷地の中では、プルトニウムが検出されています。
  つまり、原子炉の中にあったウランがプルトニウムに変わったものが
  既にもう放出されているという事が解っていた訳です。
  ですから、もうそうなってしまえば、アメリシウム、キュリウムも
  当然、出て来ているという事になる訳で、
  今回の検出は、当たり前の事が当たり前に解ったという事です。

MC:気になるのが、このキュリウムという物質は、
  かなり私達の体に悪影響を与える毒性・・・ 

小出氏:とてつもなく悪影響があります。
  プルトニウムよりもむしろ悪い位悪いです。

MC:そうなのですか。

小出氏:量が少ないので、通常は問題にされないのですけれども、
  毒性で言えば、プルトニウムよりももっと強いです。

MC:では今回、そういったものが検出されたという事が、
  伝えれているという事ですね。

小出氏:はい。
  要するに、量が少ないので危険度自身を取りたてて
  問題にすべきではないと思いますが、
  プルトニウムとかキュリウムというものが出て来るという事は、
  ウランの燃料ペレットという瀬戸物が、
  もう溶けてしまっているという事を示す証拠になります。

MC:でも、その状況が改善されなければ、
  今先生が非常に危険だとおっしゃった、
  このキュリウムが、今の量よりも更に多く出て来るという
  可能性は続く訳ですね。

小出氏:もちろん、そうですね。
  この事故が続いている限りは、今の状態ですと、
  ちょろちょろ漏れが続いているという状態な訳ですし、
  冷却に失敗してもっと大きな損傷が生じるようになれば、
  大量に出て来る可能性もあると思います。

MC:そうなって来ると、益々この事態を収拾するのは、
  難しくなって来ますね。

小出氏:そうです。
  かなり作業環境が悪いので、
  何とか作業環境を改善しなければいけませんし、
  そのためには、もう汚染水をとにかく一刻も早く出せるという、
  その方策を本当に真剣に考えなければいけないのですけれども、
  何か夢のような話を、先ほど聞かされて、
  私はちょっと驚きました。
  (コンクリートの壁やプールの件)

MC:(唸っている・・・)
  はい、解りました。
  小出さん、ありがとうございました。
  (声が上ずっているMC)

小出氏:はい。
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