5月6日 浜岡だけでなく全原発を止めるべき 小出裕章 (MBS)

2011年5月6日(金)、MBS(毎日放送)ラジオ「たね蒔きジャーナル」に小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。

番組案内

2011年5月 6日【金】
菅総理、浜岡原発の原子炉の運転停止を要請
先ほど(午後7時過ぎ)、大きなニュースが入ってきました。菅総理は記者会見で、浜岡原発のすべての原子炉停止を、中部電力に要請したことを明らかにしました。
こうした措置は日本の原発をめぐる歴史の中で初めてのことで、京大原子炉実験所の小出裕章さんに、科学者の立場から感想などを伺います。
また、毎日新聞の近藤勝重さんの「しあわせの雑学」のコーナーでは、今回の震災にみる“歌の力”について、語ってもらいます。


録音

【福島原発】5/6/金★「浜岡原発の全原子炉の運転停止を要請」を聞いて

要約(転載)

小出裕章・たね蒔きジャーナル5月6日

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そして、小出先生の登場、浜岡停止について、小出先生、54基全部停止すべきであり、電気が止まったら困るという人がいるのが不思議、原発だけはいけないと国民が気づかないのがおかしいと思っていたが、浜岡停止は歓迎するとのことで、小出先生は政治は嫌いだが、どこの原発もサイエンス的には危険であり、止めるべきとの事です。

 菅総理は東海地震対策まで中長期対策と言っていますが、中部電力の津波対策、発電機を高いところにするというものがあり、しかし、小出先生はどんな対策をとっても破られる、原子炉を停止すべきということです。

 原子炉の停止は、核分裂の連鎖反応はすぐ止まるが、原子炉内で核分裂で大変な熱で、福島はそれで炉心が融けている、しかし、計画的に止めるなら、こういう状況よりははるかにいい、核分裂停止まで1~3日、「発熱はしかし、まったく収まらない」、ずっと続く、福島では事故から2ヶ月で、崩壊熱が発生してまだ1/40にしかなっていない、これからは減らないのです。10年では止まらない、原発の生み出したごみをどうするか、世界が困っているのです。

 原子炉の発熱の量は、冷やす状態によるのですが、発熱物をガラスに固めても何百度!水をかけたらすぐに蒸発!なのです。これを地下で100万年!保存するのです(100年ではありません)。それが、日本政府の方針です。手で触れるまでに100万年かかるのです。

 近藤さん、浜岡停止について、津波対策他で、安全・安心では、中長期的にとどめるのはナンセンスで、政治的な判断だということで、本当に安全・安心ではない、サイエンスで安心ではないことが小出先生より反応がありました。

 この、100万年!地中に埋めるのは、どこに埋めるか決まっておらず、どこが受け入れて欲しい、調査に同意してくれたら20億円上げると言っている(最終処分場)、ボーリングで、地方の破綻した自治体に働きかけているのですが、小出先生、それを阻止すべく活動しておられます。

 処理場が見つかせなかったら、最終地なしで走っているものであり、小出先生、東京に決めなさいと言っている(国は300~1000m掘ったらどこでも安全だと言っている)、もちろん、安全などあり得ない、「100万年とは、その前は六甲山は海の中なのです!」到底、安全なものではないのです。これが、廃棄物処理の問題なのです。

 近藤さん、せいぜい過去50年であり、その間マグニチュード9が5回、うち数年で3回来ている、科学がちゃんとしていないから、答えが出せないとの事です。小出先生、科学は常に万能ではない、危険を抱える(進歩すると抱える)、それが人類に破局的に大丈夫ではない保障はないのです。

 また、電気を止めたら、また原発をいるという声が出ると思われるのですが、「日本の54基全部止めても、夏のピーク電力すら大丈夫」なのです。国のデータから大丈夫なのです。東電は火力が止まり支障はあるが、今経済が停滞しており、夏は大丈夫と言う事なのです。

 最後の、原発なしでも成り立つこと、またお話して欲しいと水野さんお話があり、今日は終わりました。


全体書き起こし(転載)

5月6日MBSラジオ小出裕章氏「浜岡原発停止要請、核分裂生成物冷却に100万年必要な事等について」

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メインキャスター(以下「MC」):水野晶子
コメンテーター:近藤勝重・毎日新聞専門編集委員

※完全な文字起こしではありません。
 また、誤字脱字等、ご了承下さい。
 ( )は補足

MC:では、京都大学実験所助教の小出裕章先生に伺います。
  小出さん、こんばんは。

小出氏:こんばんは。

MC:よろしくお願いします。

小出氏:よろしく。

MC:東京には近藤さんがいらっしゃいます。
  小出さん、午後7時過ぎに、菅総理が記者会見をしまして、
  静岡県御前崎市にあります浜岡原発全ての原子炉の運転を
  停止する事を、中部電力に要請したという事なのです。
  これをお聞きになってご感想はいかがですがか。

小出氏:私自身は、現在日本に54機ある原子力発電所を
  即刻全て停止すべきた、と主張している人間ですので、
  そうならないで今まで来た事自身が、物凄い意外なのです。
  それは、何か夏場の電気が困るからだ、豊かな生活がしたいのだ、という
  どうもそういう人々が多いのだという世論調査の結果が出て来る訳ですけれども、
  それ自身が、私はとっても意外な事であって、
  電気が足りようと足りなかろうと、原発だけはもうやってはいけない、
  というふうに皆さんが気が付かなければいけない、と思って来ました。

  でも、そうならかった訳ですし、菅さんがこの時になって、
  浜岡だけはとにかく止めようと発言をされた訳で、
  もちろん歓迎します。

  ただ、それは先ほど(ニュースコーナー)で近藤さんが
  詳しく説明してくれましたけれども、
  政治的ないろいろな絡みの中でたぶんなって来たのだろうと思います。
  私は、政治は嫌いですし、あまり政治の事も解りませんけれども、
  科学的な事で言うなら、どこの原子力発電所も危険を抱えていますので、
  即刻全て止めて欲しい、と私は思います。

MC:菅さんは、想定される東海地震に十分耐えられるような、
  中長期の対策をやらなければいけない、と。
  この中長期の対策が完成するまで、運転を停止すべきだと判断した、と
  このようにおっしゃっております。
  中長期の対策とは、簡単に出来るものではないのでしょうが、
  それこそ専門家からご覧になると・・・

小出氏:それはもう沢山中部電力がやろうとしている事はある訳です。
  津波対策をするとか、ディーゼル発電機を高い所に上げるとか、
  まあそんな事をすれば、対策が出来たというふうに中部電力は言いたい訳ですし、
  菅さんとしては、それが出来るまでは止めろ、という事だと思います。
  私は、もうそうではなくて、どんな対策を取ってもそれが破られる時があるので、
  全ての原子力発電所は止めるべきだ、と私は言っている訳です。

MC:原子炉を停止するという事は、言葉で聴くと一言ですけれども、
  ボタンひとつをストップと押したらすぐ止まるものなのですか。
  どういうものなのですか、停止というのは。

小出氏:核分裂の連鎖反応自身は止まります。
  ただし、核分裂の連鎖反応が止まっても、
  原子炉の中には膨大な放射性物質が既に溜まってしまっていますので、
  それが発熱をずっと続ける訳ですね。
  そのために今、福島の原子力発電所は、炉心が溶けてしまうとか、
  何とか冷却回路を作らなければいけない、という事で苦闘している訳です。
  でも、計画的に止めるのであれば、
  対処の仕方はもちろん容易ないろいろの事が考えられますので、
  地震とか津波に襲われていきなりそういう状況に追い込まれるよりは、
  遥かに良いと思います。

MC:何日位かかるのですか、停止するまでに。

小出氏:核分裂の連鎖反応が停止するまでには、
  通常の操作であれば、たぶん1日2日、あるいは3日という、
  その位の長さだと思います。

MC:その発熱が収まるまでには、どの位かかるのですか。

小出氏:収まりません。

MC:収まらないの?(思わず言葉遣いが)

小出氏:要するに、ずーっと続くのです。

MC:え!ずーっとって、何年位ですか。

小出氏:例えば今、福島の原子力発電所の事故が起きてから
  もう既に2カ月経とうとしている訳ですが、
  私達が崩壊熱と呼んでいる熱の発生量というのは、
  たぶんまだ40分の1位にしか減っていないのです。

MC:2カ月で40分の1にしかなっていないのですか。

小出氏:これからは、これからは殆ど減りません。

MC:えー!こっからは減らないのですか、なかなか。

小出氏:はい。

MC:あらま!(素のリアクションが・・・)
  それって、どれ位・・・あの、すみません、
  何年単位じゃなかったら、何百年単位ですか。

小出氏:要するに、10年という単位では減りませんし、
  それからもずっと熱を出し続けるので、
  この原子力発電所が生み出したゴミというのを、
  どうやってお守りが出来るかという事で世界中が困っている訳です。

MC:発熱って、何度位の熱がずーっと続くのですか。

小出氏:温度というのは、発熱の量とそれを冷やす能力、
  除熱と私達が呼んでいる、とのバランスで決まるのです。
  ですから、温度がいくらというふうにはすぐに言えないのですが、
  例えば、核分裂生成物というものをガラスに固めるというふうに、
  今日本の政府とかが言っている訳ですけれども、
  そのガラスというのは、ガラスにした所でもう何百℃も温度があります。

MC:何百℃ですか。

小出氏:ですから、水を掛けたら、ジュっと言って蒸発してしまう、
  そういう温度になっていると、初めは。
  それをとにかく地面の底に埋めて、少しずつ冷やすようにして、
  100万年じっとしておいて欲しい、と言っているのです。

MC:何ですって?(訊き方が怖い)

小出氏:100万年。

MC:ひゃく・ま・ん・ね・ん!(声が大きい)

小出氏:はい。

MC:100年じゃないのですか?

小出氏:はい。

MC:100万年、地面の深い所にずっと眠らせておくのですか!

小出氏:そうです。
  というのが、日本政府の方針です。

MC:そうしているうちに、手で触れるような温度に、
  100万年経ったらなるのですか。

小出氏:そうです。

MC:は~~~(絶句中)

近藤氏:先生、僕は、浜岡の今日の停止の要請についてひとつ疑問に思っているのは、
  高さ15mの防波壁、そして非常用電源その他で300億円を投じると
  中部電力が言った訳です。
  よしんばそれが実現したとしても、安全安心という事を考えたら、
  中長期的な範囲で留める事自体ナンセンスでしょう。

小出氏:そうです。

近藤氏:そうすると、どこかで逃げ道を作っておきながらの言い方だと思うのですよ。
  その言い方というのは。

小出氏:ですから、近藤さんがおっしゃっているように、
  政治的な判断なのだろうと思います。

近藤氏:本当に、安全安心だという事になると、
  そういう技術でもって対応出来ないのが、
  今起きている事態から悟る限り、そうですよね。

小出氏:そうです。

近藤氏:だから、何となく今のお話も含めて考えた時に、
  それだけの膨大な日数が掛かるという事を前提で考えると、
  こんな事で安心していてもいいのかな、と思ったりするので。

MC:私達は、安心の本当の意味というのを、
  科学的にもこれから考えて行かなければいけないのでしょうけれども、
  100万年地中に埋めるという策は、小出先生、
  どこに埋めるとか決まっているのですか。

小出氏:決まっていないので、
  日本の国では今埋めさせてくれる自治体を探しているのです。
  埋めるための調査というのをやりたいので、
  調査をやる事に同意をしてくれたら、20億円やるよ、と言っている訳です。

MC:年に20億円。

小出氏:年に20億円というか、調査を認めた時に・・・

MC:調査を認めたらまず20億円、
  これが最終処分場と言われている所ですか。

小出氏:そうです、最終処分場です。

MC:まず、ボーリングのようにして、土の中の状態、岩盤とかを見る訳ですね。

小出氏:そうです。

MC:それを認めさせてくれたら、20億円・・・なるほど。

小出氏:と言って、地方の財政が破綻したような自治体に働きかけて行って、
  どこかにその処分場を確保したいと言って、
  何年も国が、策謀を続けて来ているのですね。
  私はそれを阻止したいので、あちこち行って、
  そんな事は認めてはいけません、と言って、
  住民の人に伝えるという事を何年もやって来ました。

MC:ただ、小出先生に、お言葉ですけれども、
  どこにもその処理場が見つからなかったら、
  結局最終地がないまま、走っているようなものではないですか、今。

小出氏:そうです。

MC:どこかに、見つけなければいけないのと違うのですか。

小出氏:もちろんです。
  私は、東京に埋めなさいと言っています。

MC:あ~~~(唸っている)
  なるほど。
  安全だったら、どこにその処理場を作ってもいいではないか、と。

小出氏:そうです。
  その辺を国は安全だと言っているのです。
  300mから1000mの深い穴を掘るので、
  どこでも安全だ、と国は言っている訳です。

MC:そうなのですか。
  300mから1000mの深い穴を掘れば、どこででも安全なものだ、
  というふうな説明なのですね、国は。

小出氏:そうです。
  基本的にはそう言っています。

MC:小出先生は、この安全性についてはどう考えていらっしゃるのですか。

小出氏:そんなものはあり得ないじゃないですか。
  100万年ですよ。(苦笑しつつ)
  100万年と言ったら、六甲山はまだ海面の下です。

MC:あ~そっか。
  地形が変わってしまう恐れだってある訳ですね、
  100万年って。

小出氏:そうです。
  六甲山は九百何十mある訳ですから、
  300mの地下に埋めたとしても、100万年経ったらもうそれは
  地表から600mの高さになってしまうのです。
  ですから、そんな事も考えたら、安全などと到底言えるようなものとは
  違うと思います。

MC:そういうスケールで考えなくてはいけないのが、
  この原発の処理なのですね。

小出氏:ゴミの問題ですね。

MC:近藤さん、100万年って知っていました?

近藤氏:いや、そこまでは到底想像も付かない数字なので。
  僕らが身近に考えるのは、せいぜい過去50年ですよね。

小出氏:せいぜいが。

近藤氏:その間に(過去50年)、マグニチュード9クラスが5回来ているのです。
  うち3回が、この7年の間に起きているのです。
  そういうふうな事で物事を考えた時に、
  科学がちゃんとすればという、
  この間住田先生(大阪大学住田健二名誉教授)がそんな事をおっしゃっていたけれども、
  (小出氏の笑い声)
  僕は、科学がちゃんとしていないから今の事態が起きている訳で、
  今の事態にM9の地震が来たらどうなるのだろう、と思うのですね。
  それが、要するに、科学が出せない答えだと思うのです。
  だから今の事態という事がどういう意味があって、
  そこから答えを出して頂ければいいのだけれど、
  なかなかそうは行かない。

小出氏:もともとが、皆さん、科学にかなりの期待を持たれているようですけれども、
  科学は、常に万能ではありません。
  常に欠陥を持ちながら、科学というのは進んでいる訳で、
  大きな危険を抱えれば抱えるだけ、
  要するに科学は進歩すれば大きな危険も抱える訳ですけれども、
  それが本当に人類の生存にとって、破局的な事にならないかどうかというのは、
  科学がどんなに進歩しても解らないという事です。

近藤氏:先生、それとこういった事は、穿った考えでしょうか。
  浜岡を止める事によって、多少とも東京周辺の電力事情が悪くなるとしますね、
  そうすると節電という事に対してアレルギーが起きると、
  必ずまた原発をやれ、という声が出て来る、
  その事を中長期的に睨んで考えているという事はあり得ないでしょうか。

小出氏:私自身は、54機の原子力発電所を即刻止めても、
  電力供給に何の支障も生じないと主張しています。

近藤氏:本来はね。

小出氏:はい。

MC:そうですか。

小出氏:ですから、今は福島が止まっている訳ですし、
  浜岡を全部止めたとしても、浜岡そして他の原子力発電所も全てを止めても、
  夏のピーク電力すら何の支障もありません。
  それは政府の統計データで立証できます。

近藤氏:そうですか。
  福島を止めるだけでもなかなか大変みたいに言いますが。

小出氏:それは、東京電力管内で言うと、火力発電所も止まってしまっているので、
  東京電力管内は何かの問題があるかもしれませんが、
  そういう意味で言うと、今度は産業が今崩壊していますので、
  夏場の電力需要もたぶん減ると思いますので、
  私はたぶん今年は何の事も起きないのではないかな、と思っています。

近藤氏:そうですか。

MC:このエネルギーの問題は、これから本当に私達はいろいろなデータを、
  それこそ科学に疎い我々も少しずつは勉強しながら、
  自分達の生きて行く方法を考えなければいけないな、と思うのです。

小出氏:考えて下さい。

MC:小出先生が今おっしゃったのが、
  国のデータからもいろいろな考えられるのだ、という可能性・・・
  また時期を見て、このお話をして下さい。
  原発なしでも私達の暮らしが成り立つのかどうかというのは、
  皆さんがお聞きになりたいテーマではないかと思いますし、
  そのデータを、是非また小出先生に紹介して頂きたいと思います。

小出氏:はい、解りました。

MC:どうもありがとうございました。

近藤氏:どうも。

小出氏:ありがとうございました。

MC:京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生でした。
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