5月23日 今問われていること 小出裕章 (週刊現代)

『週刊現代』の2011年6月4日号(5月23日発売)に、小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)の対談記事が掲載されています。

案内ページ

安斎育郎×小出裕章 事故は必ずまた起きる。それでも動かす理由はなんですか
原発「全炉停止」に反対する人たちに告ぐ

 事故発生から2ヵ月以上が経過し、ようやく東京電力(東電)は福島第一原発1号機がメルトダウンを起こしていたことを認めた。だが、こうした危機が起こりうることを40年以上も前から訴え続けてきた科学者たちがいる。
 安斎育郎・立命館大学名誉教授と小出裕章・京都大学原子炉実験所助教――。
 この二人が、フクシマの現状をどう見るべきか、被曝の危険性をどう認識すべきか、そして“現代の怪物”原発をどう考えるべきかを論じた。

要約

小出先生発言部分の要約です。(たね蒔きジャーナル等で既に述べられていることは一部割愛しています)

・1号機の溶けた燃料は圧力容器を抜けて格納容器に落ちていると思う。その底にある水でかろうじて冷却されている状態。溶けたウランが格納容器を溶かしてコンクリートを突き破ると、地下水を汚染するか、あるいは地下水と触れて水蒸気爆発が起こる可能性もある。

・汚染水の移動など、作業環境の整備が必要。専門知識を持つ人員の確保も課題。

・東電は原子炉建屋地下の汚染水を循環させて冷却に使うとしているが、私は圧力抑制室に既設の残留熱除去系を利用すればいいと思う。

・福島の事故では長期に渡って放射性物質が撒き散らされている。これは人類初の事態であり、様々な対策を検討すべき。

・いま問われているのは、今後も原発に頼るのかどうかという根本の問題。原発の事故は取り返しがつかないということを、今回の事故で学ばないとしたら、いつ学ぶのか。多くの日本人が電気が足りないと豊かな暮らしができないから困ると言っているのを見ると正直言って絶望する。

・原発がなくても、ピーク時であっても火力と水力で電力は足りる。電気が足りなくなるというのは推進側の脅しにすぎない。

・原発はCO2を出さないから環境にいいと推進側は言うが、生命体にとって最も怖いのは放射能だ。CO2の一点だけで原発はエコだとかクリーンだとか言うべきでない。

・産官学の強固な共同体である「原子力村」に加わらない学者の意見は徹底的に無視され、今日に至った。

コメントは受け付けていません。