5月25日 東電はよりシビアな想定を 小出裕章 (産経)

2011年5月25日、産経ニュースの記事で小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)のコメントが紹介されました。

【放射能漏れ】揺れる水位、解析に疑問 専門家「もっとシビアに想定を」
msn 産経ニュース (2011.5.25 01:10)

以下、転載させていただきます(小出先生部分太字)。

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 東京電力が24日に公表した福島第1原発事故の報告書は、1~3号機で「炉心溶融(メルトダウン)」が起きていたことを指摘した。今回の模擬解析では、2、3号機の水位を2パターン想定したが、1号機では水位が当初想定よりも低いことが後に判明した経緯もあり、専門家からは「実際の水位計の正確さには疑問があり、もっとシビアに水位を想定して解析すべきだ」との声も上がっている。(原子力取材班)

 1号機では当初、圧力容器内の水位は、燃料棒の上部から約1・5~1・7メートル下とみられていたが、水位計を調整して測り直した結果、上部から5メートル以下と判明。

 15日に東電が公表した1号機のデータ解析結果などでは、燃料すべてが露出して圧力容器が損傷、溶融燃料が格納容器に流出したとみられている。

 2、3号機の原子炉の水位計の正確さには疑問が生じており、報告書では、示している値通りに水位が維持できている場合と、できていない場合の2つのケースを想定。水位が下がった場合、両機とも圧力容器を損傷し、燃料の一部は圧力容器外へ漏れだした可能性もあるとしている。

 だが、こうした東電の想定には、専門家からは疑問の声も上がる。

 「東電が公表したデータは、これまでも訂正が相次いでおり信頼できない。水位計のデータはそもそも信頼性に欠けており、解析の前提となる水位は、よりシビアに設定すべきだ」

 こう指摘するのは、京都大原子炉実験所の小出裕章助教(原子核工学)だ。

 実際、東電も「1号機のケースを考えると、(2、3号機は)水位低下した方が近い」との見方を示しつつも、「断定できる状況ではない」と言葉を濁す。

 震災から2カ月半がたちながら、水位などを含めて詳細な様子が把握できていない状況は変わっておらず、今回の報告で明らかになった深刻な事態は、今後の収束活動に影響を及ぼす可能性もある。

 日本原子力学会の沢田隆副会長は「2、3号機も1号機と大差なく溶けていると学会では見ていた。現在の工程表の範囲内では、作業への影響はそれほどないだろう」とするが、「工程表にはまだ書かれていないが、いずれ圧力容器の燃料を取り出さねばならない。だが、溶け落ちていると作業は困難になる」と指摘している。
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