5月26日 ものを言う気がなくなった 小出裕章 (MBS)

2011年5月26日(木)、MBS(毎日放送)ラジオ「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。

番組案内

2011年5月26日【木】
原発暴発阻止行動隊って?
誰かがこれをやらねばならぬ。ならばシニアよ集え、福島第一原発に!と呼びかけているのがきょうのゲストで元エンジニアの山田恭暉さん(72)です。さまざまな職業を経験した165人の応募があったといいます。確かに原発復旧作業の長期化は間違いなく、若い世代ほど放射能の影響を受けやすいとは言いますが、ちょっと過激な気も・・・とはいえこれといった解決策がないのも事実です。山田さんに「原発暴発阻止行動隊」呼びかけへの思いを聞きます。京大・小出さんの原発事故解説も。

録音

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【福島原発】5/26/木★高圧注水系(冷却装置配管)津波の前に地震で破損か?

要約

・(福島第一原発で、震災翌日に海水注入が一時中断されたとしていたが、実際には東電の所長判断により中断はしていなかったと発表された。どう思うか?)ものを言う気がなくなった。何日も議論していたが、すぐに分かることなのになぜ今言うのか不思議。東電の発表はこれまでもコロコロ変わるし、何が本当なのか分からなくなった。

・(海水注入の準備について、東電から原子力保安院だけでなく内閣官房にも通知されていたのに、菅総理には伝わっていなかったそうだが、どうか?)菅さんに伝わったところで彼は何もできないから実際はどうでもいい。だが、連絡はすべき。

・(福島原発から40キロの地点に住むいわき市のリスナーから質問。燃料が地中にもぐって地下水に触れて爆発する可能性は?飲み水等への影響は?)水蒸気爆発は多分起きないと思う。溶けた燃料が圧力容器の中で水と接触すると爆発することを恐れていたが、すでに格納容器に落ちている。その更に下にも落ちていている場合でも、地下水に触れたとしても爆発にはならないだろう。ただし地下水を汚染し、それが海に流れ、井戸水に混ざるということがあってはいけない。

・(爆発はないが高い汚染の可能性はある?)ある。大気中の汚染が最も危険だと思っているが、その危機は1号機に関しては過ぎた。あとは地下水を汚染する、あるいは海に流れるということが問題。それは当然重要問題。食い止めないといけない。

・(1号機が空気をひどく汚染する最悪の危険がなくなったとするのはなぜか?)恐れていた最悪のシナリオは、炉心が溶けて落ちたときに圧力容器の底に残っている水と反応して爆発するということ。そうなると格納容器も破壊され、大気中に大量の放射性物質が排出されてしまう。1号機についての東電の説明が本当なら、すでにメルトダウンしており、圧力容器から格納容器に漏れているという説明。それなら圧力容器内の爆発はない。

・(2号機と3号機は?)分からない。半分まで水があるというデータが続いている。炉心全体がメルトダウンしている状態ではないと思うしかない。そうならば、水蒸気爆発の可能性は残っている。ただしこれについても、東電は水位計が壊れている可能性、水が残っていない可能性を数日前から言っている。どういう状態になっているか知ることすらできない状況だ。

・(石川県のリスナーから質問。夫が第一原発建屋を覆うカバーをかける仕事に行く。中学生の子どもがおり、夫が家に放射能を持ち帰るのが心配。内部被曝も検査できる?)やる気になればできる。が、多分やってもらえない。内部被曝を測定するのは手間がかかるから全作業員には実施していないだろう。

・(となると、安全かどうか判断できない?)そうなる。防護服とマスクは内部被曝を防ぐため、それを装着していれば大丈夫と東電は判断しているのだろう。ただし外部被曝は防護服やマスクでは防げないから、線量計で測っている。

・(内部も外部も影響があるのは間違いない?)もちろん。内部被曝を測るのは手間暇がかかる。本来はやらないといけないが、かなりの人数の作業員がおり、すべての労働者の内部被曝測定はできないと思う。建屋の汚染区域に入る人は測定しても、そうでない人はしていないだろう。

・(内部被曝は専門の医療機関で日数をかけて行う?)方法は二つ。一つはホールボディカウンター。特殊な部屋に入り身体の中の放射性核種を直接測定する。もうひとつは小便大便等の排泄物を集め内容物を測定して推定する方法。これもやろうとすると大変。

・(沢山いるから実施は難しい?)できないわけではない。機器1台で1人30分だと1日50人程度。排泄物の検査も手間暇かかる。毎日何百人を測定するのは難しいだろう。

・(放射能を家に持ち帰るのではないかと不安ということだが?)原則的にゼロにはできない。着た防護服を捨ててくることが必要。クルマで入構するのは避けたほうがいい。汚染検査の基準が高いため、汚染しても見逃されて戻ってくる。持ち帰る物を少なくしないといけない。

・(福島第一原発の高圧注水系の配管が津波の前に既に壊れていたことが解析で判明した。最重要の機械で、地震で壊れたことはないと東電が言っていたものだが?)深刻。東電は、地震では持ちこたえたが津波が原因で事故となったという説明で乗り切ろうとしていた。中部電力の浜岡原発は東海地震の予想震源域の中心。地震を恐れて菅さんは浜岡原発を停めたのに、いつの間にか津波と防潮堤の話になっている。今回も地震が原因の可能性が高く、地震に注意を払わないといけない。

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5月26日MBSラジオ小出裕章氏「1号機燃料の今後、労働者被爆検査、地震による配管損傷等について」

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