6月9日 ストロンチウムよりセシウムが影響大 小出裕章 (MBS)

2011年6月9日(木)、MBS(毎日放送)ラジオの番組「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。

番組案内

2011年6月 9日【木】
ドイツは脱原発へ・・・そして、日本は?
ドイツのメルケル政権は脱原発を正式に決めました。2022年までに原子力発電所はすべて閉鎖。決定後、会見に臨んだ大臣は「私たちは先駆的な社会プロジェクトを始める」と胸を張りました。ドイツはなぜ脱原発に踏み込んだのか?原発がある自治体を中心に不安を抱えたまま原発政策が推し進められている日本はどのように考えたらいいのか?ドイツ在住のジャーナリスト、村上敦さんにドイツで起こっていることを聞き、日本の原発政策を考えます。
原発事故に関しては、きょうも京都大学の小出さんに話を聞きます。

録音

いつも放送エリア外の人たちのために録音してくださってありがとうございます。

【福島原発】6/9/木★原発を止めても電力は足りる

要約

・(福島市などでストロンチウムが検出された。セシウム以上に危険な物質か?)ストロンチウムは危険な放射性核種の一つで、セシウムの10倍から数十倍も危険。ただし今回検出された量はセシウムの数百分の1から1000分の1くらい。今どちらからの危険が大きいかと言えば、セシウムの方だ。

・(セシウムの人体への影響は?)セシウムはアルカリ金属で、カリウムという放射性物質と同じような挙動をする。全身に平均的に分布する性質をもつ。ストロンチウムはカルシウムと同じアルカリ土類金属で、骨に蓄積する性質。

・(ストロンチウムは原子炉の炉心がより高温になると気化するもので、早い段階で出ていたはず。なぜ今検出されたのか?)ストロンチウムはベータ線しか出さない。ガンマ線を出すものは測定するのが容易だが、ベータ線しか出さないものを検出するのは大変だ。東電は事故後それどころではなかったのかもしれないが、行政が率先して測定、検出すべきだった。

・(ストロンチウムは土壌にあると言うが、水や農産物への影響は?)これからは影響してくる。

・(今の段階ではセシウムの方により気をつけるべき?)今も今後もセシウムが重要だ。

・(セシウムやストロンチウム以外にもあるのか?)50〜60年代に大気圏内核実験が沢山行われた。当時ばらまかれたセシウムとストロンチウムの量はほとんど同じ量だった。原発事故の場合と違い、核実験では同じ量となる。人類に最も影響したのはストロンチムで、次にセシウム。福島原発事故では、最初はヨウ素だったが、今後はセシウムとストロンチムの影響が大きくなる。今回はセシウムの放出量が圧倒的に多かったためセシウムが問題になる。

・(今回事故を起こしたものと同じ型の原子炉に関して1980年にアメリカの原子力規制委員会が耐震設計の問題を指摘していたと言うが?)GEの3人の技術者が、マークIが構造的に弱いことを告発して退社した。

・(それを踏まえて改善はあったのか?)格納容器の形がマークI改良型、マークII、マークIIIと変わっている。

・(マークIは今でも使用されている?)福島、敦賀などにある。今は動いていないが浜岡原発にもある。

・(それは大丈夫なのか?)どれも大丈夫ではない。マークIIもIIIも壊れるときは壊れる。少しずつ良くなっている程度だ。

・(日本は原発を止めたらどのくらい電力が足りなくなるか?)完璧に足りる。水力発電所と火力発電所が膨大にあり、それを動かせば夏のピーク時でも問題ない。

・(原発が止まったら足りなくなると多くの人が考えているが?)マスコミが悪い。

・(火力と水力でまかなえるか?)そうだ。政府の統計データに基づく限り、十分に足りる。

・(そういう発電所は稼働していない?)火力発電所は5割止まっている。発電所はそれほど余っている。老朽化した火力発電所も動かさないといけないかもしれないが、原子力よりはいい。そもそも原発も老朽化したものが沢山動いている。

・(コストはどうか?)電力会社の経営データによれば、原子力発電が一番高い。今回の事故の費用を上乗せしたら、電気代はどのくらいになるか分からないほど高くなる。

・(海江田大臣が、原発を停めた場合の追加経費は今年度で2兆4000億円、来年度は3兆円以上と言うが?)石油などの燃料費がかかるのは確かだが、原発をやめればその分ウランは買わないで済む。それに、事故のことを考えればはるかに楽に済む。

・(原発の電力は不可欠というわけではない?)全く違う。電力会社とマスコミとで騙してきた。

全体書き起こし

6月9日MBSラジオ小出裕章氏「ストロンチウム、マークⅠ、原発なしでも電力は賄える事等について」

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