7月5日 「子供の45%が甲状腺被曝」調査結果の実情 小出裕章(MBS)

2011年7月5日(火)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。

番組案内

2011年7月 5日【火】
までいの村
「までい」とは、手間ひま惜しまず、丁寧に心をこめて、つつましく、という東北地方の方言です。“ないものをねだるのではなく、あるものを探し生かす。”そうした「までい」の暮らしを選んだのが福島県の飯館村でした。番組では何度も放送している、福島第一原発の放射能により、故郷を去らなければならなくなった村です。「までい」の飯館村は、隣のおばあちゃんを放っておかないつながり、大地を耕し、資源の山を活かす生活を旨としています。学校給食の食材は100%村内のものを目指し、育児休暇に力を入れ、太陽や森の自然エネルギーを利用するなど、「までい」を実践していました。そんな村を襲ったのが原発。飯館村を取材し「までいの力」を出版した佐賀規子さんに飯館村の魅力と、そうした村が今取り組んでいることなどを聞きます。
京都大学の小出先生の原発事故分析もあります。

録画

20110705 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

内容書き起こし

(原子力安全委員会が調査をしていまして、福島県内の第一原発周辺の市町村に住む子供さん達およそ1000人を対象に放射線被爆、どれくらい被爆したかという調査を3月下旬にしていたということ。それが今回明らかになった。その調査によると子供たちのなかの45%の子供たちが甲状腺に被曝していたということを明らかにしました。45%というとほぼ半分の子供さん達なのですが、この数字を聞いてどう感じられますか?)

小出:当然というか、もっと多かったかもしれないと思います。

(これ、調べられている子供さんたちがいた場所は、いわき市川俣町、飯舘村なのですね。)

小出・かなり離れたところの子供たちですね。

(そうなんです。例えば浪江町のような非常に原発に近い町の子供達ではありませんし、)

小出:どうしてそういう近いところは調べなかったのでしょうか。

(そうですよね、普通考えたら。それで3月下旬の調査ということはですね3月11日以降もうすでにどのあたりが非常に危険性が高いかということは十分わかっているはずですよね)

小出:もちろん3月11日にはわかっていました。いわゆるSPEEDIというプログラムを動かしていたはずですからどこの子供たちが被曝をするということは分かっていたはずだし、ほんとは対策も取らなければいけなかったのですが、何の対策も取らない、SPEEDIの結果も公表しないまま被曝をさせてしまったのですね。

(調査そのものも3月下旬ということですからだいぶ日にちがあいてからの調査をしたと言うことでしかありません)

小出:そうですね。

(でこの結果についてなのですが、もう少し数字を詳しく申し上げたいと思います。この1000人ほどの子供さんたちの中で一番高い被曝の数値を示した子供さんは1歳のお子さんです。甲状腺被ばく量これがですね、0.1マイクロシーベルト毎時です。1時間あたり0.1マイクロシーベルトで、これはですね、甲状腺被ばく量に管さんすると、年50ミリシーベルトに相当する数字だというふうに伝えられております。この数字をどうご覧になりますか?)

小出:えー、多分小さすぎるし、もっと調査したところが遠く離れたところこともあるかもしれませんが、福島原子力発電所に近い子供たちは、遥かに高い被曝をしていたと私は思います。それはもうすでにあの、国の公表資料であって、500ミリシーベルト、年に換算するとですね、それを超えてる子供たちがたくさんいるというような計算結果が公表されています。

(500ミリシーベルトを越える子供たちがいる。年間500ミリシーベルトというのはどういう値だと思えばいいんですか?)

小出:甲状腺だけですけれども、ようするにまあ、甲状腺の機能が障害を受けるということに相当するような被曝です。

(先生あの、委員会の審議官がですね、精密測定の必要ないというふうに聞いているんですけれども、これは非常に問題だと思うんですけれども、追跡なり子供たちのこうー、ケアがずっと必要になってきますよね)

小出:当然必要です。

(これぜんぜんやってない気配ですね。それと不審に思うのは今、第一号のデータがはいってないということですけども、IAEAにほぼ1ヶ月前に報告をしているにもかかわらず、ニュースに鳴るのは1ヶ月遅れと。もう様々な都合の悪いデータがIAEAの報告の中にもあるはずなのが、断片的に出てきてまして、もう全部をですね、IAEAに報告したのを全部、我々に提示させるというのが大事だと思うんですけれども、先生方の方にはそういうデータというものは入手出来てるんですか?)

小出:私のところには少なくとも全くきません。はいあの、原子力の旗をふってきた学者の方にはいっていたのかもしれませんが、残念ながら私の方には政府の方からあるいは東京電力の方から五歳のデータが来ません。

(未だにそうなんですよね。小出先生のところにきたらだいぶ国の姿勢はかわったと、ひとつの指標として私は思うかもしれませんが、今のお話のようにIAEA国際原子力機関に提出した報告書の中に、この子供たちの甲状腺被ばくの調査をしたことを記しているようなんですが。その結果何割の子供さんたちが実際に被爆していたかは報告書に書かれていないという。意味ないですよね?)

小出:本当に私はそう思います。

(でもそれIAEAはそんなのでOKしているってことですか?)

小出:IAEAというのは前にも聞いていただいたと思いますけれども、原子力を進めるための国際的な機関でもあるので、なるべく原子力を進めることに支障のあるようなことはIAEA自身も知りたくないし公表もしたくない、そういう組織です。

(知らされても困るんですね。)

小出:むしろそうですね。

(でもこれは半分45%の子供たちが甲状腺に被爆していたという事実を、本来国際的に知らせたらですね、もっと国際的に批判が日本政府に来るんじゃないんですか?)

小出:もちろんそうですし、私は先ほどから聴いていただいていますけれども、その遥か離れた子供たちが45%なのであって、近いところの子供たちは、もっとたくさん被曝をさせられてしまったということなんですね。ですからそういう子供たちの追跡調査ということはホントはしなくてはいけないのですけれども、それすらやる気がないと、日本の国は言っているのですね。

(今、回調査した子供たちの中でもですね、0.1マイクロシーベルト毎時というお子さんが一番高いという、数字だけ見せられますとね、それほどでもないのかというふうに受け取りがちでしょうね。)

小出:そうですね。

(この値であれば、年50ミリに相当するという値であれば、ほんとうに精密検査の必要がないレベルなんですか?)

小出:それはわかりません。というのは放射線の感受性というのはもちろん年齢でも違ってきますし、個人差というものがものすごく大きくてですね、(そうなんですか?)はい。ですから同じ被曝をしてもなんでもない人もいるわけだし、障害が現れてくるということもありますので、ほんとであれば1年間50ミリシーベルトであればそういう子供たちをきちっと調査するということは科学的な態度であると私は思います。

(はあー、個人差が大きいんですか)

小出:はい。

(それから今回の原子力安全委員会の審議官がですね、換算するには調査の精度が荒いと。なんでそんな制度の洗い調査をするんですか?)

小出:えーっともっとホントは早くやらなければいけないのですね。ヨウ素というのは、私たちが気にしているのはヨウ素131という放射性物質ですけれども、8日たつと半分になってしまう。そして体に取り込んだヨウ素というのは排泄でドンドンなくなっていってしまいますので、被爆をしたその時に調査をするということが一番大切なことであって、3月の中旬に大量の放射能が出たわけですから、その時にほんとなら調査をしなくてはいけなかった。3月下旬になってしまうということになるとヨウ素131自身が物理的に無くなってしまっているし、排泄でなくなってしまっているので、なかなか調査が難しくなっていたときに、初めてやったということですね。

(でも調査する人はそんなことわかってますわね?すぐやらへんかったら値が低くなるのを分かっている人が3月下旬に何故かやってるんですね?)

小出:まああの原子力安全委員会という組織自身が全く機能してなかったんですね当時。

(全く機能してないからこんなに遅くなったのか? ある意味考えてこの時期に、下旬にしたのか私にはわからないのですが。どうなんですかね)

小出:そうかもしれません。わかりません私にも。

(ということはまずはすぐにやるべきだったということと、もっと原発に近い地域の子供さんたちをちゃんと調査するべきであったお言う事…)

小出:調査というか、事故当時に対策を取らなければいけなかったのですね。

(あの時小出先生がおっしゃったのは1メートルでもいいから遠くへ非難してくださいとおっしゃった)

小出:11日にそういいました。

(それが直ちには健康に被害はありません。という言葉に国としてはなっていたと。ここの開きが今になって色々工やって見えてくるわけですね。ありがとうございました。また明日もよろしくお願いします)

小出:こちらこそ。ありがとうございました。

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