9月25日 『番組(たね蒔きジャーナル)はつぶされた。ここ1、2ヵ月の毎日放送とのやりとりを考えるとこれまで通りのお付き合いを続ける気持ちにはなれない。』小出裕章(サンデー毎日)

2012年9月25日【サンデー毎日2012年10月7日号】にて、ラジオ「たね蒔きジャーナル」に関する小出裕章さんのコメントが掲載されていますので、このブログでも共有させていただきます。

情報元は「薔薇、または陽だまりの猫」です。

以下、情報を引用いたします。

▼引用元:2012年9月26日【サンデー毎日】存続願いカンパ1000万円超でも…ラジオ「たね蒔きジャーナル」が終わる理由
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/002e98bf6c663a3589ffd31697d24b0d

=====(引用ここから)=====

 関西の一ラジオ奮組のために、全国各地の市民が立ち上がった。存続を願って集まった多くの署名と寄付金。 しかし9月末での終了が決まり、賛同者からは落胆の声が漏れる。

 「大きく取り上げられるニュースを、『たね』の時から、注目し、届けよう」
 このモットーが番組名の由来となった、毎日放送(MBS、大阪市)の「ラジオ・ニュースたね蒔きジャーナル』(月~金、午後9~10時)。2009年10月に始まったが、番組が一躍脚光を浴びたのは、昨年の東日本大震災に伴う福島第1原発事故以降だ。京大原子炉実験所の小出裕章助教が事故直後から出演を重ね、事故の推移や放射能汚染について分かりやすく解説した。
 テレビや新聞が「ただちに健康に影響はない」と政府発表を繰り返す中、昨年3月14日の時点でメルトダウンに言及し、かつて喧嘩をしてきた」という東京電力に対し「何とか頑張って水を送り続けてくださいと、私はお願いしたいのです。それ以外にできることはないのです」と発信。また、SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の公開前から、風向きを考慮した避難の重要性を訴えた。
 小出氏の話は動画投稿サイトにもアップされ、番組の聴取者はMBSの放送エリアどころか国境を越えて広がった。東京在住の筆者のもとにも、関西の知人から同番組の内容をまとめたメモが日々メールで送られてきたほどだ。
 原発事故報道の姿勢と信頼感はジャーナリズムの世界でも高く評価され、今年3月には毎日放送ラジオ局番組センター東日本大震災取材制作班が、第19回坂田記念ジャーナリズム賞特別賞を受賞する。ラジオ番組の受賞は、初の快挙だ。
 しかし、7月下旬から番組終了のうわさがネット上で流れ始め、8月に入ると『朝日新聞』や『東京新聞』も報じた。経費削減問題が示唆されたため、ノーギャラ出演の申し出や市民スポンサーの寄付を募る運動もスタート。原発報道の立役者たる小出氏自身も呼びかけ人となり、毎日放送に存続を申し入れた。無料出演に応じる賛同人は、浜矩子・同志社大大学院教授や作家の雨宮処凛氏ら計78人(9月15日現在)、寄付金は1003万4500円(同19日現在)に上った。
 が、9月19日、毎日放送は番組終了を正式に発表。小出氏は「国、電力会社などが一体となった原子力の大本営発表のもと、少しでも事実に近い情報を流し続けてくださり、ありがたく思いました。さらに、毎日放送が聴けるエリアだけでなく、世界の多数の視聴者から、これだけ愛された番組もなかったはずと思います」と、ネット上の声明で惜しむ一方、番組は「つぶされた」と憤った。
 そして、あくまで「個人的な感情論」と断った上で「ここ1、2ヵ月の毎日放送とのやりとりを考えると、これまで通りのお付き合いを続ける気持ちにはなれない。とりあえず私は当面、毎日政送に出演するつもりはありません」と話す。
 こうした声に対し、毎日放送は終了の理由を「10月からワイド番組『with・・・夜はラジオと決めてます』が始まるため」(広報部)と説明する。さらに「新番組は『たね蒔き』を作ってきた報道部門の全スタッフに加え、新たにスポーツや編成スタッフも加わり、ラジオ局が一丸となって取り組むもの。小出氏ご本人の了解が得られるのであれば、当社としては内容によって出演をお願いする予定です」(同)と理解を求める。
 放送局として番組改編があるのは当然だ。ただ一方で、ここまで支持され、評価された番組をなくしてしまうことに、支援者らは首をかしげる。背景には一部メディアで報じられた金銭的問題があるのか、あるいはスポンサー側の意向があったのか。毎日政送は「番組制作費削減のために終了するというような事実は全くありません。また、番組のスポンサーは大阪の不動産会社で、終了との関係は全くありません」(広報部)と強く否定する。
 集まった1000万円超の寄付金については「お気持ちは大変うれしく思いますが、報道機関として中立性を守るために、当社が寄付金を受け取ることはあり得ません」(同)と言う。
 事実、8月27日と9月7日、小出氏らが寄付金を持って毎日放送に出向いたが、同社は受け取っていない。

「ラジオの発展形、見た気がする」

 では、宙に浮いたカンパはどうなるのか。募金などの事務局「すきすきたねまきの会」で活動する、反貧困ネットワーク事務局長の湯浅誠氏は「返金を求める寄付者もおり、手元に残るのは1000万円を切る」と前置きし、複数の使い道を示唆する。
 例えば▽他局で『たね蒔きジャーナルプラス』といった番組を始める▽東日本大震災被災地のコミュニティーFM局に寄付する▽良質な報道番組を顕彰する基金を設立するーーといった案。思い描いているのは、ラジオ番組の新しい形だ。
 「『たね蒔き』はマスメディアの一番組でありながら、独立系メディアのように市民の熱い支持を得ていた。マスか独立系かという二項対立に収まらなかったことに、ラジオの発展形を見た気がします。たやすくはないが、何か新しいことに挑戦できればと考えています」
 また、「たね蒔き」存続の呼びかけ人だった一人、諏訪中央病院(長野県茅野市)名誉院長の鎌田實氏も同様の考え方と、存続運動の先の”光” を語る。
 「あらゆるメディアがインターネットに侵食される時代、大企業がCM枠を買って番組の色を左右する形態には、無理が生じ始めています。市民がスポンサーとなり、多様な意見を発信するメディアを提示することは、昏迷の時代、ますます必要とされるのではないでしょうか。『たね蒔き』は、私たちにそのきっかけをくれました」
 番組最終政送日の9月28日、存続運動に携わった人たちはラジオ持参で毎日放送前に集結する。「その時までには寄付金の使い道に見通しを立てたい」(前出・湯浅氏) 。
 東日本大震災後、インフラの途絶えた被災地での情報のよりどころとして、あるいは静かで小さな生活を考え始めた人たちの情報の窓として、改めて見直された「ラジオ」という存在。
 その象徴的な番組の一つは終わるが、蒔かれた「たね」が一つでも新たな花を咲かせるといい。
          本誌・菊地 香

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