12月1日 「原発事故1年9ヶ月を小出さんに聞く」前半文字起こし(kinkin.tv 愛川欽也パックインニュース)

12月1日 「原発事故1年9ヶ月を小出さんに聞く」(kinkin.tv 愛川欽也パックインニュース)文字起こし前半

2012年12月1日、kinkin.tv 愛川欽也「パックインニュース」の小出さん出演部分を文字起こししました。

前半と後半に分けて掲載します。今回は前半です。

後半:12月1日 「原発事故1年9ヶ月を小出さんに聞く」 (kinkin.tv 愛川欽也パックインニュース) 文字起こし後半

▼出演者
司会:愛川欽也
ゲスト・小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)
山田厚史(ジャーナリスト)
樋口恵子(評論家)
内田 誠(ジャーナリスト)
升味佐江子(弁護士)
横尾和博(社会評論家)

▼文字起こしは以下。

福島第一原子力発電所事故直後の写真
◆愛川
更にですね、もうひとつ、長い間やってましてその間にちょうど1年9ヶ月前に福島の第一原発の爆発がありました。
福島の第一原発が、ぶっ壊れたまんま、今もあります。その中で東京電力さんというところが、当時の本社と福島第一原発のやり取りの中の、つまり残っていたVTRですね。
それを小出しに少しずつ出していきましたが、なんと昨日また新たな発見がありまして、発見っていうかもう前から決まってたんだろうけど、そのときの非常に濃度の高い放射能を海に捨ててたっていうのを今頃になって出して、つまり原発っていうのはこんな風にして1年9ヶ月経ってまだなんかこういうことを教えないでくれていた、しかも大事なことが発表されていくというような遺産を残して、まだ今日もぼんやりと建ってます。
そこがこの番組はずうっとやってきたんで、とうとう止めないでずうっと去年のその頃から、3月11日以降、1回も欠かさずこの原発については語ろうじゃないかって語ってました。
え〜、その原宿でやってる頃ですね、朝日ニューススターでやっている頃、小出さんにも出て頂きました。
その小出さんが、小出さんあっちこっちでいろんなお話をして講演をやったりしてお忙しいんだけど、え〜まぁ今日羽田に着く飛行機が早めだったんでこっち寄って頂いたんで、今日はスタジオに来てもらいました。
で、まあ小出さんがもう座っていらっしゃいます。今日は小出先生よろしくお願いします。

◆小出
よろしくお願いします。

◆愛川
20121205dえ〜、小出先生とはだから、今日は頭、まさにこの後ろにですね、当時のまんまで、これはね、1年9ヶ月前の3月10日(3月20日)3月20日ですか、まだ10日ぐらいしか経ってないその時の写真をそのまま写してあります。
で、今日は小出さんに、あの学者さんですから、小出さんにこの原子力の話を絡めて…。
これはとってももうこの程度で収束したって言っちゃう人もいるんですね。
僕ら素人が見ても建物見たって収束には見えない。
収束と同時になんか知らないけどだんだん風化させてきて、この頃あの原発ってことに関してあのあんまり言わなかった。
だけど、実は小出さんにいろいろお話を聞いてね、これ、僕はとても収束しているって思えるわけない。
安全だったら普通ね、みっともないから壊しますよ、これ。
で、もう必ず次のこのマンションが建ったりね、あるいは旅館が建ったり海水浴場にふさわしいんじゃないかと。
何かあっちこっち壊れながらいるんですけど、まず最初にね小出さんに聞きたい。これは収束してマスカ?

◆小出
していません!

◆愛川
僕が言うと皆さん信用しないけど、小出さんがおっしゃるんだから。
皆さん、収束してませんよ。
で、つまりこれをね、まず最初の話として、これ1、2、3、4個あるんですね。
で、メルトダウンていう言葉を僕は生まれてこのかた知らなかったけど、3月11日以降知りました。
最初に後藤さんなんかも来て頂いて、その頃後藤さんも気をつけながらね、これメルトダウンっていう風には今言えないかもしれないけど、もしメルトダウンだったらたいへんだよっておっしゃってました。
これメルトダウンですよね?

◆小出
もちろんです。

◆愛川
ですからね、こうやって僕らは色んなことでウソをつかれながらね、あるいは本当のことを知らずに、こんな危ないものをこうやっているのをね、塀を作ってちょっと隠してみたりね。
しかも、こんなものあのブルーシートか何とか隠しておいていいんですか、これ。

◆小出
20121205eえ、今映っているのは左から2号機、3号機、4号機です。
もう一つ左に1号機があるのですが、1号機と2号機と3号機は、事故のときに運転中でした。
で、大雑把に言うと、それぞれの原子炉の中に、広島原爆がバラまいた放射性物質の約1000発分を抱えた状態で、事故に突入しました。
それが結局みんな溶けてしまって、今そこに映っている建屋の下に溶け落ちてしまっている。
そしてそれが今どこにあるかすらが分からない。
なぜなら近づくことができないからという。
今、愛川さんこれ全部取っ払ってマンションにしろとかおっしゃったけれども、そんなこともちろんできない。
猛烈な放射能がそこに今でも、ある!でも、正確な状態でどこにどうやってあるかすらが分からないというそんな状態なんです。

◆愛川
で、で、あるにも関わらずですね、これまぁせいぜいこうカーテンででも隠したいくらいなもんでしょ?

◆小出
はい。

◆愛川
しかし、これはあの僕はね広島の原爆ドームをね残そうじゃないかって、アメリカに爆撃された、そのあとね、ちょうどいろいろもっと僕は昔の話ですけど、残すように運動するのが全国で行われたんですよ。
で、僕らも募金運動に協力して、あれ残して良かったなって思うんだけれども、あれは残したけどあそこは今もう危険じゃない。
完全に。これは冗談じゃないですか?

◆小出
これはずうっと手が付けられない状態で、これから何百年という形で、この上にたぶん私は石棺という過去旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所でやったような石の棺というものでこれを覆わなければいけないと思いますけれども、それが一度覆ってもボロボロになりますので、今チェルノブイリ原子力発電所では、ボロボロになった石棺の上に更に大きな石棺を作ろうとしています。
ですから、これもたぶん10年20年経つと、この上に石棺というまあお墓ができるんだと思います。
でも、そのお墓もボロボロになっていくので、何十年か経つと、その上に更に巨大なお墓で覆うということが必要になっていく筈です。
もう愛川さん生きてられないだろうし、私ももちろん生きてないですけれども、そういう仕事を私たちの子ども、孫の世代がずうっとこれから引きずっていかなければいけないということになります。

◆愛川
今、じゃここで働いている人がいるんですね、実は。
この人たちをとかくこんな大変な仕事をしていて、ご苦労さんっていうようなテレビ番組もありますけど、そこで働いている人って、そんな危ないところに入って行くんでご苦労さんどころじゃないです。

◆小出
え〜、ですから原子力発電所の作業者というのは、昔からそうだったのですが、下請け、孫請け、ひ孫請けというようなものすごい重層的な雇用関係が繋がっていて、本当に危険な現場に行く人は、孫請け、ひ孫請け、何か10次ぐらいまで下請け構造があるそうですけれども、危険手当すらピンハネされてしまって、貰うことができないような構造になっているようです。

◆愛川
で、そんなことしてその人たちはその核心に触れるようなね、つまり核の棒の所に行くんじゃなくて何かゴミかなんか拾っているわけですか?

◆小出
え〜っと、もちろんその原子炉建屋というまあ建家があるのですが、一番右の4号機はですね、え〜、事故のときに運転していませんでしたので、原子炉そのものがメルトダウンするということがなかったのです。
だから、確かに建家は爆発して吹き飛んでいますけれども、放射能汚染が比較的少ない状態で済んだので、4号機の原子炉建屋の中にはまだ人が入れるのですが、1号機から3号機はもう人が立ち入ることすらができないという、それほど猛烈な汚染なのです。
ですから、今、周辺で曲がりなりにも少しずつ片付けの作業をする、あるいは放射能が外に漏れてきているわけですし、空気中にも漏れてきているし、汚染水として漏れてきているわけで、それをとにかくなんとか食い止めなければいけないというという作業がずうっと続いています。

◆愛川
そんなことをこうやってそんな危険な上で働いていることでこうやっていることで食い止められるんですか?こんな危ないものは。

◆小出
わかりません。
要するに人類が経験した初めてのことなのです。
こんなことはチェルノブイリ原子力発電所のときだって壊れたのはたった1個だったわけですけれども、福島の場合には4個が並んで全部潰れてしまっているという、そういう状況になっていますので、これをこれからどうやって収束できるのか、何年かかるのかということは、人間にとって未知の経験ですので、どうなのか正確に予測することもできません。

◆山田
20121205f小出さん先ほどね、石棺は10年か20年か経ったらこの上に石棺のようなものができるだろうとおっしゃいましたよね。
やっぱ10年、20年経たないと、そういう作業には取りかかれないということなんですか?

◆小出
はい。
というのは、核燃料が存在していた場所というのは2ヶ所ある。
1ヶ所は原子炉そのものの炉心という所にあった。それが1号機、2号機、3号機で溶け落ちてしまっているわけですね。
溶け落ちてしまったものは、もうどうなっているのかすらもわからないような状態で、それに手を付けられるような状態になるためには、10年、20年後にならないとたぶん手が付けられない。

◆山田
どういう風にすると手が付けられるようになるんですか?

◆小出
それはまず分かりません。
まず、でもその前にやらなければいけないことがあって、それは核燃料が炉心という所ではなくて、使用済み核燃料プールという中にも膨大な核燃料が沈めてあった。
1号機、2号機、3号機も。また4号機もそうですけれども。
それは使用済みという言葉で言われるように、既にもう原子炉の中で燃え尽きてしまった。
つまり猛烈な放射能の塊になったというものが使用済み核燃料プールという中に沈んでいるんです、今でも。
それをとにかく取り出さないことには、そのまま石棺で封じることができないわけで、まずは取り出すと。

◆山田
よく取り出すというのはメルトダウンしたグジャグジャグジャっとなってしまったようなものを取り出すんじゃなくって、使用済み燃料を取り出すっていうことなんですか?

◆小出
そうです。
今はプールの底に、溶け落ちた状態で残っているのではない使用済み燃料というものを少しでも安全な場所に移さなければいけないということになっているのです。
でも、使用済み燃料プールというのは、まん中に3号機がありまして右に4号機がありますけれども、吹き飛んでしまった建家の要するに中にあるわけですね。
で、その使用済み燃料というのは、今聞いて頂いたように猛烈な放射能の塊ですので、プールの底に沈んでいる間はまだいいのですけれども、それを水面から引き揚げると周りの人がバタバタと死んでしまうというほどの猛烈なものなのです。
ですから、どうすれば移動出来るかというと、プールの底にまず巨大な鋼鉄と鉛で作ったキャスクという容器を沈めるのです。

◆山田
プールの中に?

◆小出
はい。
プールの底で、水の中で使用済み燃料をその容器の中に入れて蓋をして初めてプールから外に引き出せるということになるのですが、そのキャスクというものは重さが100トンもあるというような猛烈な重たいものなのです。
でも、見て頂いて分かって頂けると思いますけれども、建家そのものがもうボロボロになってしまっているわけで、クレーンも何もみんな吹き飛んでしまって使えない。
ですから、その作業をするためには、とにかくクレーンが設置出来るようにしなければいけないし、巨大なクレーンを設置するためには、強固な建物を作らなければいけないという仕事があるのです。
で、今4号機はこの写真では事故後の直後の写真のやつですけれども、今は既に最上階のところをすべて取っ払ってあります。
壊れた建物を取っ払って、それで新たにそこに巨大な建物を建てて、巨大なクレーンを設置して、そして初めて使用済みの燃料を吊り出すという作業が始められるということになっているのですが、その作業が始められるようになるまでに、来年の12月までかかりますというのが東京電力の説明です。
そして、今聞いて頂いたように4号機は比較的放射能の汚染が少ないので、その作業が今出来ているのですが、3号機なんてあんな風に壊れてしまっていて、いつその作業に取りかかれることができるのかすらが分からないという状態なのです。

◆愛川
小出さん、あの使い済みの燃料そのものは、却って危険なもんなんですね、じゃ。

◆小出
猛烈に危険なものです。

◆愛川
現在使っているものよりもっと危険なものになっちゃう。

◆小出
え〜、原子炉の中で燃やすときの燃料は、初めは新燃料というかピカピカというかウランだけもものなわけですけれども、それを原子炉の中で一度燃やす、核分裂をさせるということになると、ウランが持っていた放射能の1億倍の放射能を抱えるようになる。

◆一同
はぁ〜、一億倍。

◆小出
はい。
要するに燃え過ぎて使用済み燃料になるまでに、一億倍の放射能になっちゃうんですけど。
ですから、燃やし始めの時はまだいいですけれども、1年2年燃やしていくと、どんどん毒性が高くなってきて、使用済みとなった状態が一番放射能の汚染が強くなったものになるわけです。

◆愛川
じゃ、それを抱えたまんま4基ともいるわけですね。

◆小出
はい。
1号機から4号機まで使用済み燃料プールという中に沈んだ状態でまだなんとか。

◆愛川
そっその何本ぐらい入ってるんですか、一つのプールに?

◆小出
え〜、4号機だけで1535体入っています。
原子炉の中には5百数十体しか入りませんから、原子炉の中に本来入るものの2.5倍ぐらいのものが、4号機の使用済み燃料プールというものの底に今でも沈んでいるという。

◆愛川
じゃ、もうちょっと先生に頂いているお時間がいろいろありますから、早口になって申し訳ないんだけれど、これがこんなになっているけど、これまああれですよ。
3月11日の後の10日後の写真だそうですけどね、そうするとこれ今、上を取っちゃって、取れるぐらいだからまあ逆に言うと小出さんからお話を聞くとこれがまだこん中じゃ安全なほうだと見てもいいような…。

◆小出
違います。
それはまったく違って、3号機と4号機が今写真に写っていますが、3号機はあの骨組みすらが崩れ落ちてしまっているというのが見て頂けると思いますが、でも重要なことはですね、3号機で吹き飛んだところは、こうやって写真で見ると最上階の2階建てに見えるところが吹き飛んでいるんです。
4号機の場合には、2階建てのところも吹き飛んでいますし、更にその下の階も既に吹き飛んでしまっていて、で、最上階の2階建てに見える部分は、私たちがオペレーションフロアと読んでいるところで、クレーンとか使用済み燃料交換機とか大きなものがある、ただ体育館のような部屋なんですけれども、その下に使用済み燃料プールが埋め込まれている。
で、4号機の場合には、つまり使用済み燃料プールが埋め込まれている階が既にもう吹き飛んで壁が無くなってしまっているということで、使用済み燃料プールがそれを支えている構造体が既に破壊されてしまって、宙吊りのような状態で今ある。

◆横尾
そこに今地震が来たら、福島と同じような地震が来たり大きな余震が来たりいろんなことがありますけども、そういうのが来たら一番あの危ないっていうのは4号機…。

◆小出
そうです。私たちはそれを一番恐れているわけで、4号機は原子炉建屋が特殊な形で破壊されてしまって、使用済み燃料プールが今一番危ない状態だということが私も気が付いたし、東京電力も政府も気が付いたのです。
そこで事故直後に東京電力はすぐに使用済み燃料プールの耐震補強工事というのをやりました。
え〜、下の階に入って行くとですね、プールの底が見える、コンクリートの底が見えるんですけど、そこに下の階から鋼鉄製の柱を何本も設置してコンクリートで固めるというようなことをやったのですが、え〜、もともと放射能で汚れた現場で、ゆっくりと作業ができるという現場ではありませんでしたから、どこまでしっかり工事ができたかということも不安ですし、その鋼鉄の柱を建てられる場所というのも既に下の階の支えようとしているその下の階すらが破壊されているわけですから、全部に柱を建てることもできない、ようやくにして半分ぐらいの所に柱を建てて支えているという状態なのです。
で、まあ東京電力は、それをやったから大丈夫だと、少しぐらいの地震が来ても大丈夫だというのが東京電力の主張ですけれども、本当にそうかなというのは私は不安ですし、その4号機の使用済み燃料プールの中には、広島原爆がバラまいた核分裂生成物の中でも私はセシウム137という放射性物質が一番危険だと思っているのですが、そのセシウム137を尺度にすると、約5000発分がそこにある。

◆横尾
広島原爆の5000発分?

◆小出
はい。

◆横尾
4号機の燃料プールだけで。

◆小出
そうです。
その宙吊りになっているプールの底にそれだけある。
なんとかそれを早くしなければいけないということで東京電力がとにかく今それをやろうとしている、苦闘しているところです。

◆樋口
先生、その後始末のために、順調に行ってまだどのくらい時間がかかりますか?

◆小出
まず4号機の使用済み燃料プールから使用済み燃料を吊り出す作業が始められるようになるまでに1年かかるということです。
来年12月。その作業が始まって、1535体ある燃料を吊り出し終えるまでに、たぶん1年とか2年とか私はかかるんではないかと思います。
それから3号機の使用済み燃料プール、2号機の使用済み燃料プール、1号機の使用済み燃料プールからもまた全部を出さなければいけない。

◆愛川
え〜お話中ですが局からのお知らせを挟ませて頂いて、それじゃちょっと…。

後半:12月1日 「原発事故1年9ヶ月を小出さんに聞く」 (kinkin.tv 愛川欽也パックインニュース) 文字起こし後半

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