12月6日【ペイフォワード環境情報教室】「原発を止めるというのは別に新たな代替案を出さなくても、もう充分いい」小出裕章先生 第10回(文字起こし)

 Pay Forward 環境情報教室

2012年12月6日、8bitnewsインターネットラジオ【ペイフォワード環境情報教室】第10回目に小出裕章さんが出演されていましたので、このブログでも共有させていただきます。 以下、小出さん出演部分を文字起こししました。

▼出演者
聞き手:ロッキー沢田
ゲスト・小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)

▼文字起こしは以下。

第10回目の今日は、京都大学原子力実験所の小出裕章先生をお迎えして、今回の選挙の争点でもある原発についてのご意見を頂きました。

◆沢田
では、本日は小出先生をお招きしております。よろしくお願いします。

◆小出
はい、よろしくお願いします。

◆沢田
はい、よろしくお願いします。

◆沢田
この12月に総選挙という形になりましたが、今回は、原発というのを一つの争点にしているというのはその中ですね、ずうっと40年間原発について「反原発」という形をずうっと取られている小出先生の方に、なぜ原発がダメなのか?というところについてぜひお話を頂けますか?
原発とは何でダメなんだと、脱原発の真の意味っていうんですかね。

◆小出
私は実は「脱原発」という言葉は使わない。
私は「反原発」ですので、その根拠を聞いていただければいいと思います。
要するに、その〜、今「脱原発」を言っている政党や人々がいるわけですけれども、そういう人たちに対して原子力を推進しようとする人たちの主張というのは、そんなことを言っても現実味がないのに架空というか空想のことを言っているという、そういう批判を仕掛けてきているように私には見えるのですね。

私はでもそれでいい、それでいいというかですね、原発を止めるというのは別に新たな代替案を出さなくても、もう充分いいと思っているのです。
もう、原発なんか代替案があろうとなかろうとやってはいけないというのが私の立場ですので、推進側からの批判はもう、一蹴すればいいというふうに私は思っています。
代替案なんて、議論なんかする前に、まずは止めるということを私は主張したいし、私自身は原子力は即刻全て廃止すべきだと思っています。

なぜかと言えば、原子力に手を染めてしまうと、どうしても放射性物質を生みださざるを得ないのです。
原子力発電所の現場では、それを取り扱うことによって被ばくということが起きてしまうわけですが、その被ばくを負うのは電力会社の社員ではなくて、下請け、孫請け、さらにはもっとずっと重層化された、本当に底辺の労働者たちが被ばくを強制されてきましたし、今現在でもそうなっています。
え〜、何とか原子力発電所を安全に運転しなければいけないわけで、日常的な被ばくももちろん生じてしまう。

しかし機械ですから時には事故を起こすということで、今回の福島第一原子力発電所の事故が起きてしまっているわけですが、このような事故が起きるということは、私自身はもちろんずっと危惧をしていて、大きな事故が起きる前に原子力は止めなければいけないと言ってきた訳ですが、原子力を推進してきた人たち自身も、こういう危険があるということは承知していて、都会で電気を使うのに原子力発電所だけは過疎地に押し付けるというようなこともやってきました。
で、さらにもし、事故が全く起きないで原子力発電所がその寿命を迎えたとしても、原子力発電所自身が、今度は放射能の塊となってしまっていて、その始末をどうしていいかわかりません。

そして、ウランを燃やしてできてしまった核分裂生成物という放射能を、私たちには無毒化する術がありませんので、それをこれから10万年、あるいは100万年という長さにわたって、私たちの子どもたちの世代に押し付けていくしかないという、そういうものなのです。

もう、どこを取っても自分の責任では成し様がない、全て弱い人たちにしわ寄せを押しつけなければ出来ないというようなものな訳です。
それだけを考えても原子力にだけには手を染めてはいけないと私は思いますし、即刻廃絶してほしいと願います。

◆沢田
そうですね、本当に世代間倫理といわれることもあるんでしょうけれど、この、無毒化できないというのは、これもう原子力の始まった時から、長い歴史の中で過去60年ですか、ずーっと、ま、最新の英知を持って進められてきたけど、なかなか出来ないと。
しばらく、これからもできる見込みがないと。
この状況であるにもかかわらず、まだ推進の立場にある国がある、恥ずかしながらまだ日本という国が今そういう国になっていますけれども、これはどういう、もうこのエゴというのはいかがなもんなんでかしょうね?

◆小出
え〜、人類が一番初めに原子炉を造ったのは1942年で、米国が原爆を作ろうとして、その原爆材料のプルトニウムが欲しいということで原子炉を造りました。
すでに70年経っていて、その原子炉を造った当時から、作ってしまう放射性物質を何とか無毒化できなければ大変なことになるということは分かっていて、無毒化のための研究が続いてきたのですが、残念ながらいまだに厚くて高い壁を越えられないのです。
70年間研究して越えられない壁というものは、超えることが大変困難だと思わなければいけません。
え〜、当初から原子力発電所はトイレのないマンションと言われてきましたが、どんなに豪勢なマンションでもトイレがなければ住むことは出来ないのです。そんなマンションをつくってしまうということ自身が間違いな訳で、限りなく早く、やはり抜け出すしかないと私は思います。

◆沢田
そんな中、私どもは広島・長崎を経て、さらに今回福島第一原発という大きな事故を抱えた訳ですけれども、そこから19年カ月経って、なんとなくこの、世の中の風潮として、忘れてしまっているんじゃないかと、この放射能による健康被害について、認知が甘いところがあると思うんですけれども、この点はいかがですか?

◆小出
福島第一原子力発電所の事故を受けて、今現在はおよそ1000平方kmに及ぶ範囲、琵琶湖が1.5個入ってしまう位のかなり、ま、それだけでも広いのですが、その地域が国によって強制避難ということで、10万人を超えるような人たちが故郷を奪われてしまってます。
でも、本当のことを言えば、約20000平方kmという広さのところを、日本の法律にしたがって放射線管理区域に指定しなければいけない程の汚染を受けてしまっているのです。

しかし20000平方kmというのは、本州の1割にも達するような広大なところですので、それをもう無人にすることは出来ないと、日本の政府は考えました。
え〜、そのため、汚染地域に人々を見捨ててしまったわけで、そこで人々は今でも被ばくをしながら生活をしています。
私はそんなことは到底許せないと思いますが、捨てられてしまった人たちから見れば、独力で逃げることすらが出来ない。
そこで住む事以外に選択がないのであれば、何とか忘れてしまいたいともちろん思うだろうと思います。

そのため政府としては一刻も早くこの汚染を忘れさせるという、そういう宣伝というか、やり方に出てきているわけで、マスコミも含めて福島第一原子力発電所の報道がことどんどん少なくなってきてしまっているという事になっています。
私たちはもう一度しっかりと事実を見つめなければいけないと思います。

◆沢田
そうですね。
あの〜、本当に今回の福島の件を受けて、そういったことをですね、気付いて次に唯一起こせる行動というのが、ま、大きく力が持てるというのがまさに選挙のひとつでしょうから、今回の選挙の影響というのは本当に重要かと思いますね。

◆小出
はい、私自身はできるだけ政治には関わらないようにしてきましたけれども、もちろん政治は大変重要なことですから、みなさんそれぞれの場所でご自分にできることを考えて頂きたいと思います。

◆沢田
ありがとうございました。

▼動画

原発関連 最新書籍をチェック
(※管理費用捻出のため、もしよろしければこちらからAmazonでお買い物していただけると助かります)

コメントは受け付けていません。