12月14日 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章先生が出演/MBS1179 報道するラジオ(文字起こし)

MBS1179/報道するラジオ

2012年12月14日、MBS1179 報道するラジオに小出裕章氏が出演され、その動画がYouTubeに掲載されていましたので、このブログでも共有させていただきます。 また、以下の通り放送を文字起こししました。

▼出演者
【パーソナリティ】
水野晶子
平野幸夫
【ゲスト】
小出裕章さん(京都大学原子炉実験所)

▼文字起こしは以下。

◆水野
小出先生こんばんは。

◆小出
こんばんは。

◆水野
お久しぶりです。水野晶子でございます。

◆小出
お久しぶりでした。

◆平野
毎日新聞平野です。

◆小出
はい。どうも平野さんお久しぶりでした。

◆平野
どうもご無沙汰しております。

◆小出
はい、よろしくお願いします。

◆水野
MBSラジオとしては、9月の最後から数えて2ヶ月半ぶりのご出演となります。
小出さん、リスナーの皆さんからいろいろと小出さんに話を聞きたいんだというお声をたくさんこの間頂戴してまいりました。

◆小出
ありがとうございます。

◆水野
例えば、アントニオトトロさんという方はですね、お仕事の関係で福島県の郡山に週3回いらっしゃるんだそうです。
で、30時間から45時間ぐらい滞在するんですけど、ま、福島の方々よりは滞在時間もちろん少ないんですけど、それでもなんとなく不安なんですよ。
小出先生の話、聞きたいですわぁというお声も頂いているんです。
あの〜、今日はですね、皆さんから頂いたご質問を中心に小出さんに答えて頂こうと思うんですが、まず何より伺いたいのは、福島第一原発が今どうなっているのかです。
ま、現状を伝える情報はなかなか出て来なくなってきておりますけど、4号機のプールも含めて、どうなっているのか教えて頂けますか?

◆小出
はい、え〜、皆さんご承知だと思いますが、去年の3月11日に地震と津波に襲われて、福島第一原子力発電所が、まぁ危機的な状況に陥りました。
1号機から3号機までは、当時運転中でしたが、その原子炉はすべて溶けて落ちてしまいました。
その落ちてしまった原子炉が、未だにどこにあるかすらわからない。

◆水野
今も分からないんですか?

◆小出
はい、見に行くことはできませんし、それを知るための測定器の配置も元々ありませんでしたので、実際にはどこにあるのかが分からない、推測してこうではないか、ああではないかと思っているわけですけれども、正確には分からないという状態が続いています。
で、4号機は3月11日に定期検査中でしたので、え〜、原子炉そのものが溶け落ちるということは避け得たわけですけども、燃料全部が使用済み燃料プールという中に沈めてあった状態で事故に突入しました。
え〜、その使用済み燃料プールというのは、原子炉建屋という大きな建物の中にあるのですけれども、その建物自身が爆発で壊れてしまいまして、え〜、使用済み燃料プールが宙吊りのような状態で、今でもその場にあるわけです。
何とかして一刻も早くプールの底に沈んでいる使用済みの燃料を取り出さなければいけないとなってはいるのですけれども、使用済み燃料というのは、水面から空中に吊り上げてしまうと、周りの人がバタバタと死んでしまうというほどの強烈な放射性物質の塊になっているので、簡単に吊り出すことも出来ない、そのためには巨大なキャスクと私たちが呼ぶ容器の中に先ずは入れて、その上で吊り出さなければいけないのですが、そのためには巨大なクレーンが必要だし、巨大なクレーンを設置するためには頑丈な建物を先ず建てなければいけないということで、東京電力がその作業を急いでやっています。
ただ、その作業を始められるようになるまでに、まだあと1年はかかるというのが東京電力の説明でして、その間に大きな余震が起きないでくれたらいいなと私は願っています。

◆水野
はい、4号機のプール、いろいろと対人で手を加えているんでしょうが、それもそこのところが心配であるというのが小出先生の見方ですね。

◆小出
はい、先日も12月の7日に東北地方と関東地方でかなり大きな地震があったのですけれども、私はそのときに、あっ、大丈夫だろうかと、先ず第一にそのことを心配しました。
え〜、なんとかこれから大きな余震が起きないで欲しいと願いますし、とにかく東京電力には一刻も早く作業を進めて、使用済み燃料プールの、今、底に沈んでいる燃料を少しでも安全なところに運び出して欲しいと願っています。

◆平野
1号機から3号機はもうあまり状況はほとんどは分からないような状況が続いているんですか?

◆小出
はい、あの〜要するにまったく見に行けない、建物の中に入ることすら出来ないのです。
そのためロボットを入れたりしているのですけれども、入れたロボットがすぐにまた制御不能になってしまって、回収が出来なくなるというようなことを繰り返していまして、未だにどうなっているのか分からないという状況が続いています。
最悪の場合には溶けた炉心が既に格納容器の底も突き破って、地下水と接触してしまっているのではないかということを私は心配していますし、そうなってしまうと、汚染が地下水に乗って海に流れて行く、あるいはまたあっちこっちに広がってしまうということを防げなくなってしまいますので、え〜、何とか早く手を打たないといけないのですけれども、何と言っても人類が初めて経験している出来ごとが今進行しているのです。

◆水野
はい、え〜続いてリスナーの方々からのご質問に答えて頂きたいと思います。まずラジオネームのんこちゃんという方のご質問なんですが、
「今週、あの飯館村の、飯館村っていうのは全村避難ですね、皆さん丸ごと避難してくださいということになったわけです。
全村避難の飯館村の菅野村長が、2014年秋に村に帰ろうという帰村宣言を出すと見通しを示しました。
これって可能なんでしょうか。
皆さんで帰れるんでしょうか」
というご質問です、いかがでしょう?

◆小出
え〜、たいへん難しいご質問です。
え〜、放射能というのは目に見えません。
飯館村というのは、原子力発電所から1銭のお金も貰わないで、自分たちの村をいい村にしたいとして、村民たちがずうっと努力をしてきて、日本一美しい山村という村に作り上げた村なのです。
皆さんそれぞれ生活を持って自分の村を築いてきたわけで、何としても帰りたいと思われてると私は思いますし、その気持ちは痛いほど分かる気持ちでいます。
ただし、飯館村は放射能で汚れてしまっているのです。
で〜、色が付いていればいいなと思いますけれども、放射能は目に見えませんし、汚れていてもそれを感じることが出来ないという状態なのです。
で、今日本の国は、1年間の外部被ばくによる被ばく量を20ミリシーベルトを越えなければ帰ってもいいというようなことを言っているわけですけれども、20ミリシーベルトというのは、私のような極々特殊な、放射能を取り扱う仕事に従事している人間、それに許された限度なのです。
一般の人々にそんな被ばくを許すということは、あってはならないと私は思いますし、ましてや子どもたちにそんな限度を許すべきではないと、私は思います。
そして、子どもが帰れないような村であれば、その村はやはり復興できないと思わなければいけないと思いますし、飯館村の方々には私はたいへんお気の毒だし言いにくいですけれども、帰らないで欲しいと願います。

◆水野
はい…、え〜、続いて今度は瓦礫の受け入れの話なんですけれども、ラジオネームひらのん先生という方なんですけれども、この方は岩手県で教員をなさっていた方なんだそうです。
で、あの〜、「岩手で瓦礫の山を目の当たりにしていました。
で、大阪の瓦礫の受け入れというのは、大阪が瓦礫を受け入れてくれはるのは嬉しく思うんです。
しかし、私は大阪で子どもたちを守る立場に今いますと。
で〜、焼却した灰を夢島に埋め立てるということなんですが、ま、これ基準値よりも下回っているという濃度であったとしても、大量に埋めて行けば大阪湾に埋まったものが溜まって海が汚染されるということではないんでしょうか?
被災地だけでなく、大阪の子どもも守って欲しいと思っているんですと」、
という風にこの大阪の瓦礫の受け入れについてお尋ねなんですがいかがでしょうか?

◆小出
はい、皆さん難しいことばっかりご質問なんで…。

◆水野
皆さん本当に悩んで小出さんに意見を聞きたいんだと思っていらっしゃるんだと思います。

◆小出
はい、元々瓦礫というものは、もし放射能で汚れているのだとすれば、全国に拡散してはいけません。
それぞれの瓦礫のある場所で、専用の焼却施設を作って焼くということが一番原則に則っていることだと思いますし。

◆水野
専用の焼却施設をその場に造って、その場で処理するべき?

◆小出
はい、そして出てきた焼却灰は、猛烈に放射性物質を濃縮していますので、それは全国各地で埋め捨てにするというようなことはやってはいけません。
ですから、大阪府が、大阪府大阪市が瓦礫を受け入れて、それを大阪で埋めてしまうということは、私はやってはいけないと思います。
現地で焼いて、現地、あるいはどこか1ヶ所に集めて、専用に保管をするというやり方がいいと私は思います。
え〜、ただし、今岩手の方がご質問をくださったということなんだそうですけれども、岩手、宮城、福島、茨城、とうとう瓦礫が山積みされてしまっていまして、放置しておくということは、現地の子どもたちを被ばくさせてしまうということになりますので、一刻も早く手を打たなければならない課題ですし、全国で引き受けることはやむを得ないかもしれないと私は発言をして、皆さんから怒られてきました。
ただし、え〜、引き受けるにしても、焼却施設にきちっとしたフィルターを取付けるということが最低限の条件ですし、出てきた焼却灰は、それぞれが引き受けるということではなくて、1ヶ所に集めて保管するという道筋を付けなきゃいけないと私は思います。

◆水野
ま、そのフィルターを付けるとかなりの汚染物質は取り除くことはできるんですか?

◆小出
はい、出来ます。
え〜、それは私も京都大学原子炉実験所というところで、放射性物質を取り扱って仕事をしていますが、それぞれの現場に適したフィルターを取付ければ、環境をゼロでは、もちろんゼロにするということは出来ませんけれども、限りなくきれいに放射性物質を抑えるということは出来ます。
ですから、それをまずやるということが大前提で、それをやった上で焼却灰を1ヶ所に集めるということをやって欲しいと願います。

◆水野
はい、では次のご質問行かしてください。
今度はラジオネームタマネギちゃんという方でございます。
「原発を停めてしまうと、直ちに電気が足りなくなって、経済に影響すると言っている人もいますがというメール頂きました。
この原発を停めた場合ですが、使用済み核燃料の処分地や処分方法が決まらない現状で、核燃料サイクルの計画を断念すれば使用済み燃料や高レベル放射性廃棄物の行き場がない。
だから、核燃料サイクルの計画を今放棄するのは無責任だという考え方もありますよね。
どう思われるでしょうか?」ということなんです。
いかがでしょうか?
小出さん、今すぐ原発も核燃料サイクル計画も止めた場合に、使用済み核燃料はどうするべきだと思われますか?

◆小出
どうしようもないのです。

◆水野
どうしようもない。

◆小出
はい。

◆水野
はぁ〜。

◆小出
要するに私たちは原子力というものをやってしまったわけですが、やってしまうと核分裂生成物という放射性物質が出来てしまうのです。
避けようがなく出来てしまうし、それを無毒化する手段を私たちは持っていないのです。
え〜、そのため原子力発電ていうのは、トイレの無いマンションと呼ばれてきました。
リスナーの方々の中にも、結構豪華なマンションにお住まいの方がいらっしゃるかも知れませんけれども、トイレが無ければマンションには住めないのです。
そんなマンションは造ってはいけない筈だったのですが、いつかトイレが出来るという風に期待してしまって、今日まで来たのですけれども…。

◆水野
今おっしゃったトイレという一つの比喩が核燃料サイクル、グルグル回して行く、そうしたものだと思っていいんですか?

◆小出
え〜、核燃料サイクルというのはですね、説明をしようと思うとたいへんな時間がかかると思いますが(すみませんね本当に)、あの〜、生み出した放射性物質のうちの極々一部のプルトニウムというものを取り出して、それをまた原子力発電所の燃料にしようとするそういう計画が核燃料サイクルでした。
でも、それはまったく夢の夢で出来ないのです。
はい、それはもう政府のほうも断念していて、高速増殖炉という原子炉、もんじゅという原子炉があって、核燃料サイクルの要だったのですけれども、それがもう機能しないので、いずれにせよもうそれは止めるということを政府自身が決めているのです。
ですから、核燃料サイクルが実現できるなんていうことはもう元々ないのです。
あとは生み出してしまった放射能をどうするのかということが今残っていて、たいへん申し訳有りませんが私も実は分からないのです。
しかし、これからもし原子力をやってしまえば、どうしていいか分からないゴミがどんどんどんどん増えてしまうという、そういうことになってしまうわけですから、一刻も早くそういう選択は止めて、少なくてもこれまでに作ってしまった放射能、それだけを何とかしなければいけないというその深刻な課題に向き合うべきだと私は思います。

◆水野
でも、この核のゴミというのは、とにかく今あるわけで、それを何とかしなきゃいけないということはいずれにしてもありますよね。
具体的にどこにどうするんですか?

◆小出
はい、日本の国は、それをどこか国内で埋め捨てにしようとして、地方の財政が困窮したところに行って、お前のところに埋め捨てさせろと言って、これまで20年ぐらいに渡って探してきたのですけれども、どこの自治体もそれだけはイヤだと言って、受け入れることを拒んできました。
結局日本国内に埋め捨てる場所もないままここまで来てしまいまして、今日本の国は、それをモンゴルに持って行って埋め捨てしようというような計画まで出してくるということになっています。
私はたいへん恥ずかしい国だと思います。

◆水野
埋め捨てるとおっしゃいましたが、これは地面の中に眠らせるという意味ですか?

◆小出
え〜、これまでの計画で言えば、300メートルから1000メートルの深い穴を掘って、そこに埋めてしまおうという案が、日本の国が作った唯一の案として、既に法律で決められています。
ただし、埋め捨てにしてそこにずうっと居て欲しいわけですけども、そこに居て欲しい時間の長さが10万年から100万年という長さなのです。

◆水野
無害になるまで。

◆小出
はい、無害にはならないのですけれども、元々はウランというものを掘り出してきて、原子力に使っているわけですけれども、ウランが持っている放射能と同じレベルに減るまでには10万年から100万年と言っているのです。
でも、そんなこと出来る道理が無いわけで、今年の9月に日本学術会議という学者の国会のようなものがあるんですが、その機関がそれはやはり正しくないと、埋め捨てにしてしまっては取り返しがつかないので、何10年何100年かわからないけれども、私たちの目の黒いところで監視できるような形で保管をするしかないという提言を出したところです。

◆水野
どうやって保管するんですか?

◆小出
これもよく分からないのですが、ま、建屋を建てる、あるいは比較的浅い地下に保管の施設を作って、そこに核分裂生成物、放射能の塊をとにかく入れて環境に漏れて来ないようにずうっと監視をし続けるということしかたぶん出来ないと思います。

◆平野
これもあの地震列島を考えれば危険ですよね。

◆小出
そうです。
日本という国は、世界の1割2割の地震が起きるという、そういう地震国なわけで、地上に大丈夫だろうという建物を作ったとしても、それすらがやられてしまうという危険はあるわけですから、どんなことをやっても完璧だという手段はもう無いのです。
ですから、たいへん困った状況に今私たちは追い詰められているわけで、これ以上毒物を作らないということをまずは決断しなければいけないと思います。

◆水野
ん〜、再処理をしない、止めたら、なんつうんですか、さささ再処理してもしなくても毒物はずっとあるわけですよね。

◆小出
そうです。

◆水野
だけど、再処理を諦めてしまうと、余計困ったことになるというのは、やりようが見つからないという意味なんですか?

◆小出
え〜、再処理というのはですね、何か皆さん、再処理をすると放射能が消えてくれかと受け止めているかもしれませんが(そういうイメージがある…)、再処理という作業は、出来てしまった放射能の中から、プルトニウムという原爆材料を取り出すという、ただそれだけのためだし、それ以外のことが何も出来ないのです。
で、取り出して、プルトニウムという物質を取り出してしまうと、それは今聞いていただいたように原爆材料なのです。
で〜、日本の国は高速増殖炉という原子炉で燃やすんだ、燃料にするんだと言ってきたわけですけれども、その高速増殖炉は全然動かないわけですから、取り出すこと自身にまったく意味がありませんし、取り出してしまうと原爆材料を抱え込んでしまって、それもまたどうしていいか分からないということで、国際的に非難も受けているわけです。
ですから、まずは再処理なんかしてはいけないのです。
再処理なんかすればするだけまた余計な困難を抱えてしまうということになります。

◆水野
はい、次はラジオネームたねまきさんという方のご質問なんですけども、「復興予算の中から核融合研究費が160億円執行済みやという報道を見ました。この熱核融合、レーザー核融合推進って何ですか」って、何ですか?

◆小出
ふふっ、そうですね、今私たちは原子力というものに手を染めています。
それはウランを核分裂させてエネルギーを取り出そうという試みですけれども、ウランを核分裂させたものは原爆です。
ですから、原爆に使った技術をエネルギーを取り出すために使おうとしているのが現在やっている原子力発電所です。
では、核融合というのは何かというと、水爆です。
原爆はウランの核融合(核分裂の誤りかな?)だったわけですけれども、水爆というのは水素、あるいはリチウムというような特殊な原素があるのですけれども、そういうものを分裂させるのではなくて、融合させてエネルギーを取り出すという爆弾が水爆だったのですけれども、それを地球のどこかで実現させて、水爆のエネルギーを取り出そうという試みが核融合というもので、熱核融合、あるいはレーザー核融合、あるいは常温核融合といろんなことが言われてきましたけれども、言われてきただけで、まったく実現の見通しがありません。
少なくても21世紀中に核融合が地球上のどこかで実現出来ると思っている科学者は誰一人として居ないと私は思います。
え〜、この日本という国で、原子力発電所の事故が起きて、人々がたいへん困難な状況に突き落とされている中で、そのための復興予算というものは本当に必要なお金の筈なんですけれども、そんなお金を核融合研究に使うなんていうことは、私は犯罪とでも呼ぶべきだと思います。

◆平野
先生、これ国立大学のその専門学部で核融合を専門的に研究しているところ結構多いですよね。

◆小出
はい、あります。
あんまり多くはない…。

◆平野
多くはない、大阪大学なんかそうじゃないんですか。

◆小出
はい、大阪大学はレーザー核融合というものをずうっと研究を続けてきているのですけれども、レーザー核融合というものはこれまでやってきた核融合研究の中ではむしろ異端なのです。
え〜、所謂正統派の核融合研究というのはトカマクという核融合反応を実現しようとしていまして、現在はイーターという国際的な核融合の実権装置を作ろうとして、EUとあとは米国、ロシア、日本、韓国、インド、中国という6カ国、EUプラス6カ国が集まって熱核融合反応炉というものを作ろうとしているのです。
そのために核融合研究のほとんどの勢力はそこに集まっていて、何とかしようとしているのですが、それすらが今聞いて頂いたように、21世紀中に実現出来るという見込みはほとんどありません。
で、大阪大学のレーザー核融合は、それよりももっともっと実現の可能性が低いという、というものです。

◆水野
じゃ、最後に短くお答え頂きたいんですが、ラジオネームトミーさんという方が、
「福島第一原発事故における海洋汚染について教えてください。」
ま、海の放射能って希釈されるね、薄くなっていくと言われてますけど、今どうなんでしょうか?

◆小出
はい、もちろん海も汚れています。
で、まずは空気中に大量の放射能が出て、地球全部に福島第一原子力発電所から放出された放射能が大気中にバラまかれて広がってしまっています。
そして、一部の、バラまかれた放射能の一部は陸に落ちて、所謂固体として、今、大地を汚してしまっていて、それによって福島周辺の人たちが被ばくをし続けているという状況にあるわけです。
ですから、気体と固体というのは既にどうしようもない状態であるわけですし、あとは液体として海に流れて行っているものが、今汚染を広げているのです。
え〜、福島、あるいは宮城、岩手もそうですけど、瓦礫が太平洋を流れて米国にたどり着いた、カナダにたどり着いたともう既になっているわけですけれども、放射能も同じように何ヶ月、あるいは何年という単位を経ながら、太平洋全体に広がっていくわけです。
え〜、そして、陸上であれば、例えば野菜はそこで採れるわけですけれども、海というのは魚が泳いでいるわけで、例えば福島の周辺で汚染された魚も、宮城、岩手、北海道、あるいはまた茨城、千葉という風にどんどん泳いでいってしまっているわけで、汚染はこれからどんどんどんどん広がって行ってしまうし、今現在、私が陸上で心配しているのはセシウムという放射性物質だけ、だけと言うのは言い過ぎかもしれないけれども、主要にはセシウムだと私は思っていますが、海の汚染の場合にはこんどはストロンチウムという、セシウムに比べてまた毒性の強い放射性物質に対しても注意が必要になるだろうと思っています。
ただ、ストロンチウムの毒性って言うものはたいへん難しいので、これからどこまで測定して、データが公表されてくるのかというそのこと自身も心配です。

◆水野
ストロンチウムの毒性を一言で教えていただくと、どのようなものでしょう?

◆小出
はい、え〜、ストロンチウムというものはカルシウムと同じような挙動を化学的には取りますので、骨に蓄積してしまいます。
一度骨に蓄積してしまいますと、もう排泄することもなくて、ずうっと体内に留まってしまうと言うことになりますので、生物学的な毒性ということを考えれば、セシウムの何倍も危険が高いという放射性物質です。

◆水野
いろいろと教えて頂いてありがとうございました。
また、リスナーの方々からのご質問お寄せ頂いておりますので、このような機会でこの番組でお答え頂きたいと思います。
本当にどうもありがとうございました。

◆小出
はい、ありがとうございました。

◆水野
京都大学原子炉実験所助小出裕章さんに伺いました。

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