1月26日 石棺で覆う前に、まず使用済み燃料を取り出すということが絶対的に必要/ラジオ・フォーラム「小出裕章ジャーナル」文字起こし

小出裕章ジャーナル

2013年1月26日に放送された「ラジオ・フォーラム第3回」番組での「小出裕章ジャーナル」の内容を文字起こし致しました。

【主なお話】
「福島第一原発について、もっとも危険な状態にあると言われる4号機の現状と、事故収束への展望など」

【パーソナリティー】
今西憲之(ジャーナリスト)

【ゲスト】
吉富有治(ジャーナリスト)

【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)

▼ラジオ・フォーラム
http://www.rafjp.org

▼文字起こしは以下。

ここからの時間は、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんに登場していただきます。

◆今西
さて、小出裕章ジャーナル、今日もお電話が繋がっています。
もしもし小出さ〜ん。

◆小出
はい、お世話になります。

◆今西
第1回目の放送終わりましてですねぇ〜、たったくさんの質問が寄せられましたぁ。

◆小出
はい。

◆今西
本当に反響が大きくてですねぇ〜。

◆小出
はい。

◆今西
ありがたいもんだなぁと思っておりますぅ〜。

◆小出
はい。

◆今西
そいで、小出さん、今日はですねぇ。

◆小出
はい。

◆今西
たね蒔きジャーナルにもよく出演されていたジャーナリストの吉富有治さんをですねぇ。

◆小出
はい。

◆今西
お招きしてぇ、放送をですねぇ、お送りしておりますぅ。

◆小出
はい。

◆吉富
はい、吉富です。
よろしくお願いします。

◆小出
はい、吉富さん、よろしくお願いします。

◆今西
たぶん番組でも何度かぁ、電話を通じてかもしれませんがぁ。

◆小出
はい。

◆今西
ご一緒されていると思うのですがぁ。

◆小出
はい、はい。

◆今西
まず、私のほうからぁ、小出さん、質問させていただきますぅ。

◆小出
どうぞ。

◆今西
福島第一原発のですねぇ、現状についてぇ、前回私の担当した回では、いろいろ、お、お伺いしたのですがぁ。

◆小出
はい。

◆今西
やはり、現状の福島第一原発の中でですねぇ。

◆小出
はい。

◆今西
とりわけ危険性が高いぃ、とですねぇ、見られておるのがですねぇ。

◆小出
はい。

◆今西
4号機ではないかなぁと、気がするのですねぇ。

◆小出
はい。

◆今西
というのもですねぇ、地震津波のときにはですねぇ、4号機はですねぇ、運転されていませんでしたよねぇ。

◆小出
そうです。

◆今西
ということはぁ〜、使用済み燃料棒などはですねぇ、プールに保管されったということになりますねぇ。

◆小出
そうです。
原子炉の炉心の中には、1体も無くて、すべてが使用済み燃料プールというプールの底に移されていたときに事故になりました。

◆今西
現在、東京電力から発表されているところによりますと、使用済み燃料棒と、未使用のものも含めて、1533本というですねぇ。

◆小出
そうです。

◆今西
数がぁ。

◆小出
はい。

◆今西
プールに保管されているということですけでども。

◆小出
そうです。

◆今西
私はですね、実際に、福島第一原発の中に行きですねぇ。

◆小出
はい。

◆今西
この4号機〜、ばっ、爆発で吹っ飛ばされた4号機を目の当たりにしましたぁ。

◆小出
はい。

◆今西
そのときに、この燃料棒プールがですねぇ、今も、外気に触れたままになっているとぉ。

◆小出
はい。

◆今西
いうところで。

◆小出
はい。

◆今西
ここ、は、一番危ないんやないかなと。

◆小出
はい。

◆今西
思えてならないんですけれども。

◆小出
はい。

◆今西
その辺りについて、先生いかがでしょうか。

◆小出
はい、まあ1号機から3号機までの燃料は、既に溶け落ちてしまっているわけで、今のところ、すぐに手をつけることすらもできません。

◆今西
はい。

◆小出
え〜、4号機の使用済み燃料は、現時点ではまだプールの底に形を止めた状態で止まっていますので、それが溶け落ちてしまうより前に、一刻も早く、安全、少しでも安全なところに移さなければいけな、いけません。
ですから、何よりも急ぐ作業に該当します。

◆今西
その中でですね。

◆小出
はい。

◆今西
やはり、4号機のですねぇ、耐震性、もう1回地震来たら、どないなりますねん、というところが、非常に大事かなぁと思うんですねぇ。

◆小出
はい。

◆今西
コンクリートというのはですねぇ、劣化してきます。

◆小出
はい。

◆今西
それはぁ、昨年のですねぇ、笹子トンネルの事故、などでもですねぇ、コンクリートは劣化するというようなことがですねぇ。

◆小出
はい。

◆今西
ありましたぁ。
4号機、本当に大丈夫なんかなぁ、とぉ、思えてならないんですけども。

◆小出
はい。

◆今西
小出さん、その辺りどのように見られていますか。

◆小出
私は、建築の専門家でもありませんし、耐震設計の専門家でもありませんけれども、少なくても現場の映像とかを見る限りはですね、建屋そのものが激しく破壊されています。

◆今西
はい。

◆小出
東京電力は、不安があるからということで耐震補強工事をやったと言っているわけですけれども、ゆっくり慎重に工事が出来るような現場でもありませんし、どこまで耐震補強工事が出来たか、私は不安に思っています。

◆今西
吉富さんね。

◆吉富
はいはい。

◆今西
原子力安全基盤機構というところがあるんですね。

◆吉富
はい。

◆今西
この4号機の耐震性について、どうなのかという不安が、巻き上がった、湧き上がったときにですねぇ。

◆吉富
ええ。

◆今西
今の機構がですねぇ、耐震性大丈夫やというお墨付きを出したんですねぇ。

◆吉富
はあぁ…。なるほど。

◆今西
け、けども、この原子力安全基盤機構というのもですねぇ、原子力ムラのいわば一員であるわけですねぇ。

◆吉富
なるほどなるほど。

◆今西
その中での、お墨付きっていうのは、小出さん、大丈夫かなぁって私は思えてならないんですがぁ。

◆小出
うふっ。
もちろん私も不安です。
安全基盤機構は、今、今西さんがご指摘くださった通り、原子力ムラのある一角に、まあある組織ですので、原子力ムラの内部同士で、お互いを支え合っているわけです。
え〜、そういう方々がお墨付きを与えたところで、不安が消えるわけでは無いと思います。

◆今西
昨年のですねぇ〜、7月だったと思うんですがぁ〜、4号機からですねぇ、未使用の燃料棒をですねぇ、こう実験的に取り出すような作業が行われましたぁ。

◆小出
はい。

◆今西
そのときにですねぇ、え〜こういろいろとぉ、取材をしてるとですねぇ、い、いろんな人手とか機械繰りの関係ででしょうか、1日1本しか、燃料棒が取り出せない。

◆小出
はい。

◆今西
ということが、わかってきました。

◆小出
はい。

◆今西
1500本以上ある燃料棒をですねぇ、え〜、取り出すにはですねぇ、よ、4年も5年もかかるような計算になってしまうわけですけれども〜。

◆小出
ふふっ…、はい。

◆今西
小出さん、こんなことで大丈夫なんですかねぇ。

◆小出
え〜っと、未使用の使用済み燃料というのは、プールの水面から空気中に吊り上げたところで、周辺の人々が、強い被ばくをするという危険はないのです。

◆今西
はい。

◆小出
そのため、2体の使用済み燃料を、とにかくまあプールの水面から上に引き出すことが出来たわけですけれども。

◆今西
はい。

◆小出
使用済みになってしまった燃料のほうは、猛烈な放射性物質の塊になっています。
え〜、そのため、空気中に吊り上げること自身が実はできない、のです。

◆今西
ということは水中の中で作業をしなければいけないということなんですね。

◆小出
そうです。
まずは、あの〜、プールの底に、キャスクと呼ぶ巨大な容器をですね、沈めます。
およそ100トンある鉛と鋼鉄の塊ですが、その容器を沈めて、プールの底で使用済み燃料をそのキャスクの中に入れて、蓋をした上でキャスク全体を吊り上げるという、そういう操作になります。
一つのキャスクの中に、え〜、10体、あるいはもう少しの使用済み燃料が入ると思いますので、え〜、回数としては1本1本吊り上げるよりは、少ない回数で済む筈です。

◆今西
ただそのキャスクもかなりの重さになると思うのでぇ。

◆小出
はい。

◆今西
かなり慎重に慎重を期した作業になるということなんですか。

◆小出
もちろんです。
たいへんな作業ですので、既に4号機の使用済み燃料プールの中には、大量の瓦礫が崩れ落ちてしまっています。
まず、その瓦礫を撤去しなければいけませんし、え〜、おそらくは一部の燃料集合体は、損傷していると思いますので。

◆今西
はい。

◆小出
その損傷したものが本当にきっちりキャスクに入るかどうかということも、よく分かりません。
え、作業の途中で集合体を落とすようなことになるとまた放射性物質が吹き出してきてしまいますので、本当にたいへんな作業になるだろうと思います。

◆今西
そこでも想定外ということがね、起こり得るということですねぇ。

◆小出
はい、あの〜起こるだろうということがあると思っていたほうがいいだろうと私は思います。

◆今西
なるほど〜。
小出さん、次は吉富さんのほうから質問があるということで聞いていただきます。

◆小出
はい。

◆吉富
あの、吉富でございます。

◆小出
はい。

◆吉富
よろしくお願いします。

◆小出
よろしくお願いします。

◆吉富
今の福一にちょっと関連するんですけれども。

◆小出
はい。

◆吉富
非常に基本的なことなんですけども〜。

◆小出
はい。

◆吉富
その、まあ1号機2号機ですね、これの炉心、まあ燃料棒が溶けているということですが。

◆小出
はい。

◆吉富
そこのキャスクですか、それが被せることが出来なかった場合ですね、そのチェルノブイリみたいにですね、その〜、あそこの4号機までこう石棺でですね、鉛で覆わなきゃだめなことになるんですかね。

◆小出
おそらく、最終的には、1号機、2号機、3号機は石棺で覆うことになると思います。
4号機はちょっと今どうなるか分かりませんが、プールの底に沈んでいる使用済み燃料を、全部取り出すことが出来るのであれば、4号機の石棺は免れるかもしれません。

◆吉富
なるほど。

◆小出
1号機から3号機はいずれにしても石棺で覆わなければいけませんが、覆う前には、1号機から3号機にも使用済み燃料プールがあって、その中にまだ使用済み燃料がまだ沈んでいますので。

◆吉富
そうですね。

◆小出
まずそれを取り出すということが絶対的に必要になります。

◆吉富
あ、それ取り出すのは絶対条件なんですね。

◆小出
はい。

◆吉富
そうするとそれが取れなかったら、あの〜、石棺で覆っても意味が無いということですか。

◆小出
そうです。

◆吉富
はぁ〜。

◆小出
ええっと、覆ってしまいますと、冷却もできなくなってしまいますので、え〜、溶け落ちてしまったものがどう出来るかということは今のところ分かりません。

◆吉富
はい。

◆小出
東京電力のほうは溶け落ちてしまった燃料もつかみ出したいと言っていますが、たぶん私はそれは出来ないと思います。
ただし、使用済み燃料プールの底に沈んでいる燃料に関しては、必ず取り出さなければいけません。

◆吉富
なるほど。

◆小出
はい、そのために何年かかるか、10年かかるのか、どうなのかが分からないというような状態になっています。

◆吉富
分かりました。
もう1点教えてください。

◆小出
はい。

◆吉富
私あの〜、あのときどき大飯町のほうにですね、あのまっ、原発とは関係なしにですね、取材さしてもらっているんですが。

◆小出
そうですか。はい。

◆吉富
そこで、その向こうの大飯町の議員さんたちとよく話すこともあるんですね。

◆小出
はい。

◆吉富
で〜、あちらの方は、その町会議員の方々はですね。

◆小出
はい。

◆吉富
うちの原発は、大飯原発は止まったらですね、え〜、関西には電力は供給できなくなると。

◆小出
はい。

◆吉富
ということをしきりにおっしゃいます。
これはもう電力会社もそういう風に言っている。

◆小出
はい。

◆吉富
で、実際今ですね、活断層の問題がありますね。

◆小出
はい。

◆吉富
で〜、ひょっとするとあれが活断層だと認められた場合、大飯原発は停止っていう可能性も出てきます。

◆小出
そうですね。はい。

◆吉富
ただ、ですね、去年でしたか、夏、とりあえず原発ゼロでもですね、節電すればですね、あの〜、電力はなんとか賄えるっていうことは一応証明されたわけですが。

◆小出
はい。

◆吉富
例えば今、ストーンとですね、原発がゼロになっちゃうと、大飯原発が、高浜、美浜を含めて。

◆小出
はい。

◆吉富
その場合ですね、え〜、電気料金の値上げ無しでですね、安定した供給っていうのは、関西電力は出来るんでしょうかね。

◆小出
安定した供給はもちろんできます。

◆吉富
できます。

◆小出
原子力発電所なんか1基も動かさなくても、電力供給に何の支障もありません。

◆吉富
何の支障もない。

◆小出
はい、要するにこれまで止めていた火力発電所をきちっと保守して、動くようにすればいいだけです。

◆吉富
これは電力料金の値上げも無しで行けるっていうことなんですか。

◆小出
電力料金はひょっとすると値上げということがあるかもしれませんけれども、元々原子力発電というものが一番高い発電方法なのです。

◆吉富
なるほど。

◆小出
ですから、一刻も早く足を洗うことが、全体的に言えば、電気料金が安上がりで済むという方策になります。

◆吉富
なるほど。
分かりました。
ありがとうございます。

◆小出
はい。

◆今西
小出さん、今日も忙しい中、どうもありがとうございました。

◆小出
いいえ、こちらこそありがとうございました。

◆今西
以上、小出裕章ジャーナルでした。

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