2月6日【ペイフォワード環境情報教室】「核融合は水爆の原理を使ってエネルギーを取り出そうということ」小出裕章先生 第17回(文字起こし)

【ペイフォワード環境情報教室】

2013年2月6日、8bitnewsインターネットラジオ【ペイフォワード環境情報教室】第17回目に小出裕章さんが出演されていましたので、このブログでも共有させていただきます。 以下、小出さん出演部分を文字起こししました。

▼出演者
聞き手:ロッキー沢田
ゲスト・小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)

▼文字起こしは以下。

第17回目の今日は、京都大学原子炉実験所の小出裕章先生をお迎えして、岐阜県土岐市で、核融合科学研究所が計画している重水素実験について、お話をお伺いしました。

◆沢田
本日は、京都大学原子炉実験所の小出先生をお迎えしてます。
小出先生、よろしくお願い致します。

◆小出
はい、よろしくお願いします。

【核融合について】

◆沢田
あの〜、今年に入りましてですね、岐阜県になりますけども、土岐市で文部省所管の研究機関、核融合科学研究所が計画している重水素実験に対してですね、放射性物質の安全管理などに不安を抱く母親たちからの反発が強まってるといったようなお話がありまして、実際に多治見ですね、多治見市になりますけども、こちらのあの〜方々から、岐阜県知事に対して、あの申入書というものが1月18日に出されたりしております。
まずそもそも核融合科学研究所での重水素実験、こちらどういったものなんでしょうか。

◆小出
はい、まず核融合というものの説明をさせてください。
え〜、もともと人間は、さまざまな形でエネルギーというものを得てきました。
始めの頃は薪を燃やしていたり、木を燃やしていたりしたわけですが、それから石炭を燃やし、石油を燃やし、更にはウランを核分裂させるというようなことまでやってきたわけです。

え〜、しかし、ウランという資源、まぁ原子力の資源というのは、地球上にあまり豊富にあるわけではないので、ウランは容易に枯渇してしまうということが既に分かっています。
何か、普通の皆さんは、え〜、ウラン、原子力というものが、かなり豊かなエネルギー資源だと思って来られたと思いますが、実はそれがまったくの誤解で、え〜、普通原子力と呼んでいるものは、エネルギー資源として、ほとんど役に立たないのです。

え〜、そこで、え〜、じゃあ次はどうするのかということで、え〜、ウランの核分裂ではなくて、今度は核融合という反応を使えないかということに思い至りました。
え〜、核分裂というのは元々は原爆という形で人類の前に姿を現した技術で、原爆を、ま、管理しながら、エネルギー源にしようとしているのが、現在の原子力発電です。
核融合のほうは、原爆ではなくて、え〜、更に巨大な水爆という爆弾を人類は作ったことがありますし、今でもあるのですが、その水爆の原理を使って、え〜、エネルギーを取り出そうということです。

え、水爆のまあ反応を支えてるのが核融合反応というものなのですが、その反応は実は太陽で起きている反応です。
え〜、ですから、核融合というものを地上で実現してエネルギー源にしようということは、地上に太陽を作り出すという、そういう試みです。

え、たいへん難しい技術でして、え、もう今から50年60年前から、構想自体はあって、え、簡単に出来るというように、まあ当時は言われたのですが、やればやるだけ難しくて、え〜、10年経つと実現年度が2倍に伸びてしまうというように、猛烈な勢いで、え〜ん、実現可能性が遠のいていってしまっています。
え、今現在で言えば、21世紀中には実現出来ないだろうと、ほとんどの核融合研究者は思っている筈だと思います。

それでも、何とか人類の未来を核融合エネルギーで取り出せないかと考えてる研究者というのはもちろん居るわけで、え〜、日本の場合には、日本原子力研究所、現在は日本原子力研究開発機構というところで、え〜、一部研究をしていますし、今問題になっている核融合研究所というところでも、え、研究をしているということです。

え、そして、核融合研究所で、今度は少し新しいというか、進んだ実験をしようとしているわけですが、え〜、そのときにトリチウムというものを使おうとしています。
え〜、つまり燃料にトリチウムというものを使おうとしているのですが、トリチウムというのは水素です。
水素というのはもう皆さんご存知だと思いますが、水を作っている基本的な元素でして、H2Oというのですね。
もう環境にはもうどこにでもありますし、人間のからだなんかほとんど水なわけですから、私たちが慣れ親しんできた元素です。
え、ただし、自然にある、天然にある水素というのは、まったく放射能を持っていないのです。
しかし、トリチウムというのは放射能を持った水素でして、え、それを実験に使おうということをやろうとしています。
え〜、放射能ですから、もちろん危険を伴いますし、トリ、水素というのはたいへんその閉じ込めが難しい、捕まえることが難しいという元素ですので、実験を開始すれば、なにがしかのトリチウムが環境に漏れてきて、周辺の人々を被ばくさせるということになってしまいます。

【核融合研究所の危険性について】

◆沢田
そうですか。
そういったトリチウムをはじめ、また中性子の話、もしくは放射性物質がまた出ると、例えばトリチウムで言うと95%捕獲予定していますと、いうようなことをお話されていると、いうようなことがあったり、中性子が出ます、しかし、微量ですと、いうな説明があったりだとか、その辺について、あの〜説明はいただいたものの、それで私たちが納得出来るようなものなのか、それとも、はたまた危険なものなのかということはいかがなんでしょうか。

◆小出
え〜、もちろん放射能はあらゆる意味で危険ですから、95%捕まえるということは、5%は外へ出しますということですので、危険は必ずある、のです。
え〜、ただし、その危険が周辺の住民の方にとって、とても大きいかと問われてしまうと、私はそれほど大きくはないと思います。

というのは、現在、核融合研究所でやろうとしている研究は、本当にそのプリミティブな、まあ基礎的な実験なのであって、取り扱うトリチウムの量も、まあ、私なんかから見ると、かなり少ないものですし、え〜、そのうち何%か漏れてくるということであって、え〜、たいした危険ではないと、私は思います。

ただし、え、今聞いてくださったように、中性子という放射線も飛び出してきて、実験装置全体が放射能の塊になっていってしまうということもありますので、いずれにしても危険がゼロということではないと、いうことはもちろん核融合研究所も承知している筈ですし、え〜、皆さんも承知しておくべきだと思います。

◆沢田
そうですか。
こういった中で、ま、このエリア自体がですね、2キロ圏内ぐらいに小中学校があるような、まあ住宅地ですというところでもちろん大きな危険性か小さな危険性かって、この危険性の高を測ることはたいへん難しいことであるんですけれども、また福島の事故自体があのまだまだ収束していない中で、敢えてこうやって、あの〜、こういう実験をですね、まだまだして来ようというのは、まだこの夢のエネルギーというところに、まだあの幻想があるのでしょうかね。
というのは、こちら放射性物質に関する無毒化の話で、まあ先生もずっとお話されていますけれども、こちらについても、ずうっとあの処理方法がないっていうのが、ずうっと延々と延期されてきているわけですけども、同じことがずうっと繰り返されようとしています。
で〜、そんな中で今回、市民の方々、一生懸命。まあそのやっぱりこういうところに市民がしっかり声をあげてこうということで動かれてるかと思うんですけれど、今後どういう形で反対してく、もしくは声をあげていったらいいもんなんでしょうか。

◆小出
え〜、私は現在進んでいる核分裂を利用する原子力発電にも反対ですし、え〜、核融合というものをエネルギー源とするということにも反対なのです。
え〜、ですから、そういうことを研究するということにももちろん反対ですし、え〜、出来る限りやらないやらないほうがいいと思います。
え〜、ですから危険が大きい小さいという議論はあるかもしれませんけれども、研究そのものをやるべきではないと私は思っていますので、え〜、核融合研究所に対する反対の声というものは、大切にしたいと私は思います。

◆沢田
そうですか。
ありがとうござうます。

◆小出
はい、ありがとうございました。

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