3月2日 福島で検出された甲状腺ガンは、これまででは決してあり得ないような発生率である/ラジオフォーラム「小出裕章ジャーナル」文字起こし

小出裕章ジャーナル

2013年3月2日に放送された「ラジオフォーラム第8回」番組での「小出裕章ジャーナル」の内容を文字起こし致しました。

【主なお話】
「福島県内の3人の子どもが甲状腺がんと診断され、7人にその疑いが強いという報道について、これは被爆の影響によるものなのかどうか、また国が原子力政策を止めない理由に、核保有の問題が関わっているのか」

【パーソナリティー】
湯浅 誠(活動家/社会運動家)

【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)

▼ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org

▼文字起こしは以下。

◆湯浅
ここからの時間は、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんに登場していただきます。
今日も電話がつながっています。
小出さん、よろしくお願いしま〜す。

◆小出
こちらこそよろしくお願いします。

◆湯浅
今日はですね、あのお便りからいきたいと思うんですけども。

◆小出
はい。

◆湯浅
大阪府にお住まいのラジオネームラビリンさんからは、え〜とこんなメールが届いているんですねぇ。
小出さんに質問です。
先日、ニュースで、福島の18歳以下で、3人が甲状腺ガン、7人に疑いあり、とのニュースを見ました。

◆小出
はい。

◆湯浅
すごくショックでした。
県の説明は、チェルノブイリでは4〜5年後に甲状腺ガンが発生したので、被ばくの影響とは考えにくい、まあチェルノブイリでは4〜5年後だったので、今回は、あ〜2年後、1年後なので、被ばくの影響ではないんではないか、との見解があったようなのですが、素人目に見て、やはり原発事故で出た放射性物質の影響ではないかと勘ぐってしまいます。
小出さんの見解をお聞かせ願えたら幸いです。
私も子どもを持つ親として、子どもたちに出来るかぎりこのような症状が出ないよう、祈らずにはいられません、とのことなんですけれども。

◆小出
はい、え〜っとチェルノブイリの事故で、4年後から甲状腺ガンが出たという主張は、まずそれ自体が誤りです。

◆湯浅
ふ〜ん。

◆小出
え〜、4年後には、もう明確に出て来たということなのであって、1年後から甲状腺ガンがあのもう発生していますので、経験から見ても、注意をしなければいけないということだと思います。

◆湯浅
う〜ん。

◆小出
え〜、そして、今回福島で検出された甲状腺ガンの、まぁ発生率というのは、これまででは決してあり得ないような発生率になっています。

◆湯浅
う〜ん。

◆小出
え〜、それを見て、まあ山下さんとかですね、そういう方々は、いや、検査のやり方が向上しているから見つかっているのだということをおっしゃっているわけですけれども、言葉を変えて言えば、それより前は検査自身をしていなかったということなのです。
え〜、ですから〜、前のことは分からない、のですね、どうであったかということが。

◆湯浅
なるほどね。

◆小出
それで科学というものはですね、元々分からないものは分からないと言わなければいけないし、分かったことを分かったと言うのが本来の科学のあり方だと私は思います。
で〜、今、山下さんを含めて、福島県で、え〜甲状腺ガンの発生を否定したがっている方々は、分からないものに関して、え〜、いやそうではないというような結論を出してしまっているわけで、元々科学的な態度とは言えないと私は思います。
私自身も本当にこの甲状腺ガンが被ばくの影響かどうかということは、申し訳ありませんが、確信を持っては言えません。
え〜、しかし、だからこそきちっと分からないので調べなければいけないと言わなければいけないのだと思います。

◆湯浅
う〜ん、なるほど。

◆小出
はい。

◆湯浅
甲状腺ガンの発生と、その今回の原発事故の結びつきが、分からないことをもって、被ばくの影響とは考えにくいというのは、ま、科学的な立場から見て不誠実だと。

◆小出
はい、私は間違えている態度だと思います。

◆湯浅
な〜るほど、分かりました。

◆小出
はい。

◆湯浅
もう1問、よろしいですかね。

◆小出
はい。

◆湯浅
東京都の小林さんという30歳の男性から、あ〜質問なんですけれども。

◆小出
はい。

◆湯浅
国が、ここまで原子力を止めない理由に、核保有の問題が、本当にあるのですかと。

◆小出
もちろんあります。
はい、皆さん原子炉というとですね、何か発電のための道具だと思われるかもしれませんが、え〜、人類が一番初めに作った原子炉は、発電のためでも何でもなくて、長崎原爆の材料であるプルトニウムを作りたいと、言う動機で原子炉が作られたのです。
え〜、ですからそもそも原子炉というものは、え〜、原爆材料を作る、つまり核兵器を作りたいという動機から始まっているわけで、そのことをまず皆さん、しっかりと認識しておかなければいけないと思います。

◆湯浅
う〜ん、あの〜、原発問題についてはですね、特に東日本大震災の原発事故以降、まぁ、エネルギー問題として、ほかの代替案はないのか、あるいはコストの問題として、え〜、原発が高いのか低いのか、それから経済的な問題としてという風に語られてきましたが。

◆小出
はい。

◆湯浅
中に、まぁ軍事的な目的もあって、いわば起源なんだと言うことですね。

◆小出
そうです。
まあ、ご質問くださった方も、福島の事故が起きて、なぜ今という風にたぶん思っていられるわけですけれども、福島の事故で人々が受けた被害、というようなものを本当に賠償しようと思えば、日本の国家が倒産したって足りないぐらいの被害が既に出ているわけで、原子力発電の電気が安いなんていうことはもう、まったく破綻してしまっているのですね。

◆湯浅
そうですね。

◆小出
え〜、それでも尚かつ原子力から足を洗えないということは、経済性とかいう理由とは別の理由があるということなのであって、私はそれが軍事的な理由だと思っています。

◆湯浅
う〜ん、なるほど〜。
ありがとうございました。
また、来週もよろしくお願いします。

◆小出
こちらこそよろしくお願いします。

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