3月9日 日本の原発燃料の濃縮ウランを取り出した後の劣化ウランが戦争の材料になったということは十分あり得る/ラジオフォーラム「小出裕章ジャーナル」文字起こし

小出裕章ジャーナル

2013年3月9日に放送された「ラジオフォーラム第9回」番組での「小出裕章ジャーナル」の内容を文字起こし致しました。

【主なお話】
「イラク戦争と関連した劣化ウランの性質や有害性など。劣化ウラン弾、戦争と原発の関連性やその非人道的な側面」

【パーソナリティー】
西谷文和(ジャーナリスト)

【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)

▼ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org

▼文字起こしは以下。

◆西谷
それでは、今日も小出先生とお電話が繋がっております。
え〜、もしもし〜、小出さん〜。

◆小出
はい、小出です。

◆西谷
はい、どうも、西谷です、よろしくお願いします。

◆小出
はい、こちらこそよろしくお願いします。

◆西谷
はい、今日はですね、先生、あのずばり聞きたいのですが〜、劣化ウランとはどんな物質なんでしょうか。

◆小出
え〜、地底からウランを引きずり出してくると、実はそのウランには2種類ある。

◆西谷
はぁ、2種類。

◆小出
はい、で〜、ひとつが原子爆弾の原料になったり、原子力発電所の燃料になったりする核分裂を起こす性能、まあ性質を持っているウランというものが一方にあるし、もう一方に核分裂を起こさないで、使い途のないというそういうウランがある、のです。
え〜、核分裂をするウランは235番という番号が付いていて、天然のウランの中には0.7%というたいへん微量なものしかない。

◆西谷
0.7%しかないんですか。

◆小出
はい。
残りの99.3%は、238番という番号の付いた役立たずのウラン、なのです。

◆西谷
はい。

◆小出
で〜、原爆を作ったり、原子力発電所の燃料を作ったりするときには、核分裂性のウランだけを集めてくるという濃縮という作業をするのですが、そうすると一方には今度は核分裂性のウランが少なくなってしまったウランというのが残ってきてしまうわけで、それが劣化ウランです。

◆西谷
あの劣化という名前なので、何か問題ないのかなと思うのですが、この劣化ウランも人体には危険なんですか。

◆小出
もちろん危険です。
え〜、ウランは235番も238番も放射能を持っていますので、え〜、元々超危険な毒物です。

◆西谷
あの〜、今おっしゃったように、地下深くからウランを掘って来て、濃縮をするわけですよね。

◆小出
そうです。

◆西谷
これはやはり原子力発電所のためにということでしょうか。

◆小出
え〜、原爆を作る場合にも濃縮しなければいけませんし、原子力発電所の燃料を得る場合にも、濃縮をしなければいけません。

◆西谷
あの〜、例えば広島型の原爆の場合、何%ぐらいまで濃縮したら。

◆小出
え〜、広島の原爆の場合には、おそらくですけれども、90%を越えるまで、核分裂性のウランを集めたと思います。

◆西谷
90%。

◆小出
はい。

◆西谷
普通のその原子炉で燃えている濃縮ウランは何%ぐらいなんですか。

◆小出
え〜、4%から5%ぐらいです。

◆西谷
ということは、同じ作業をして出来上がるものなんですか。

◆小出
そうです。
いずれにしても、掘り出したウランの中から、核分裂をする性質を持ったウランを集めてくる、つまり濃縮っていう作業を、いずれにしてもやらなければいけません。

◆西谷
はい、ここでですね、ちょっと質問が来てるんですけども、あの劣化ウラン弾はですね、その原発のためにですね、作られる中の核のゴミということなんですが。

◆小出
そうです。

◆西谷
日本の原発で使われていた、そのウランのために出た劣化ウラン弾、あ、劣化ウラン、それが、え〜、イラクとかアフガニスタンで使われているのでしょうかという質問なんですが。

◆小出
え〜、本当にどうなっているのかということは、私はよく分かりませんが、原理的には使われていると思います。
え〜、日本の原子力発電所で使っているウラン、まあ濃縮されたウランですけれども、え〜、それを作り出すために、米国であるとか、え〜、一部の国で濃縮という作業をやってもらって日本に来ているわけですが、そのウランが戦争の道具として、取り出してしまった劣化ウランが戦争の材料になったということは、十分あり得るし、たぶんそうだろうと思います。

◆西谷
あの日本のためのウランも、アメリカで濃縮しているわけですか。

◆小出
そうです。

◆西谷
そ〜れ〜はもしかしたら、私たちが使っている電気のために出た劣化ウランが、イラクで使われた可能性あるということですね。

◆小出
もちろん十分にあり得ると思います。

◆西谷
あの、戦争とですね〜、あの原発というのは、バラバラに報道される場合が多いんですが、先生これつながっていますよね。

◆小出
もちろんです。
え〜、はじめからつながっているのです。
え〜、すべての原理、核分裂させるというところから始まって、ウランを燃料に使うということも、ま、核分裂させるということですね、それが根本にあるわけで、それを軍事的な目的に使うか、いわゆる平常時のエネルギー問題で使うか、結局同じことになります。

◆西谷
もともとですね、この地下深くに埋まっているウランを掘り出すということが、なんか問題があるような気がするんですが、どうでしょうか。

◆小出
もちろんです。
え〜、放射能は先ほど聞いていただいたように、あっ、え〜、必ず危険ですし、ウランは放射能を持っていますので、そのようなものを掘り出してきてしまえば、そこからもう被害が始まるということになってしまいます。

◆西谷
あの〜、私もモンゴルに行ってですね〜、そのウランの鉱山見たんですけど、やっぱりすごい放射能出てますし、これ、あの地域の住民にとってもたいへん迷惑な話ですよね。

◆小出
そうです。
え〜、たいへん不思議だと私はいつも思うのですが、ウランが出る場所というのは、米国の場合もそうですし、オーストラリアの場合もそうですし、ほとんどがいわゆる先住民という人たちの住んでいるところでして、え〜、そういうところで先住民の人たちが労働者として駆り出されて働いて被ばくをし、そしてウランのゴミを投棄されてまた被ばくをするという歴史がずうっと続いています。

◆西谷
あの〜、インドにも行かれたらしいですね、先生。

◆小出
はい、行きました。

◆西谷
やはりそこも少数民族の村でしたか。

◆小出
そうです。
え〜、昔からのインドの人たちで、インド先住民で、インドというのはカースト制度という、まあ言ってみれば人種差別の厳しい国なのですが、そのカースト制度にも入れない人はアンタッチャブルという不可触賤民と呼ばれる人たちですが、そのアンタッチャブルにすらなれない人たちがインドの先住民で、そのような人たちがウラン採掘の被害を受けています。

◆西谷
あのねえ、私もモンゴル行ったときに、あの出てくるところがね、実はねブリヤート族という少数民族のとこだったんです。

◆小出
はい。

◆西谷
不思議ですね、先生ね、何でそういうとこ。

◆小出
そうなのです。
そんなところばっかりなのです、ウラン鉱山は。

◆西谷
あの具体的にね、私、あの日本の場合は、オーストラリアのあのウランを購入していると、多くはね。

◆小出
はい。

◆西谷
え〜、聞いたことがあるんですが、そのオーストラリアの天然ウランを日本が買って、アメリカに持って行くわけですか。

◆小出
え〜、確か日本で使っているほとんどは米国で濃縮をしてもらっていると思います。

◆西谷
で、その出て来た劣化ウランがリサイクルされて、劣化ウラン弾になっている可能性がある。

◆小出
そうですね。
え〜、リサイクルというか要するにもう使い途のないゴミなんですね。
それも放射能を持ったとてもやっかいなゴミなわけですけれども、え〜、それを米国という国は、敵国に打ち込んで人を殺して、敵国に捨ててくるということをやっているわけです。

◆西谷
なんや、こんな危険なものをなんかその戦争でも使うし、それをこう国際社会が止めれないというのも、ねえ、ちょっと問題ですよね。

◆小出
まあ、皆さん国際社会という言葉が大好きのようですけれども、要するに国際社会というのは、米国を中心とする力が強いものの社会ということですね。
彼ら自身がその劣化ウラン弾も使いたがっているわけですから、止められる道理はありません。

◆西谷
分かりました。
今日は劣化ウランと原発と戦争のつながりについて、え〜、小出さんにお聞きしました。
小出さん、どうもありがとうございました。

◆小出
いいえ、こちらこそどうもありがとうございました。

▼音声

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