3月23日 規制値というものを守るのが、国家の最低限の義務だ/ラジオフォーラム「小出裕章ジャーナル」文字起こし

小出裕章ジャーナル

2013年3月23日に放送された「ラジオフォーラム第10回」番組での「小出裕章ジャーナル」の内容を文字起こし致しました。

【主なお話】
「許容被曝量年間1ミリシーベルトの是非について」

【パーソナリティー】
石丸次郎(ジャーナリスト)

【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)

▼ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org

▼文字起こしは以下。

◆石丸
小出さん、もしもし〜。

◆小出
はい、ご無沙汰しておりました。

◆石丸
はい、今日もよろしくお願い致します。

◆小出
はい、こちらこそよろしくお願いします。

◆石丸
小出さん、え〜、東日本大震災、そして、東電の福島原発の事故から、丸2年が経ちました。
あの〜、地震のときは〜、小出さん、どちらにいらしゃいましたか。

◆小出
え〜、私の職場の放射線の管理区域の中で仕事をしておりました。

◆石丸
う〜ん、あの〜、熊取町、大阪府の南のほうにありますけれども。

◆小出
そうです。

◆石丸
そこでも、揺れは感じられましたか。

◆小出
まったく感じませんでした。

◆石丸
あ〜、そうですか、私は大阪市内であの仕事をしていたんですけど、結構揺れたんですねぇ。

◆小出
そうですか。

◆石丸
その後、ニュースで大きな地震だと、それから津波が押し寄せたっていうことは、あのすぐにお知りになられましたか。

◆小出
えっと、今聞いていただいたように、管理区域の中で、え〜、結構重要な仕事をその日しておりまして、朝からずっと管理区域の中に閉じこもって、いました。
え〜、それで夕方になって、え〜、職場の同僚たちの会議があったので、管理区域から出て来て会議室に行きました。
え〜、その会議室にテレビがありまして、そのテレビでみんな釘付けになってニュースを見ていました。
それで私も初めて津波が、地震と津波があったということを聞きまして、随分驚きました。

◆石丸
で、あの〜、津波、太平洋沿岸に広い範囲に押し寄せたわけですけども、まあ、あの福島はじめ、いくつも原発がある地域にも津波が押し寄せましたね。

◆小出
そうです。

◆石丸
あの〜津波を見て、そして、地震の規模を、まあ知られてですね、あの〜当然原発のことにご心配されたと思うんですけど、どういうことをお感じになられましたか。

◆小出
はい、ちょうど私があのラジオ、テレビのニュースを見たときに、仙台空港に津波が押し寄せてる映像だったのです。
え〜、ま、仙台というのは私の学生時代を過ごした街ですし、少し離れたところに女川の原子力発電所というものが建てられてしまって、私は女川の街でも、原子力発電所に反対して活動していたときがありましたので、たいへん不安に思いました、そのときに。
え〜、女川の原子力発電所、東北地方の太平洋沿岸に原子力発電所が林立しているわけですから、これは容易ならないことにもう既になっているということに気が付きました。
それからは自分で情報を集めるように努めましたし、マスコミからもやんやといろいろな問い合わせが来て、まさに戦争のような状態に陥ってしまいました。

◆石丸
そこから、まさに今おっしゃった戦争のような状態が今日まで続きているわけですけども、え〜、今日まずあの、リスナーの方から質問が寄せられていますので、あの〜お答えいただければと思います。

◆小出
はい。

◆石丸
福島の除染目標である1ミリシーベルト問題について、国は除染事業で、年間追加被ばく線量を1ミリシーベルト以下にすると長期目標にしています。
この数値は安全なのか危険なのか、福島県の佐藤知事は、新たな安全基準を示すよう国に求めていますが、小出さんはどうお考えですかというご質問です。

◆小出
はい。
年間1ミリシーベルトというのは、現在ある日本の法律で、一般の人々にそれ以上の被ばくを与えてはいけないと決められている数字です。
え〜、ただ、それが、では安全なのかと問われてしまえば、安全ではありません。
え〜、放射線に被ばくをするということは、どんなに微量でも危険が伴うということが現在の学問の定説になっていまして、仮に1年間に1ミリシーベルトという被ばくであっても、危険は伴う、というものです。
え〜、ただし、まあこのような時代、このような国に住んでいる人間として、1年間に1ミリシーベルト程度の危険であれば、我慢をすべきだとして決められた数字です。
え〜、私はたぶん、1年間に1ミリシーベルトという被ばくをしてしまうと、2500人に一人の方が癌で死ぬ運命を負わされると思っています。
国のほうは、いやいや1万人に一人だ、二万人に一人だというようなことを言っていますけども、いずれにしても危険は必ず伴ってしまうというものですし、危険があるからこそ法律で人々の被ばくの限度というものを決めてきたわけです。
そして、私自身は、原子力というものは全く価値がないし、害悪ばかりだと思いますので、原子力から受ける被ばくというものは、一切ゼロにすべきだと思ってきました。
え、ただし、残念ながらまあ私にそんな権限があるわけではありませんし、日本というこの国の法律で、これまで1年間に1ミリシーベルトというものを国家のほうから決めて、それを人々に対して規制してきたわけですね。
それなら、その規制値というものを守るのが、国家の最低限の義務だと思いますので、え〜、日本に住む人は1年間に1ミリシーベルト以上の被ばくをどなたもしてはいけないと思いますし、国がしないようにきちっと対策をとるべきだと思います。

◆石丸
はい、分かりました。
それで、このまあシーベルト、ベクレルという単位がですねえ、この2年間、まあメディアであの非常にたくさん使われてきましたけど、これもなかなか理解しにくいという声も大きいわけですけれども、え〜、あのシーベルト、それからベクレルの違い、それからシーベルトとは何かというものをちょっと簡単にご説明いただけないでしょうか。

◆小出
はい、え〜とベクレルというのはですね、例えば電球の明るさだと思ってください。
え〜、10ワットの電球もあるだろうし、100ワットの電球もあるだろうし、もっとたぶん、あの野球場の照明なんかにいけばもっと大きい照明もあるんだと思いますが、え〜、その元々の強さです。
電球なら電球の。
でも、例えば同じ電球、まあ100ワットという電球があっても、ごく近くで見れば明るいでしょうけども、え〜、家の外に出て行ってみてしまったならば、どんどん暗く、見えなくなるわけですし、遠くどんどん離れればますます見えなくなっていくわけですね。
その〜、見えやすいというか、人のいる場所で感じる明るさというものがシーベルトに相当します。
え〜、ですから、放射能の単位がベクレルですけれども、その放射能から遠ざかってしまえば、被ばくをする量、つまり明るさを感じる量というというのは減っていってくれる、それがシーベルトです。

◆石丸
なるほど、分かりました。
それではですね〜、来週もまたあのよろしくお願い致します。

◆小出
こちらこそよろしくお願いします。

◆石丸
小出さんにお話を伺いました。
ありがとうございます。

▼音声

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