4月20日 経済界は、せめてしっかり金勘定ぐらいしなさいよ!/ラジオフォーラム「小出裕章ジャーナル」文字起こし

小出裕章ジャーナル

2013年4月20日に放送された「ラジオフォーラム第15回」番組での「小出裕章ジャーナル」の内容を文字起こし致しました。

【主なお話】
「なぜ日本では、原子力発電所がこんなに数多く作られてきたのか」

【パーソナリティー】
石井彰(放送作家)

【ゲスト】
李政美(歌手)

【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)

▼ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org

▼文字起こしは以下。

◆石井
小出さん、よろしくお願いしますぅ。

◆小出
よろしくお願いします。

◆石井
あの〜今日のゲストは、歌手の李政美さんです。

◆李
李政美で〜す。

◆小出
はい、こんにちは。

◆李
よろしくお願いします。

◆小出
よろしくお願いします。

◆李
大ファンで、今日こうやってお電話で話せるなんて光栄です。

◆小出
こちらこそ光栄です。
ありがとうございます。

◆李
はい。

◆石井
小出さんね、基本的な質問を、あのいくつか聞かせてください。

◆小出
はい、お願いします。

◆石井
まずですね、電力会社がですね、たくさんありますけれども、こんなに私から見ればリスクが多い原子力発電所をですね、なぜこんなにたくさん作ってきたんでしょうか。

◆小出
え〜、それにはたくさんの思惑があると思います。
え〜、国家という側から見れば、原子力の技術というのは核の技術とまったく同じものですので、平和利用と言いながら原子力を進めることで核兵器を開発する能力を身につけることが出来る、という理由はあったと思います。
それから〜、電力会社から見れば、電気事業法という法律で電力会社が守られていたがために、原子力発電を作れば作るだけ利潤が膨れ上がるという、そういう法律的なシステムがありました。
え〜、そのため電力会社としては、とにかくお金を儲けたいと思うわけですから、何が何でも原子力というようになってしまいました。

◆石井
あのコストの問題というものをいつの間にか私たちは刷り込まれてしまっていて、火力発電は石油ショック以降ですね、石油が無くなるぞと、次はもうプルトニウムの原子力発電と、これしかないというように私たちいつの間にか思わされてきてるんですが、どうも石油は無くならない、その一方で実はウランがそんなにたくさんは無いいう風に小出さんおっしゃってますが。

◆小出
そうです。
私自身も1960年代に中学高校時代というのを過ごしていたのですが、そのときに、化石燃料は無くなってしまうから、いずれ原子力しかないと言われましたし、もし原子力が発電に利用出来るようになれば、発電単価は値段が付けられないぐらい安いと宣伝を聞かされました。
そして、私はその宣伝を信じて原子力の場に来てしまったわけですが、事実をきちっと知ってみると、原子力発電の燃料であるウランは、石油に比べても数分の一しかありませんでしたし、石炭に比べれば数十分の一しか無いというたいへん貧弱な資源でした。
ですから、始めから考えていたことが間違えていたわけですし、電気代は安いというのは真っ赤な嘘で、日本などは原子力を散々やってきてしまったがために、世界一高い電気代の国に既になってしまいました。

◆石井
原子力発電のほうが安いということが一つと、それから既に3分の1以上原子力発電による電力を使っているから、原子力を停めたら真っ暗になるぞという風にみんないつの間にか思い込まされちゃってきてますよね。

◆小出
そうですね。
日本の国がそのように言ったわけですし、電力会社や大企業もすべてがそれに乗っかって、原子力は安全だし、安いし、止めたら停電しちゃうぞと言って、マスコミも含めて脅しをかけてきていたのです。
そのため多くの人たちは、原子力を止めたら自分たちの生活は大変になってしまうと思ってしまったわけですが、実際には原子力なんか止めても停電なんかは決してなりません
え〜、現在日本には水力発電所と火力発電所が膨大にありますので、それらがちゃんと動くように管理ができているのであれば、真夏のピーク電力のときですら、原子力発電が無くても停電にはなりません
それはもう私が言っているのではなくて、政府の統計データがそれを示しているわけで、皆さんなんの心配もないということをまずは知ってほしいです。

◆石井
そうですね。
その上でもう一つですね、その経済性の問題だけじゃなくて、安全の問題についてお聞きしたいんですが、原子力発電所は何重もの安全装置を持っているから安全だと、決して事故は起こしませんと、いう形で説明を私たち受けてきました。

◆小出
そうでしたね。

◆石井
しかし、それが福島の今回の事故でですね、嘘だったと、いう風にやっと私たちは分かったというか大変不幸な事態だなと僕は思っているんですが。

◆小出
はい、何重もの安全装置を付けているから安全だというのが、今、石井さんがお話くださったように政府、あるいは電力会社からの宣伝だったんですね。
でも、逆に言えば、何重もの安全装置を付けなければ動かすことができないほど危険な機械だったのです。
そして機械というのは、ときに壊れるというのは当たり前のことであって、誰も原子力発電所が壊れてほしいなんて願う筈はないのですけれども、でもやはり機械ですからときには壊れてしまうということが今回の福島第一原子力発電所の事故で本当に残念ながら示されてしまいました。

◆石井
ん〜、とすると、小出さんにこんなお話をするのも変ですが、原子力発電ほど割に合わない電力のシステムってないですよね。

◆小出
そうです。
まともに動いているときですら、発電単価は原子力が一番高いということは電力会社の有価証券報告書のデータを使って計算してみればもう分かってしまっていたのです。
おまけに事故が起きてこんな被害が出て、それを電気料金に上乗せしようとすれば、もう一体いくらになるのか分からないほど高くなってしまいます。
更にその上、仮に事故が起きなくても、生み出した核分裂生成物、それを10万年あるいは100万年お守りをしなければいけないと言っているわけで、その費用などを考えたら到底割に合いません。
え〜、本来であれば、経済界というのは金勘定をする人たちなわけですから、せめてしっかり金勘定ぐらいしなさいよと私は言いたくなります。

◆石井
あの〜、良くも悪くも資本主義の原則を徹底していただければ、原子力発電所などというものを作ってもいけないし、え〜、稼働させてもいけないってことに普通になりますね。

◆小出
要するに経済人が普通にそう判断する筈のものなのです。

◆石井
あの〜、今後もですね、基礎的なところからですね、一つ一つ私たちがいつの間にか勘違いしているところをですね、小出さんとお話をしながらですね、改めていけたらなぁと願っています。

◆小出
ありがとうございます。
とても嬉しいです。

◆石井
以上、小出裕章ジャーナルでした。

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