5月4日 電力会社などは法律で守られていくらでも金儲けが出来た/ラジオフォーラム「小出裕章ジャーナル」文字起こし

小出裕章ジャーナル

2013年5月4日に放送された「ラジオフォーラム第17回」番組での「小出裕章ジャーナル」の内容を文字起こし致しました。

【主なお話】
「大飯原発の差し止め訴訟で仮処分申請が却下された問題&原子力発電で得をするのは誰か」

【パーソナリティー】
湯浅誠(社会運動家)

【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)

▼ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org

▼文字起こしは以下。

◆湯浅
小出裕章ジャーナル、ここからの時間は、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんが電話で出演します。
今日も電話が繋がっています。
小出さん、よろしくお願いします〜。

◆小出
よろしくお願いします。

◆湯浅
今日も、あのテーマは、基礎知識編ということで、まあ原子力発電で得をするのは誰かという話をお伺いしたいんですけど、その前に、先月あの〜大阪地裁で、大飯原発の3号機4号機再開、運転再開しているわけですが、これのあの、停止を求める仮処分申請が却下されたという判決が出ました。
新聞報道などによりますとですね、福島原発事故後に国が示した安全性に関する基準を検討して、福島事故の教訓を踏まえ、現在の科学技術水準に照らし、相当な根拠と合理性があると、いう風に判断して、ですからまあ停止する必要はないということを大阪地裁が、判断したということなんですが、小出さんは、この仮処分却下については、どのようなご感想をお持ちでしょうかね。

◆小出
はい、呆れた判決だと思いました。
え〜、福島原子力発電所の事故というのは、今現在も進行中で、それがどのような原因でどのような事故経過を辿って今に至っているかということすらが、ほとんど分からないままなのです。
未だに現場に行くことすらが出来ない、融け落ちた原子炉が今どこにどんな状態であるのかも分からない、原因が津波だったのか地震だったのかも分からないという、そういう状態のままもう既に2年以上が経ってしまった、のです。
で〜、国のほうは何か対策をとったというようなことを言っているわけですけれども、原因すらが分からないでとれる対策というのは非常に限られたものでしかないわけで、そのような対策を仮に満たしたとしても、だから安全だというような結論は到底出て来ないと私は思います。

◆湯浅
ふん、ですので、原因も分からないうちから対策がとれたとかまああのそういうことを言うこと自体は呆れていると。

◆小出
はい、少なくとも科学的とは言えませんし、え〜、裁判所がもし科学的な根拠に基づくというのであれば、今現在の状況で科学的な判断が出来ないということをまず言わなければいけなかったと思います。

◆湯浅
う〜ん、なるほどですね。
原因が分からない間に対策がとれたって言うのは…

◆小出
おかしいですよね。

◆湯浅
おかしいですね、確かに。
はい、ありがとうございます。

◆小出
はい。

◆湯浅
えっと、その上でですが、あの〜まああの何度かお伺いしているお話ですが、原子力発電、結局何でそんなにやりたいのかと、いうことが、まあこの2年間、いろんな方たちの疑問でもあったと思うんですけど、その中の一つにあの総括原価方式というですね、とにかく役員報酬からまあ何から何から、まあ何かあの、この間、最近の新聞報道ではあの〜出向している社員のその外の会社に出向している社員の給料も総括原価方式に入っていたみたいな報道などもありましたが、まあそういうことがあって、なかなかまあおいしい仕事だということもあり、止められないんだろうと、いうような話なんかも、これまた随分いろんなところで言われていることですが、結果的に、その結果としてですね、今私たちが毎月支払っている電気代というのは、どうなっているんですかね。

◆小出
もちろん高くなって、これまでも高かったわけですし、もし総括原価方式というようなものをこれから続けて、電力会社の放漫経営っていうんでしょうか、何をやっても必ず儲かってしまうというようなことを許す限りは、どんどん高くなっていくと思います。

◆湯浅
ふ〜ん、そうすると〜、今度は電力会社の方たちから、原発を建てる、受注するですね、建設関係の方たちもまあ結構いい仕事だっていうことになるんですね。

◆小出
はい、これまではたいへん甘い汁を吸ってきたのだと思います。
普通の会社であれば、自分の努力で少しでも利潤をひねりだそうとするわけで、何かの施設を作るときでも、少しでも安いところに頼んで、コストを抑えようとするわけですけれども、電力会社の場合は、逆なんですね。
お金がかかる、かかればかかるだけ、電力会社の資産が増えていく、そうなると、え〜、電気事業法という法律で守られたまま利潤も比例して増えていくという、そういう形だったのです。
ですから、建設会社にも高いお金を払えば、電力会社は儲かってしまうし、建設会社のほうも、高いお金を貰って作れて、また儲かってしまうという、たいへんまあ悪いというか、二重に消費者が損をするという、そのような構造でここまで来てしまいました。

◆湯浅
ふぅ〜ん、安ければいいとは思いませんけどもねぇ、むしろその間公共事業だけじゃないですけど、どんどんそのぉまあ切り下げられてって、結局末端で働く人たちはワーキングプア状態になってって、切り下げ切り下げっていうことがずうっと続いて来て、その結果生活のたいへんな人たちが大量に生み出されていく現実があること自体は、それはそれで私なんかはなんとかしなけりゃいけないなという風に思ってるんですが。

◆小出
私もそう思います。

◆湯浅
原発はまあある意味原発というまあ何と言うんですかね、やっぱり国家事業のために、まあそこだけ特定に保護されて、それを結果的にまあ消費者がツケを支払わされる状態になっているってことなんですかねぇ。

◆小出
そうです。
え〜、要するに電力会社というのは巨大企業ですし、それと契約している巨大なゼネコンという、そういうところが必ず儲かるという構造の元で進められてきてしまいました。

◆湯浅
う〜ん、なんかあの〜資料見ますとね、これまで57基の総建設費は、13兆円ぐらいあると、いう資料もあるようなんですが。

◆小出
はい、ですから1基を造ってくれば、まあ何千億円というそんな金が動いてしまうわけですし、それを電力会社は金をバラ撒くようにしてゼネコンに支払う、で〜、ゼネコンはもちろんそれで儲かるわけですし、電力会社は高い原子力発電所を造ったのだということで、またそれで比例して利潤を懐に入れてしまうということでやってきたわけです。

◆湯浅
ふぅ〜ん、なんかあの、払わなくていいものを払っていたんだって思うと、非常にがっかりするという感じがしますね。

◆小出
そうですね。
本当に何か庶民、一人一人の庶民なんてなんとか生活をしようとやってきたのに、電力会社などは法律で守られていくらでも金儲けが出来たという、そういうことでした。

◆湯浅
はい、今日もありがとうございました。

◆小出
ありがとうございました。

◆湯浅
以上、小出裕章ジャーナルでした。

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