のうのうと生き延びている東京電力の会長社長以下にこそきちっとした責任を取らせたい/小出裕章助教 第3回インタビュー Powered by ホワイトフード文字起こし

小出裕章助教 第3回インタビュー Powered by ホワイトフード

放射能測定を行って食品を販売している通販サイト「ホワイトフード」による小出さんへの3回目のインタビューが、YouTubeで公開されていましたので、このブログでも共有させていただきます。また、文字起こしも行いました。
(同店のWebサイトにも文字起こしページが公開されています)

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◆ホワイトフード

京都大学原子炉実験所小出裕章助教に、ホワイトフードのお客様から頂いた質問にお答え頂きます。
まず一つ目の質問です。

Q.1《事故の風化について》
周りのママ友と話をしていると放射能の問題は完全に風化していて、自分の方がおかしいのではないかと不安になりますが、子どもの食事などどれくらい気をつけると良いのでしょうか?

◆小出

大変むずかしいご質問だと思います。
事故から2年経って、ご質問くださったように、皆さんも福島の事故など無かったかように段々忘れてきているのだと思います。
国や東京電力が、忘れさせようと、むしろ作戦を立てて、情報を流さないようにしているので、当然のことだと思いますが、ただ残念ながら、福島原子力発電の事故は全く終息しておりませんし、何とかこれ以上大量の放射性物質をばら撒かないように今敷地内では沢山の労働者が被ばくしながら、作業を続けています。
そして、既に撒き散らささせれた放射性物質も、大地あるいは海に汚染を拡げて、そこから汚染した食べ物もでてきているわけですから、忘れるようなことはもちろんしてはいけません。
十分に注意をしながら、特に子どもたちを被ばくから守るということは大人の責任としてやらなければいけないと思いますので、注意を続けて欲しいと私は願います。

ただ、どんなことでもそうですけども、恐怖というものをずうっと持続するということは難しいし、できれば安全であって欲しいと皆さん思うはずなので、できれば忘れてしまいたいと思うことが当然なのであって、段々これからそうなっていくだろうなと私は思います。
でも、子どもたちにはこの事故を引き起こした責任がないのですから、やはりできる限り大人が注意をするということを私はやりたいと思いますし、長い間食品の汚染というものは続きますので、難しいことだとは思うけれども、やはり汚染の少ない食料を選んで子どもに与えるということはやって欲しいと思います。

◆ホワイトフード

ありがとうございます。
二つ目の質問です。

Q.2《東京の4月の放射性物質の降下量が高いことについて》
東京では今年の4月の放射性物質の降下量が1平方メートル当たりセシウムが64ベクレルもありました。
事故から毎日空気を吸っているので、積算すると大変な量の放射性物質を吸い込んでしまったことになるのではないでしょうか。
この東京の4月の降下量をどう考えたらよいでしょうか。

◆小出

え〜、すみませんがその東京の降下量1平方メートル当たり64ベクレルという数字を、今私は聞いたばかりです。
え〜、もしそれが本当だとすると、結構高いと思います。

ただし、この地球、東京も含めた地球が放射性物質で汚れたというのは、福島の事故が始めてではありません。
1950年代~60年代にかけて、たくさんの核実験というものが行われて、大気中に放射性物質が撒き散らされて、世界中に放射能が降ってきたという時代があったわけですし、その影響は今でも続いています。
日本というこの国は北半球温帯という地域に属しているのですが、その日本がこれまでに受けたセシウム137は1平方メートルあたりにするば5千数百ベクレルになっていると思います。
そこにまあ、4月ひと月ということでしょうか、64というものが上乗せされたということに、もしその数値が正しければ、上乗せされたということになるのだと思います。

核実験が行われてからもう随分長い時間が経っているので、今64ベクレルというのは私はちょっと高いと思うし、何か数字の間違いではないかと思いますけども、今聞いて頂いたように汚染がゼロということはもう残念ながらないし、毎日のように放射能が降ってくる時代に私たちが生きていると思って頂くしかありません。
ただ、64が多いと思うと言ったけども、でもその64だとしても慌てることではない、もう要するに5千数百ベクレル降っていたなかでの64ですから、何かそれが大変なことであって、今突然被ばくをしてしまったということとは違うと思います。

◆ホワイトフード

ありがとうございます。

Q.3《福島原発事故由来でない放射能について》
魚介類やキノコは福島原発事故由来でないが、セシウム135が1ベクレル/キログラム以下で検出されると聞いたのですけども、どのように理解したら良いでしょうか。
また、魚などは子どもたちに食べさせない方が良いのでしょうか。

◆小出

今聞いて頂いたように、人間が原爆というものを爆発させてしまってから、たくさんの核実験が行われてきて、もう地球上全部汚れているのです。
ですから、福島第一原子力発電所の事故が無かったとしても、もう汚れていない食べ物というものは無かったし、いま聞いて頂いたように、ご質問にあったように、1キログラムあたり1ベクレル以下という汚染は、世界中どこにでもあるのです。
日本のお米だって、1キログラムあたり0.1ベクレルぐらい汚染はどこでもありましたし、他の食べものももちろんありました。
特にキノコなんていう食べもののことを言うなら、1キログラムあたり何十ベクレルというようなものはずっと前からあったのです。
それは避けることができません。

魚にしても、そうです。
海は大量の水があって稀釈はされているのですけれども、やはり1キログラムあたり0.1ベクレルというような汚染は、もう殆どどこにでもありました。
もっとひどい場所というのももちろんあって、今は福島県の沖合が猛烈にひどくなっているわけで、そういうところの魚はもちろん食べない方がいいですが、先程から何度も聞いてもらっているように大気圏内核実験というものがあって世界中汚れていたし、あるいは原子力と呼ぶようなものをやるようになって、世界の海もあちこち汚れてしまっています。

特にイギリスという国、グレイトブリテン島という島にあるのですが、その島の対岸にはアイルランド島というまた島があって、グレイトブリテン島とアイルランド島の間はアイリッシュ海という内海になっています。
日本で言えば日本海のような海ですけれども、そこに面したグレイトブリテン島の一角にウィンズケールと私が呼ぶ場所がありました。
かつてイギリスの原爆開発を支えた工場群があったところで、今はセラフィールドと呼び名が変わっています。
そのセラフィールドには原子力発電所から出てくる使用済みの燃料を再処理するという工場があるのですが、その工場がこれまでに大量の放射性物質を海に流してきました。
それは事故ではありません。
工場が正常に動くために、放射性物質を海に流すということを続けてきて、既に広島原爆400発分のセシウム137をアイリッシュ海に流しました。
アイリッシュ海は今聞いて頂きましたように内海ですので、放射能の稀釈が思うように進まないで、アイリッシュ海で穫れる魚というのは、一時期は1キログラムあたり370ベクレルという基準を超えて汚れていました。

その今、私が聞いていただいた基準は、1986年に旧ソ連のチェルノブイリというところで大きな事故が起きたのですが、その時に日本が輸入規制をしたときに使った値が1キログラムあたり370ベクレルだったのですが、もうそれを遥かに越えるような汚染が、アイリッシュ海ではそれよりもっと前からずっと続いているという状態でした。
ですから、魚ももちろん汚染されていますけれども、でも、何も食べないで人間は生きられない訳ですし、どの魚がどれだけ汚れているということをやはりきちっと知りながら私たちが選ぶ。
私は大人は諦めてくれと言っているわけですけども、子どもたちに汚染の少ないものを与えるということを今後もやって欲しいと思います。

◆ホワイトフード

ありがとうございます。
4番目の質問です。

Q.4《放射能対策に良い食品》
放射能対策に良い食品ということで、放射能に勝つことはできなくとも、何か放射能対策に良い食品などはありますかというご質問です。

◆小出

放射能対策に良いというご質問が、どのようなことを期待されているのか私にはよく分かりませんが 、もちろん放射性物質を体内に取り込んでしまえば、それから被ばくすることを避けられません。
そして被ばくというのは必ず有害ですし、それを無害にする、あるいは有益にするなんていうことはもちろんできません。
もしできる可能性があるとすれば、取り込んでしまった放射性物質をできるだけ早く排泄するということだと思います。

原子力の現場にいる人間としては、かなり特殊な状況で、そういうことが可能な場合もあります。
例えば事故で大量の放射性物質を取り込んでしまった時に、薬物の力を借りてその放射性物質を体外に排出しようということはどこまで有効かという議論はあるけれども、何がしかの手立てがこれまでもありましたし、これからもそういう手立てをとることはあるかも知れませんが、今ご質問くださった方は、たぶんそういう事故ではなくて、普通の生活をしながらということで、ご質問だと思いますので、普通の生活の中で薬物を毎日摂り続けるということは、むしろ薬物の害の方が私は大きいと思いますし、そういう薬物の力を借りないとすれば、取り込んだ放射性物質だけをすみやかに体外に排泄するということはまず殆どできないと思っていただいた方がいいと思います。

◆ホワイトフード

はい、了解しました。
最期のご質問です。

Q.5《避難について》
小さい子どもがいるのですが、仕事や経済的な理由で、辛いですけども、避難することができないでいます。
線量が高いエリアで、子どもを守るにはどのようなことに気をつけると良いでしょうか。

◆小出

被ばくを防ぐというときには、もちろん2種類の被ばくがあるのですね。
外部被ばくという被ばくと内部被ばくという被ばくがあります。

外部被ばくというのは、外にある放射性物質から被ばくをすることを避けるということで、そのためにできることは、いくつかあります。
つまり、子供たちが生活している場所をきれいにするということです。
例えば、子どもたちが通っている学校をきれいにする、学校の校庭の土を剥ぎ取ってどこかに移動させる、幼稚園の園庭の土を剥ぎとって移動させる、あるいは子どもたちが家の近くの公園で遊ぶなら公園の土を剥ぎとってどこかにどけるということが必要だと思います。
もちろん各家庭の庭があって、子供たちがそこでどろんこになって遊んでいるような場所であれば、もちろん剥ぎ取った方がいいと思います。

そして、その上で段々分かってきたことでもあるのですが、汚染が弱いと一般的に思われてる町でも、汚染が猛烈に濃縮しているところがあるのですね。
それ、私たちは黒い物質と呼ぶようになってきましたが、道路の端っこであるとか、建物の下であるとか、何か雨水が溜まりやすくて、それがまた乾きやすいところであるとか、そういうところに放射能が猛烈に濃縮している場所があります。
それはどこにでもあります。
みなさんの住んでいる町のどこにでもそういうところがありますので、それを丹念に探して、その猛烈に濃縮した黒い物質と呼んでいるものを剥ぎ取るという作業が必要だと私は今は思っています。

ただし、今私が聞いていただいたような手段は、本来であれば、個人個人でやるのはとても大変です。
やはり行政にきちっと要請をして、やらせるということをまずは求めるべきだと思います。

それから次に内部被ばくですが、内部被ばくというのは放射性物質を体の中に取り込んでしまって、それから起きる被ばくですから、どうすればいいかと言えば、放射性物質をからだの中に取り込まないようにするのがいいのです。
からだの中に取り込むルートが2つあって、一つは呼吸で吸い込んでしまう、もう一つは食べもので食べてしまうということです。

呼吸で吸い込むのを防ぐためには、マスクをするぐらいしかできません。
ただ、空気中に大量の放射性物質が漂っていたときというのは、2011年3月11日からほぼ半月間でした。
その期間は大量の放射性物質が空気中に漂っていましたので、どなたにもマスクをして欲しいと私は思いましたけども、今はそういう状態ではありません。
マスクをするということはそれなりに結構苦しいことだし 子どもたちが遊ぶときにマスクを着けて遊ぶという姿を私自身は想像できないのです。
ですから、今現在でいうなら、特殊なことを除けば、マスクをどうしてもしなければいけないということではないと思います。

ただ、とても風が強い日であるとか、子供たちが砂埃の中で遊ぶようなときであるならば、一度地面に降り積もった放射性物質が舞い上がってきたりしていますので、そういう時に限ってはマスクをした方がいいと思います。
ただマスクというのは皆さんが期待しているほどに捕集効果がありません。
本当にぴったりと付くようなマスクはもちろん高価なものですし、そんなピッタリと付くようなマスクはそれこそ呼吸が今度は困難になりますので、通常のマスクであるとすれば、要するに空気がつうつう抜けてしまっているわけで、余り効果がないと思った方がいいと思います。

もう1つは要するに食べ物を気をつけるということであって、ホワイトフードの利用者の方であれば、できる限りホワイトフードが提供する放射能の汚染の値というものを見ながら、子どもに対してはできる限り低いモノを与えるということをやって欲しいと思います。
ただし、私が願っているのは、どこかの家の子ども、というそういうことを守りたいというのではなくて、全ての子どもを私は守りたいと思っていますので、各家庭が自分の子どもを守るということももちろん大切なことではありますけれども、そうではなくて、全体の子どもを守れるような方策を作るためにむしろ働いて欲しいと思います。
例えば学校給食というものがあるわけですけれども、学校給食の材料については細かく汚染を調べて汚染の少ないものを与えるということをやるべきだと思いますし、そのためには、行政、学校、自治体というところに動いてもらうしかないだろうと思います。

最後に一言だけ言っておきますけども、先程も外部被ばくを避けるために、学校の校庭の土を剥ぎ取るとか、黒い物質をきちっと調べて剥ぎ取るとか、学校給食の材料をきちっと調べるということが必要だと私は言いました。
そして、行政とか自治体の力を借りるしかないだろうと言ったわけですけれども、一番本当のことをいうなら、この汚染というものは、東京電力が撒き散らした汚染ですので、東京電力にこそ測定をさせるべきだと思います。
自分が撒き散らした物質がどこにどれだけ汚染を広げているかということを調べるのは、東京電力の最低限の義務だと私は思います。
東京電力が知らぬ存ぜぬとして、まったくのうのうと今でも会長社長以下、生き延びているわけですけれども、彼らにこそきちっとした責任を取らせたいと私は願っています。

◆ホワイトフード

ありがとうございます。
質問は以上になります。
第3回めのインタビュー、ご回答いただきまして、ありがとうございました。

◆小出

はい、ありがとうございました。

◆ホワイトフード

今後とも宜しくお願い致します。

◆小出

はい、よろしくお願いします。

※同店の文字起こし文章をベースに、YouTube音声に合わせて若干の修正を加えました。

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