6月22日 一番始めから平和利用と標榜しながら実はプルトニウムを持ちたかったというのが自民党の狙い/ラジオフォーラム「小出裕章ジャーナル」文字起こし

小出裕章ジャーナル

2013年6月22日に放送された「ラジオフォーラム第24回」番組での「小出裕章ジャーナル」の内容を文字起こし致しました。

【主なお話】
「プルサーマル計画とMOX燃料について。」

【パーソナリティー】
西谷文和(ジャーナリスト)

【電話出演】
小出裕章(京都大学原子炉実験所助教)

▼ラジオフォーラム
http://www.rafjp.org

▼文字起こしは以下。

◆西谷
はい、それでは今日もこのコーナーから始めたいと思います。
え〜、小出さんと電話がつながっています。
小出さ〜ん。

◆小出
はい。

◆西谷
こんにちは、今日もよろしくお願い致します。

◆小出
はい、こちらこそよろしくお願いします。

◆西谷
え〜、小出さん、今日はですね〜、あのプルサーマル計画とMOX燃料、この〜特集をしたいと思うんですが〜、関西電力がですねぇ、高浜原発3号機で導入されてるプルサーマル向けのですねぇ、いわゆるMOX燃料、プルトニウム・ウラン混合酸化物ですね、これをフランスから海上輸送していてですねぇ、え〜、6月下旬にですねぇ、日本に到着すると発表しているんですよねぇ。

◆小出
そうですね、はい。

◆西谷
もしかすると、この放送がオンエアされてるときにはもう日本に着いてるかもしれないわけですがぁ、ここでちょっとリスナーから質問が来ております。
48歳女性からの質問ですがぁ、現在日本に運ばれているMOX燃料やプルサーマル計画について、もう一度詳しく教えてくださいということなんですがぁ、先生どうでしょうか、これ。

◆小出
はい、え〜と、プルサーマルという名前ですけれども、プルというのはプルトニウムのことです。
サーマルというのは、いわゆる熱という日本語。

◆西谷
サーマルは熱ですね。

◆小出
はい、つまり、プルトニウムを現在使っている普通の原子力発電所で燃やしてしまおうという計画のことです。

◆西谷
あの普通の原子炉は、え〜、ウランを燃やすということで設計されているけれども。

◆小出
そうです。

◆西谷
その普通の原子炉で、プルトニウムを混ぜたもの、つまりMOX燃料を燃やすと。

◆小出
もちろん危険は増加します。

◆西谷
ただでさえ危険な原子炉に、更に危険度をアップさせて、この〜〜〜無理矢理プルサーマルをするというのは、やはり、プルトニウムを燃やさないと都合が悪いということでしょうか。

◆小出
そうです。
プルトニウムというのは原爆の材料だった物質なのです。
え〜、それをこの日本という国は、原子炉で燃やすということをずっと言ってきました。
ただし、その原子炉と言っても、普通の原子力発電所でプルトニウムを燃やすというのは今聞いていただいたように危険なことなのであって、日本というこの国が言ってきたのは高速増殖炉という。

◆西谷
もんじゅですね。

◆小出
そうです。
日本ではもんじゅというまあ実験炉というかちいちゃなものを作ろうとして未だに動いてもいないのですけれども、そういう形の原子炉で燃やすための燃料だとして、イギリスとフランスに頼んで、日本の原子力発電所で生まれたプルトニウムを分離して取り出してもらってきたのです。
しかし、もんじゅはもちろん動いていませんし、ほかの高速増殖炉も1台もありませんので、分離してしまったプルトニウムを燃やす手段が日本では無い、のです。
え〜、それなのにプルトニウムは原爆の材料なわけですから、日本というこの国が使い途のないプルトニウムを取り出してしまって懐に入れてしまったという状態になっているのです。

◆西谷
ということは、国際社会は、これはあなたのとこ核兵器を作るつもりなのかと疑われないためにも、燃やさざるを得ないということですか。

◆小出
そうです、そうです。
え〜。

◆西谷
やっかいなものが。

◆小出
リスナーの皆さんは、この日本という国がいわゆる世界のほかの国々からどのように見られているかということを、どうお考えになっているかなと私は思いますけれども、世界の国々は日本というこの国がそんなに立派な国だとは思っていないのですね。
何十年か前までアジアの国々に侵略をして、たくさんの人々に苦難を味合わせた国だったわけですし、今現在も平和利用だと言いながら、原爆材料になるプルトニウムを着々と懐に入れてきて。

◆西谷
確か40トンぐらいあるとか。

◆小出
はい、現在45トンあって。

◆西谷
45トンもある。

◆小出
はい、それで長崎の原爆を作ろうとすれば、4000発も出来てしまうというほどの。

◆西谷
4000発ですか。

◆小出
はい、既に懐に入れてしまっている。

◆西谷
だから、自民党の石破さんがね、プルトニウムは持ってるだけで、あの潜在的なあの抑止力になるとおっしゃってたもの。

◆小出
そうです、はい。

◆西谷
いみじくも。

◆小出
はい、あの〜石破さんもそうですし、まあ自民党というその政党が日本の原子力をずっと進めてきたわけですけれども、一番始めから平和利用と標榜しながら実はプルトニウムを持ちたかったというのが彼らの狙いだった、のです。
え、そんなことをでも世界の国々が許してくれるわけはないわけで、日本の国は使い途のないプルトニウムは持たないという国際公約をさせられた。

◆西谷
ということは、無理矢理でもプルサーマルやっとかないといけない。

◆小出
そうです。
もうどうにもならなくなって、危険なことは承知だし、やればやるだけ経済的に損をするというのも分かっているのですが、もうどうしようもなくなって燃やすしかない、危険を承知で普通の原子力発電所で燃やしてしまおうというところに追い込まれてしまったのです。

◆西谷
あのね、先生ね、このMOX燃料を本来なら日本で作れると僕は思っていたんですが、フランス・イギリスに頼んでいるということは、日本の技術では作れないということですか。

◆小出
もちろんそうです。
元々使用済みの燃料というものが原子力発電所から出てくるのですけれども、その使用済みの燃料の中からプルトニウムを取り出すという作業を私たちは再処理と呼んでいます。
え〜、その仕事というのは、原爆材料になるプルトニウムを取り出すために、どうしてもやらざるを得なかったから開発された技術、です。
で〜、核兵器保有国はもちろん皆再処理ということをやったのですが、再処理工場の周辺では猛烈な環境汚染をどこの国でも起こしています。
たいへん危険な技術で、日本という国でも六ヶ所村でやろうと今しているのですけれども、え〜、日本というこの国の手には負えないということで、なかなか動くこともできないのが現在なのです。

◆西谷
困ったことになってますねぇ。
あともう一つですねぇ、使用済み核燃料棒が非常にあの〜処理がね、ガラス固化体にしてとかいうことなんですけど、普通の原子炉から出てくる使用済み核燃料棒と、プルサーマルから出てくる使用済み核燃料棒は、やっぱり違うんですか。

◆小出
違います、はい。

◆西谷
やっぱりやっかいですか。

◆小出
はい、一度プルサーマルということをやってプルトニウムの燃料を燃やしてしまいますと、私たちが超ウラン元素と呼んでいる特別に寿命の長い放射性物質が。

◆西谷
超ウラン元素。

◆小出
超ウラン元素というのですが、ウランを超えるというようなヤツですね、はい。
あのウランというのは自然界にある一番重たい元素なのですけれども。

◆西谷
そうか、プルトニウムは超ウランですよね。

◆小出
そうです。
プルトニウムも超ウランですし、プルトニウムよりもっと重たいキュリウムとかそういうような原子核がたくさんその〜使用済み燃料の中に貯まってきてしまうのです。
それ、取り扱いがたいへん厄介ですし、寿命が長いので、再処理をするにしても、ガラス固化にするにしても、今までやってきたような時間の長さでは到底できないで、何十年もまずは原子力発電所の中で冷やしておかなければいけない。

◆西谷
またこれ、子々孫々までツケを後回しにするということですね。

◆小出
そうです。
日本にある、あるというか作ろうとしている六ヶ所の再処理工場ではプルサーマルの燃料を再処理することすらができませんので、え〜どうしていいかまったく分からないものをまた生み出してしまうということになります。

◆西谷
先生、すみません、聞いてたらアタマが痛くなってどうしたらいいのか分からないという、そのどうしたらいいのか分からないということが分かりました。

◆小出
はい。

◆西谷
ちょっとお時間になりました。
え〜、この問題はまた引き続き追求していきたいと思います。
小出先生、どうもありがとうございました。

◆小出
ありがとうございました。

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