2月27日 環境市民Channel 汚染水はアンダーコントロールされていない!:小出裕章先生/文字起こし

環境市民チャンネル

福島第一原子力発電所の汚染水問題について、環境市民Channelが小出裕章さんに電話インタビューした動画がYoutubeに公開されていましたので、このブログでも共有させていただきます。また、文字起こしも行いました。


▼文字起こし

下村
皆さん、こんにちは。
環境市民チャンネルの時間です。
え〜今日も、福島原発、そしてまた原発の問題について、いろいろと話を展開していきたいと思っております。
今日の電話でゲストとしてご登場いただきますのは、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生です。
小出先生、こんにちは。

小出
はい、こんにちは。

下村
今日もよろしくお願いいたします〜。

小出
こちらこそよろしくお願いします。

下村
はい、まずあの今日はですね、あの汚染水処理についての話をお伺いしていこうと思っているんですが、まず東電のほうが最初予定していました汚染水処理、本当は3月末までに終わらすという話をしていたんですが、私たちも含め先生から教えていただいたときにですね、到底それ3月では終わらないんだろうなと思っていたんですが、やはり終えることができないといういことで、5月末までという風な話になっているんですが、先生、この状況を聞かれて、5月末までにその所謂汚染水処理というのが本当にできるのかどうか、どういう風にお考えになっているんでしょうか。

小出
もちろんできません。

下村
できない、はい。

小出
はい、3月なんていうことももちろんできないということを私はずっと発言してきましたし、5月というのもできる道理がありません。

下村
はい。

小出
え〜、もともと安倍さんが、福島の事故がアンダーコントロールだという嘘をついてしまって、そのツケを東京電力に払わせようとしたのです。
でぇ〜、年度内に始末をつけますと東京電力が言わされたわけですけども、そんなこと事実上できる道理もないわけですし、3月ができないから5月と言っているわけですけれども、それももちろんできません。

下村
ん〜、ということは今もその水をかけるのと大量の地下水が流れ込んできているという、たくさんの量が増えていっているわけですけれども、それを増やさずに減らし続けるということ自体はどうなんでしょうか。
それもやっぱり難しいことなんでしょうか。

小出
そうです。
元々、溶け落ちてしまった炉心ということろに水をかけてしまえば、その水は放射能で汚れた水になるというのは当たり前のことなのです。
え〜、そして福島第一原子力発電所は、2011年3月11日に巨大な地震に襲われていますので、原子炉建屋も何も壁がそこらじゅうでひび割れているのです。
え〜、ですから地下水などがどんどん建屋の中に流れ込んできているわけですし、一部は逆に建屋から地下に染み出していってしまっているという状況がすでにもう4年間続いているのです。

下村
はい。

小出
え〜、その状況を少しでもよくするためには、例えばその事故直後から原子炉建屋の周辺に遮水壁を作って、地下水が溶け落ちた炉心に接触しないようにするという作業も必要だったのです。
え〜、それでも国も東京電力もそのような作業をするとお金がかかり過ぎるというようなことを言いながら、ズルズルと対策をサボってきたわけです。
え〜、ようやくにしてやっぱりやらざるを得ないということになっているわけですけれども、彼らが作ろううとしている遮水壁というのは凍土壁と言って、地面、土ですね、土を凍らせて壁を作るということを今やろうとしているわけですけれども、それだってできる道理がないのです。
本当に愚かな人たちだし、次々と対策が後手後手になっていって、今や本当に打つ手が次々と無くなるという状況になっています。

下村
そうすると最初に先生がおっしゃったように、安倍総理がアンダーコントロールと言ったこと自体が真っ赤な大嘘だということですね。

小出
そうです。元々は2011年の12月に、当時まだ民主党という政党が政権をとっていたとき、野田さんという首相が事故の収束宣言なんていうものを出したのですけれども、それもまったくあり得ない宣言だった、わけですし、政権が変わって自民党になったら、今度は安倍さんがアンダーコントロールを言ったわけです。
それも単に、オリンピックというものを誘致したいというそのほうの動機元のに嘘をついてしまうという国なのです、この国は。

下村
えっと開いた口がふさがらないというか、そのこと自体をもっと、ね、おかしいんだということを言っていかなきゃいけないんだと本当つくづく思うんですが、あの汚染水処理の話にもう一つ戻って、その汚染水を処理しましたという状態になっているのは、何段階もの、前にも先生に教えてもらったんですが、核種がいくつも入っているのを少しずつ取り除いていって、最終的にはアルプスというものを通って、トリチウムというものが残った状態になったときに、初めて汚染水の処理をしましたっというような理解を私はしていたんですけれども、今回、河野太郎さんのブログを見ていると、そうではなくその前段階のいろんな核種が残っている状態のことを汚染水処理したということを言おうとしているみたいな中身が書かれていたんですが、先生これはどういうことなんでしょうか。

小出
ふふっ、細かく聞いていただくとなると大変なのですが、え〜、ウランが核分裂してできる核分裂生成物という放射性物質があります。
普通の皆さんは死の灰と呼ぶものですけれども、その正体はおよそ200種類におよぶ放射性物質の集合体なのです。
中には寿命が短くってすぐに消えていってくれる放射性物質もありますし、寿命が長くてなかなか減ってくれないという放射性物質もあるのです。
事故からすでに4年が経ってしまっていまして、短い寿命の放射性物質はもうどんどん消えていってくれているのです。
そして、今、大切、生き物にとって被害がおよんでくるような放射性核物質というのは、基本的には私は3つしかないと思っています。
一つはセシウム137、あるいは134というものもほんの少しまだ残っていますけれども、セシウム137です。
次がストロンチウム90です。
そして、あとはトリチウムというもの、その3つがもう残っている重要な放射性物質だと思っています。

それをなんとか捕まえて、水をきれいにして、環境に放出するしかないという状況になっているわけですけれども、最後に聞いていただいたトリチウムという放射性物質は正体が水素なのです。
水素というのは、普通の環境の中では必ず水になってしまうというものですので、汚染水と私たちが読んでいる水そのものが要するにトリチウムで汚れた水なのです。
で〜、汚染水処理というのは汚れた水の中から放射性物質を取り除こうとするわけですけれども、トリチウムは水そのものですから、どんなに水の中から放射性物質を取り除いてもトリチウムだけはどんなことをやっても取れないのです。
これまで東京電力はいろいろな装置を使って、セシウムという放射性核種を捕捉しようとしてきて、何がしかの作業をしてきたのですけれども、ストロンチウムは丸ごと汚染水の中に残っていましたし、トリチウムは何をやっても、どっちにしても取れない、のです。
ですから、いずれにしても環境にそのまま流すしかなくなります。
遠からず必ずそうなってしまいます。
ですから、問題はストロンチウム90をどうやって捕まえるかということで、国や東京電力はアルプスという装置を使って、ストロンチウム90を捕まえようとしてきたのですけれども、その装置がうまく動かないという状態になっているわけです。
そのため、まあほかのさまざまな装置をやっつけ仕事で作って、少しでもストロンチウムを捕まえようと今やっているわけですけれども、いずれにしても大変な作業ですし、5月までには終わりませんし、たぶん最終的には法律の濃度限度をクリアできないまま海へ流すだろうと私は思っています。

下村
もうその、そうせざるを得ないような状況まで切羽詰まっているところなわけですか。

小出
はい、え〜、皆さんがどこまでこの事故の深刻さをわかってくださっているのか私にはわかりませんが、福島第一原子力発電所の事故というのは、人類が初めて遭遇したほどの酷い事故なのであって、どうすればこれを乗り越えていかれるのかどうかというそのことすらわからないという事故なのです。
ですから、もちろん放射能なんか環境に流してはいけないわけですけれども、え〜、それがとても難しくて、今毎日のように汚染水が海に向かって流れ出してしまっているというそういう状況に既になってしまっています。

下村
もう本当にあの、触ってはいけないものを触ってしまったが故にこのような状況になってしまったとかしか言いようがないんですけれども、本当だったらもうこれで原発は動かしてはいけないと、私たちは真摯にこのことを受け止めて、どうやってこれを廃炉にしていかなくてはいけないという方向にいかなくてはならないにも関わらず、また安全審査という名のもとに次々に原発がチェックにかけられ、本当に大丈夫なのか、私は大丈夫じゃないような審査の内容で高浜原発も安全審査が通ったという報道がなされましたよね。

小出
はい、え〜、今、下村さんが安全審査という言葉をお使いになったけれども、今やっているのは安全審査ではない、今やっているのは新しい規制基準というものができたのですけれども、その規制基準に合致しているかどうかということを審査しています。
元々は安全基準にしたかったのですけれども、福島の事故が起きてしまって、やはり事故というのは望まなくても起きてしまう、だから、安全基準というものは作れないということになって、規制基準というものを作ったのです。
え〜、あくまでも事故は起こるかもしれないということを前提にして、まあこの程度ならいいだろうということを認める基準を作ったのです。
で〜、それを原子力規制委員会というものが規制に適合しているかどうかということを審査していて、え〜、高浜原発もそうですけれども、規制基準に合致したと彼らは判断したのです。
ただし、同時にそのときに規制委員会の委員長である田中俊一さんは、基準には合致したけれども、安全だとは申し上げないと、規制委員会自体は安全を確認したなんてことは一言も言っていないのですけれども、それが安倍さんなんかのところに行ってしまうと、安全を確認したということになってしまって、そこに嘘、というかすり替えがあるのです。
で〜、結局誰も責任を取らないまま再稼働が認められようとしてしまっているわけです。
私は福島の事故で一番学ばなければいけないことは、何か人に危害を加えたときにはきちっと責任をとるということだと思っているのですが、それが原子力の場合にはまったくなされないのだということが福島の事故でわかったのだと思いますし、安倍さんを含めた日本の原子力を進める人たちは何が起きても責任を取らなくて済むと思ってしまって、原子力発電所を再稼働しようと思っているのです。

下村
もう、私もですね、あの今先生にご指摘いただいて、ハッとしてしまったのですが、おっしゃった通り新しい規制の基準に合っているかどうかを審査しているという状況なのに、例えばいろんなところで安全審査という文字が踊っているのを見て、知らぬ間にその言葉がインプットされてたんですね。

小出
皆さん騙されているから。

下村
そうですよね。
ついその言葉が出てきてしまって、先生に説明してもらって、そうだったって、新しい基準に合っているかどうかを審査しただけで、それは安全かどうかっていうのは言ってなかったのに、どうして私の頭の中にインプットされてしまったんだろうと、今本当に自分でも恐ろしくなってしまったんですけれど、そういう風に、先生がおっしゃったみたいに、安倍さんがそれをすり替えてしまって、国民にこれは安全だというお墨付きをつけられたんだというそういう風なイメージをもたせてしまっているわけですよね。

小出
そうです。
アンダーコントロールという嘘をついた人ですし、嘘をつくことに何の心の痛みも感じない人ですので、こちらのほうで本当は注意をしなければいけないのです。

下村
わかりました。
ありがとうございました。
またあの先生には、京都でバイバイ原発3.7京都の基調講演をしていただくことになっておりますが、どうぞそのときもよろしくお願いいたします。

小出
こちらこそよろしくお願いします。

下村
はい、ありがとうございました。

小出
ありがとうございました。

下村
失礼いたします。

小出
失礼します。

下村
では一旦電話を切らせていただきたいと思います。
はい、今京大原子炉実験所の助教でいらっしゃる小出裕章先生にお話を伺いました。
汚染水の話を中心に伺ったのですけれども、汚染水処理というものが、本当に間に合っていない状態です。
で、延期延期になっているんですけれどもそれはまったく本来なら間に合いそうもないような日程で、それでも間に合うという言葉を言わざるを得ないような状況を東電が言わざるを得ないような状況を安倍総理自身が東京オリンピック誘致のために言ってしまったというようなお話があったと思います。
そして今、汚染水と言われる水はどんどん増えているわけですけれども、先生のお話では、セシウムの137と134、ストロンチウム90、それとトリチウム、この3つが重要な核種であると、アルプスまでなんとか通してストロンチウム90を取り除こうとしているんだけれども、それもうまくいっていないという状況だと、あと最後に原発の再稼働ということなんですけれども、これも安全な基準というわけではないのに、規制の基準に合致したかどうかところだけが結果が出たところなのに、いかにも安全なので再稼働に向けて走りましょうという流れを作って行っているというご指摘を下さったと思います。
私たち、また環境市民チャンネルでこのような情報も追ってお伝えしていきたいと思います。
今日はこの辺りで失礼します。
さようなら。

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