7月4日 週刊現代の記事「消えた観光客」に小出裕章のコメント

2011年7月6日

7/4発売の週刊現代7/16 23合併号55頁に、小出裕章氏のコメントが掲載されています。コメント欄にて、ひえこさま、しんちゃんさまより教えていただきました。「消えた観光客」、という記事だそうです。

しんちゃん様のコメントによると

週刊現代 7月16、23日合併号、<消えた観光客 「誰も来ない」この現実を見よ  那須塩原、会津若松、猪苗代、日光・・・放射能が歴史ある町を殺す>    4ページに渡る記事ですが、後半まとめの 「どうしたらいいのか」 の提言として、小出先生のコメントが載っています。

とのことです。

以下、小出裕章氏のコメント箇所のみ引用

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『また、京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は「放射線の影響を受けにくい大人がこうした観光地に足を運び、少しでも復興の手助けをするべきでは」と提言する。

「子どもはともかく、放射線の影響というのは年齢とともに少なくなっていき、50歳では30歳に比べて実に50分の1程度まで低下しますから、放射線の影響はほとんどなくなると言えます。米国のデータによると、放射線被曝によるがんの死者数を比べた場合、50歳の死者数は30歳の50分の1にまで低下するのです。ですから50代以上の人は、福島や栃木などの観光地に足を運んでも問題ないでしょう」』

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小出裕章氏と大橋弘忠氏の誌上対決 (週刊現代)

2011年6月2日

2011年5月30日(月)発売の週刊現代の記事で、大橋弘忠氏( 東京大学大学院工学系研究科教授、原子力委員会専門委員)と小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)のコメントが共に掲載されています。

今回両氏が直接対話しているわけではありませんが、2005年に佐賀県で行われたプルサーマル公開討論会の模様(参考記事)を知る人にとっては、「因縁の対決」とも言える記事になっているように思います。

記事名

「プルトニウムは飲んでも大丈夫」原子力村の東大教授へ
(週刊現代 2011年6月11日号 5月30日発売)

小出裕章氏のコメント(転載)

「毒物というのは体への取り込み方でその毒性は変わります。プルトニウムの場合、水として口から飲むより、空気中に微粒子として飛ぶプルトニウムを鼻から吸い込むほうが怖い。ほんの少量でも吸い込むと肺がんで死んでしまうリスクが高まるからです。ですから、確かに吸い込むより飲むほうが危険度は低い。
とはいえ、水としてプルトニウムを飲んだとしても、被曝するのは事実。被曝というものに、安全なものはありません。したがって『プルトニウムは怖くない』という彼の発言は、明らかに間違いです」

大橋弘忠氏の見解

週刊現代編集部は、大橋氏に対し、「プルトニウムを飲め」と言われたら飲むことができるのか、また今でも「原発は安全」と言い切れるのか、直接取材を試みたということですが、大学に話すなと言われている、授業が始まるから等の理由で応じなかったそうです。

ただし今回の事故についてはメールでの返答があったということです。概要は以下の通りです。

・今回の事故の原因は津波だけであり、地震動はほとんど関係しない。10mを大きく超える津波は専門家も予想しなかった。津波が電源系をほとんど全滅させることや、海水冷却系の機器を流出させることも想定されていなかった。

・事故については東電はよく対応してきた。後は大きな放射能放出はないと思う。

・まじめに技術的な解説をする人を御用学者のように決めつける風潮があるのは残念。冷静な議論や判断、それに資する報道を期待する。


5月23日 今問われていること 小出裕章 (週刊現代)

2011年5月25日

『週刊現代』の2011年6月4日号(5月23日発売)に、小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)の対談記事が掲載されています。

案内ページ

安斎育郎×小出裕章 事故は必ずまた起きる。それでも動かす理由はなんですか
原発「全炉停止」に反対する人たちに告ぐ

 事故発生から2ヵ月以上が経過し、ようやく東京電力(東電)は福島第一原発1号機がメルトダウンを起こしていたことを認めた。だが、こうした危機が起こりうることを40年以上も前から訴え続けてきた科学者たちがいる。
 安斎育郎・立命館大学名誉教授と小出裕章・京都大学原子炉実験所助教――。
 この二人が、フクシマの現状をどう見るべきか、被曝の危険性をどう認識すべきか、そして“現代の怪物”原発をどう考えるべきかを論じた。

要約

小出先生発言部分の要約です。(たね蒔きジャーナル等で既に述べられていることは一部割愛しています)

・1号機の溶けた燃料は圧力容器を抜けて格納容器に落ちていると思う。その底にある水でかろうじて冷却されている状態。溶けたウランが格納容器を溶かしてコンクリートを突き破ると、地下水を汚染するか、あるいは地下水と触れて水蒸気爆発が起こる可能性もある。

・汚染水の移動など、作業環境の整備が必要。専門知識を持つ人員の確保も課題。

・東電は原子炉建屋地下の汚染水を循環させて冷却に使うとしているが、私は圧力抑制室に既設の残留熱除去系を利用すればいいと思う。

・福島の事故では長期に渡って放射性物質が撒き散らされている。これは人類初の事態であり、様々な対策を検討すべき。

・いま問われているのは、今後も原発に頼るのかどうかという根本の問題。原発の事故は取り返しがつかないということを、今回の事故で学ばないとしたら、いつ学ぶのか。多くの日本人が電気が足りないと豊かな暮らしができないから困ると言っているのを見ると正直言って絶望する。

・原発がなくても、ピーク時であっても火力と水力で電力は足りる。電気が足りなくなるというのは推進側の脅しにすぎない。

・原発はCO2を出さないから環境にいいと推進側は言うが、生命体にとって最も怖いのは放射能だ。CO2の一点だけで原発はエコだとかクリーンだとか言うべきでない。

・産官学の強固な共同体である「原子力村」に加わらない学者の意見は徹底的に無視され、今日に至った。


迫害され続けた京都大学の原発研究者たち 週刊現代

2011年4月13日

週刊現代の2011年4月23日号に『危険性を訴えたら、監視・尾行された 迫害され続けた京都大学の原発研究者たち 熊取6人組』という記事が掲載されています。

熊取六人衆(この記事では6人組とされていますが)については、wikipediaに解説があります。
熊取六人衆 (wikipedia)

この週刊現代の記事では、小出裕章氏や今中哲二氏を始めとして、すでに引退した方たちも含めた計5人の研究者にインタビューをしていて、主に原子力ムラの実態や、国の原子力行政、推進派学者の体たらくについて、貴重な証言を引き出しています。

このような記事を掲載する週刊誌を応援する意味でも、ひとりひとりの方にぜひこの号を購入してほしいところですが、小出先生の発言部分のみ転載させていただくことにします。

「同僚から異端視されることはないけど、京大も国・文科省の傘下にある。その国が原発推進というのだから、傘下の研究所で国に楯突くのは好ましくないという事情はあるでしょうな。嫌がらせを受けたと感じたことはないけど。私もかつて研究費をもらおうと文科省に申請したことがあるけど、審査がまったく通らない。なぜ通らないかは何とも言えませんが(笑)。ああいう研究費って、力をもった教授のお手盛りで決めるからね」

「照明はほとんど使わないんですよ。夜でもね。エアコンももちろんなし。パソコンの画面が明るいから、仕事には支障がない」

「東北電力が女川に原発を作るというのを聞いて、本当に原発が安全なら、なんで電気を一番使う仙台の近くに建てないのかと思ってね。それでいろいろ調べたら、原発はもともと危険を内包していて、都会では引き受けられないから、わざわざ過疎地に作るんだという結論に達したわけ。そうなったら、選択は一つ。反対するしかないと」

「推進派は頭を丸めろということですよ。これまで主張してきたことをどう思っているのか、表明してほしい。何人か謝罪した人もいるみたいだけど、原子力委員会の近藤駿介委員長みたいに、謝罪もせず逃れようとする人もいる。みっともないね。原子力安全委員会にしたって、こんなときこそ仕事をしなきゃならんのに、何してるのか全然見えてこない」

(福島第一原発の見通しについて)「うまくいくといっても、安全と言える状態になるまでは最短で年単位。数カ月では無理でしょう」

(「原発をどうすればいいか」という相談はないんですか?という問いに対し)「ありませんねえ。私が答えるにしても、原発をやめなさいとしか言えないし、意味がない。原発を生き延びさせるための提言なんてないんです」