15年前 日本で原発事故が起きれば経済が破滅する 小出裕章(東京新聞)

2011年8月6日、東京新聞25面にて、小出裕章氏の発言が掲載されていました。コメント欄にてishiiさまより教えていただき、東京新聞を購入して読んでみました。

以下転載。記事の導入と小出裕章氏の発言のみ引用する。
=====
見出し「経済破滅」の大事故を指摘

15年前、当時の京都大学の小出裕章助手と國學院大學の菅井益郎教授が「資源・エネルギーの大量消費と現代社会」というテーマで対談した。旧ソ連のチェルノブイリ原発事故から10年後の事だ。2人は放射線被曝の恐ろしさを指摘、日本でも経済を破滅させるような大事故が起きる危険性について危惧していた。(編集委員・長竹孝夫)

原子炉実験所の鯉で助手(現助教)と日本経済史専門の菅井教授が行った対談内容は当時の国学院大学広報誌「滴(しずく)」に掲載さいれた。一部を二回に分けて紹介する(次回は十三日掲載の予定=敬称略)

■原発事故と被害

小出「自分の一生は原子力に託したいと夢に燃え一九六八年に東北大学原子核工学科に入った。だんだん学んできて、やはり原子力というのは人類が手をつけるべきではないと思うようになった。チェルノブイリ事故で表に放出された放射能は膨大。広島の原爆の比べ八百発分ぐらいの放射能をばらまいた。

小出「被曝の影響は十年、二十年たって出る。原発が大事故を起こしたときどのくらいの被害が出るか。日本の国家予算全部を注ぎこんでも足りない。日本で起きれば日本経済が破滅する」

小出「科学技術が今の世代の人間にある意味、豊かさをもたらしたのかもしれないが、一方で人類滅亡の鍵を作っているという、そういう危うい時代である」

■原発の歴史

小出「原子炉立地審査指針というのがあるが、そこには、原子炉の周りはとにかく非居住区域にしなければいけない。その周りは低人工地帯で、さらに都市から離しなさいと書いてある。もともと過疎地につくれ、というのが原子力の基本的なスタート」

小出「大事故はいきなり起こるのではなく、中事故が積み重なってくるうちに起きるというのが技術の鉄則である。その大事故につながる一歩手前の事故が日本でもどんどんたまっている」

■エネルギー

小出「私の知り合いに、歌をつくって自分で歌っている人がいる。『♪足で扉を開けて 足を使わず階段を登る/電気でお湯を沸かして 電気で野菜をつくる/夜をあんなに明るくしといて 夏をあんなに寒くしといて まだまだ足りないなんて』という歌詞です。もっと、自然に寄り添うような生き方をしなければいけない」
=====
菅井氏の発言にもはっとするものがありました。次回は8月13日。みなさんも東京新聞朝刊をお買い求めになってはいかがでしょうか。

コメントは受け付けていません。