6月30日 テポドン着弾で格納容器が無事でも配管1本壊れればメルトダウンある 小出裕章(スポーツ報知)

2011年6月30日

2011年6月30日スポーツ報知の記事に小出裕章氏のコメントが掲載されていました。

コメント

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関電、変わらぬ“安全神話”強弁「テポドン着弾しても原発は壊れません」…大荒れの株主総会

スポーツ報知 6月30日(木)8時2分配信

 東京電力福島第1原発の事故収束が見通せない中、28日の東京電力に続き、関西電力の株主総会が29日に大阪市内で開かれた。7月から15%節電を求めている関電でも、経営陣は「原子力は必要な電源」との立場を強調。株主からの「北朝鮮が原発に対してテポドンを撃ってきたらどうするか」との問いに対しても、自信満々に「着弾があっても、堅固な立派な格納容器と思っている」と答えた。これには識者も「バカげた返答だ」と批判。電力会社と市民との意識のズレが露呈した形となった。

 関電の総会には、過去最多の2008年を700人以上上回る2244人の株主が出席した。会場外の炎天下にも負けない熱気の中、関電経営陣は「原子力を“中心とした”最適な電源構成を構築する」と、原発事業の拡大の意向さえ示唆。「脱原発」とかけ離れた感覚に、文字通りの“爆弾発言”が浴びせられた。

 「北朝鮮が原発に対してテポドンを撃ってきたらどうしますか。その対策を教えて下さい」―男性株主の質問に、原発事業の担当役員である豊松秀己常務取締役(57)が答弁に立った。「テロ対策は、侵入があれば治安機関に通報する。大規模テロには対策本部を設置し、テポドンの場合は国民保護対策本部を作って国と対応する」その上で「仮に着弾があっても、堅固な立派な格納容器と思っている」と言い放った。関電の原子炉11基は日本海に面する福井県内にあるが、弾道ミサイルの標的になっても「大丈夫」との強弁だった。

 根拠は不明だが、自信満々の“安全保障宣言”。原子力発電に長年警告を発してきた京大原子炉実験所の小出裕章助教(61)は、この発言を大いに疑問視。「仮に格納容器が壊れなくても、配管1本が壊れるだけで炉心溶融(メルトダウン)が起こりえる。格納容器が大丈夫だからというのは、もともと成り立たないバカげた返答」と、関電の見解を一蹴した。

 原発の在り方をめぐり、総会の時間も過去最長の4時間51分に及んだ。株主提案は「自然エネルギー発電への転換宣言」「すべての原発停止」など原発事業に関するものや、経営陣の責任を問うものに集中したが、すべて否決。「15%の節電を求めるなら、役員報酬も15%ぐらい削減したら」と発言した男性株主もいたが、議長の森詳介会長(70)は質問として認めず、何事もなかったかのように議事を進行した。

 電力会社と市民の間に意識の隔たりを抱えたまま、関電管轄地域ではあす1日から、「節電15%要請」の毎日がスタートする。

 ◆テポドン 北朝鮮の多段式弾道ミサイル。1号は射程1500~2000キロで日本全域が射程圏に入る。1998年8月に発射され、日本列島の上空を飛び越えた(北朝鮮は人工衛星の打ち上げと発表)。2号は1号を改良し、射程6000キロといわれるが、06年7月の発射実験は失敗。名称はミサイル基地のある咸鏡北道・大浦洞(テポドン)から取ったとされる。

転載元:関電、変わらぬ“安全神話”強弁「テポドン着弾しても原発は壊れません」…大荒れの株主総会 (スポーツ報知) – Yahoo!ニュース

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6月29日 東電の前提に立てば水素爆発と水蒸気爆発の恐れがある 小出裕章(MBS)

2011年6月30日

2011年6月29日(水)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。

番組案内

2011年6月29日【水】
きょうの関電株主総会は原発一色
関西電力の株主総会がきょう大阪市内で開かれ、これまでで最も多い2244人の株主が出席しました。今夜の番組では、株主総会に出席した株主の1人に電話をつなぎ、総会の様子や、出席して感じたことなどを、詳しくうかがいます。
また、きょうも京大原子炉実験所の小出裕章さんに、福島原発事故の問題について解説してもらいます。

録音

20110629 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

内容

※()内はラジオパーソナリティーの質問。地の文は小出裕章氏の返答です。

・(原発問題を担当する大臣に細野氏「避難準備区域を縮小することを検討する」。事故が収束していないのに、そんなことをして大丈夫か。被曝する人が増えるのではないか?)とても難しい。3月11日を境に世界は変わってしまったと発言してきた。被曝を避けようとすると生活が崩壊してしまう地域が広大にできてしまった。日本は法治国家と言われている。この法律では1年間に1ミリシーベルト以上の被曝をさせない。この法令を守るのは国の義務。この義務に従って国民を守らなくてはいけない。1年間に1ミリシーベルト以上被曝をするところは国がきちっと仕組みを作って人々を避難させなくてはいけない。ところが国は謝罪もなしに1年間に20ミリシーベルトの被曝をさせることを決めた。19.9ミリシーベルトでも許してしまうと言った。法治国家ではないと国が言っている。私は1年間1ミリシーベルトだと思っているが、これをやろうとすると福島県に相当するくらいの広大な面積を無人にしなければいけなくなる。これを国として実行出来るか、その日本を私たちは支えることができるか。そういう選択を迫られる国に変わってしまっているのです。

・(細野大臣はもどってきていただく条件に挙げているのは1つは、工程表のステップ1が達成していること。原子炉の安定的な冷却がなされていること。目処が7月17日。これは現実的に考えられるか)全く出来ません。もう6月も末なわけです。とうていできません。

・(循環冷却がうまく稼働するかと関わってますか?)それも関わっていますが東京電力自身がすでに炉心がメルトダウンをしてしまっていると認めている。循環冷却が仮にできたとしても安定的な冷却はもう既に出来ません。東京電力が言っているように炉心が既にメルトダウンしてしまっていてメルトスルーもしてしまっているとすれば安定的な冷却は出来ません。

・(スルーしているという前提で考えたときに地中にコンクリートで壁を作るのは、お金がかかるから東京電力が嫌と言っているんですかね?)というように報道で聞きましたけれども、お金がかかるって1千億円といったのですね。そんなちゃちなことをなんで躊躇するのかと私は思います。事故で生じた被害を本当に保障しようと思えば何十兆円払ったって保証できないという事故。それを1千億円をけちるということでは、おかしいと思います。

・(小出氏の意見は、汚染水が地下水にドンドンいってしまわないように。コンクリートで地中に壁を作るというもの。それに対して1千億円のお金がいるのではないかと言われているが東電は先に進めていないわけですね?)みたいですね。

・(そうなりますと1千億円で壁を作るかどうかということについても、安定的な冷却ができるんだという大前提では壁を作ることが早急な策だということに思い至りませんよね?)そうです。私が言う壁というのは汚染を広げないというだけのものです。(防御の策であって攻めの策は取れないという意味ですよね)そうです。(いまだに安定的な冷却を目指すという大前提を国がとり続ける限り、防御ができないままドンドン汚染水が地下に流れているということに?)そうですね。汚染水の汚染を除去する装置だとか言っていますけれども、これは単に溜まっているものをぐるぐる回すということで、溜まっている状態が解消されるわけではない。溜まっている間にドンドン漏れているわけです。私はその前にやるべきことは溜まっている水をどかすということ。だがそれすらやらない。

・(避難準備区域の縮小について、細野大臣が挙げているもう1つの条件は、水素爆発が起こらない状況が確実にわかれば、ということ。水素爆発はもう怒らないんですか?)東京電力が言っているように炉心がメルトダウンしているとすれば水素爆発はもう起きないと思います。(それはいい意味として捉えればいいのですか?)どちらにも取れますけれども水素というのは燃料棒の被覆管が水と反応してできる。燃料棒の被覆管が全部水と反応して跡形がないというのであれば、水素爆発は起きないのですが、炉心がもう溶けてしまって手のうちようがないということになります。

・(3号機に窒素を入れるとか入れないとか言っていますけど、あれは水素爆発を懸念しているのではないですか?)そうですね。そういう事でしょうけれども、それならばまだ炉心の全部が崩壊しているわけではないという前提にたっている。もしそうならば水素爆発の可能性もあるし、私が一番おそれている水蒸気爆発のおそれもある。

・(水蒸気爆発のほうが恐ろしいですか)私はそうだと思います。

・(事実がどうであるかによって、何を先にすべきかが違ってきますね)はい。でも今、どういう状況にあるかということすらわからないのですね。

・(水蒸気爆発が起こらないようにという防御はいましているのですか?)水をいれるということです。水を入れ続けてこれ以上炉心が崩壊しないようにするということ以外ありません。

・(収束はあるんですか?)ことがここまできてしまうととても難しいと思いますが東京電力が言っているようにまだ炉心の半分までは水があると、原子炉の推計がそれを示しているんですけれども、もしその状態でとどまっているのであれば、原子炉の中に水を入れてこれ以上溶かさない。そして循環系の冷却ができるのであれば、それなりの安定的な状態に持っていけると思います。

・(それなりの安定的な状態。ではそこからは放射性物質は出ないんのですか?)もう既に圧力容器にも格納容器にも損傷があるということが分かっていますので、汚染水がいずれにしても漏れてきてしまう。その漏れてきた汚染水を炉心の中に戻すという循環式の回路ができれば全然出ないわけではありませんけれども、外から水を入れてドンドン汚染水を溢れさせるというこれまでのやり方からは逃れることが出来ますし、外部に広げる汚染はそれなりに少なく出来ると思います。

・(大前提をどこのレベルに捉えて今できる限りのことをやるか。大前提を国は間違えているかもしれない、とこいで先生は思われるわけですね?)そうです。

・(ここのところ国は変わりませんね?)国会議員の人と話をさせていただきましたけれども、タンカーを検討していて今にもできるようなことをたしかおっしゃった。と思いますけれども、アレから半月くらいたったのでしょうか。何も動いていません。いったいどうなっているのかなあと私は思います。


6月28日 全国の原発で使用済み燃料を密に詰めなおし余裕を切り落としている 小出裕章(MBS)

2011年6月29日

2011年6月28日(火)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。

番組案内

9000人以上の株主が詰めかけた東電の株主総会。怒号が飛び交う中、混乱の幕開けでした。原発被災者の株主は、福島に帰ることができない無念を訴えるとともに、原発撤退を求めました。この株主から提案された原発撤退は否決され、総会に出席した多くの株主の怒りは収まらないままの閉会。それでは、原発は投資に値するものなのか?株主はどのように判断するべきなのか?投資家の助言機関大手の「日本プロクシーガバナンス研究所」の吉岡洋二さんに聞きます。
京都大学の小出先生とは、話題のあの映画について話します。

録画

20110628 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

要約

・(昨日の核のゴミの話に引き続き伺いたい。昨日の話は発電するときに核のゴミを生み出し、全国の原発で行き場がない。六ヶ所再処理工場に作った燃料冷却のプールも満杯。置場が無くなっている使用済み核燃料を冷やすプールの容量が足りないので、本来なら間隔を空けて保管しなくてはいけないものを詰め込んでいるという話を聞いたんですが?)私たちはそれをリラッキングと呼んでいる。元々は使用済燃料を安全に保管するためにはこの程度の感覚で詰めたほうが良いとプールに入れてきたが、スペースがなくなってきたので密に詰め始めている。ビールやワインを箱に詰めるときには間に緩衝材を置いて、触れないように割れないようにする。その緩衝材を(使用済燃料プールでは)とっぱらって詰めるようにしている。冷却ということをもっと考えなくてはいけない。核分裂の連鎖反応がまた始まってしまうかもしれない。ギリギリという限度という余裕を切り落とそうとしている。

・(リラッキングは極めて稀なのか)全国の原発でやろうとしている。(外に出す保存が行なわれているというふうに聞いているが)本来は使用済燃料を取り出した直後は水で冷やすほかありません。プールに沈めて冷やすのが有効。4年から5年冷やしておけば線量が減る。ある程度冷えたあとは水にに頼らないで保管したいと思うようになるものです。既に実績があり、大部分は金属製のキャスクというものの中に入れて、空気中に放熱する工夫を山のように凝らして、水で冷やさないですむようにするもの。実績もそれなりにあります。

・(それならまだまだ核のゴミが出てきても保管できるのか?)すでにもう核のゴミが出続けてきてもうどうしようもない状態になって、再処理工場を作りそこに移したわけですが、再処理工場自身動かないし、原子力発電所が動いている限り核のゴミが出てしまう。仕方が無いので乾式貯蔵をしなければいけない事になった。そして今は青森県のむつ市に東京電力が5000トン分の乾式貯蔵施設をつくろうとしている。六ヶ所村の再処理工場のプールは3000トンです。

・(本当はプールで冷やさなくてはいけないものをしょうがなくやってる状況なわけですね?)はいそうです。

・(私ある映画を見まして、「100000年後の安全」というものです。この映画の中でフィンランドでは地下500メートルのところに大量に眠らせようとやっている。とりあえず10万年眠らそうということができるのかという映画。核のゴミに撮って10万年という値はどういう時間を意味するものですか?)皆さん10万年後を想像できるでしょうか。日本では高松塚の古墳が出たと言ってるわけですが、1000年2000年の前のこともわからないと言ってる中で興味があって調べている。それが10万年、私は100万年と思っているのですが、人間としては想像を絶する時間の長さのことを話しています。

・(少なくとも10万年この建物がもつはずだとフィンランドの技術者達は作っているらしが、まず1万年もった建物は誰も見たことがなく6万年後には氷河期が来ると考えられており、10万年後に「あけないでください」と書いておいても、人類がいるかもわからないと思うのだが?)居るはずがないですね(笑)。5000年前の石に書かれた言語を私たちはわからない。

・(フィンランドの人は少なくとも最終的なことに決着をつけようと向き合っていると思ってたのだが?)私たちの世代が原子力に手をつけてしまって、どうしようも無いゴミを生み出している。なんとか決着を付ける責任は私たちにある。しょうがないから地下に埋めようとしている。私はその方法すら正しいとは思いません。せめてゴミは生み出さないようにしたい。原子力はやめたほうがいいというのが私の意見です。

・(東電の株主総会で原発推進の方向は変わりませんでしたが?)不思議ですね。東電は何十回倒産してもまだ足りないぐらいの被害を今起こしているわけで、株主の方は1銭の配当も得られない。投資したものが全部なくなるという事態に至っている。それなのになぜ原子力を推進するのか私にはわからない。どういう社会システムで今の社会が成り立ってるんですかね。


6月26日 小出裕章氏出演ドキュメンタリー「その日のあとで~フクシマとチェルノブイリの今~」(MBS)

2011年6月28日

2011年6月26日に毎日放送で放送されたドキュメンタリー「その日のあとで~フクシマとチェルノブイリの今~」に小出裕章氏が出演されました。コメント欄にてJUNさま他たくさんの方より教えていただきました。

録画

動画は4分割されています。

その日のあとで~フクシマとチェルノブイリの今~(1) ※小出裕章氏出演

その日のあとで~フクシマとチェルノブイリの今~(2)
http://www.youtube.com/watch?v=z0zDCZFf9hw

その日のあとで~フクシマとチェルノブイリの今~(3)
http://www.youtube.com/watch?v=zZOWyZukFCQ

その日のあとで~フクシマとチェルノブイリの今~(4) ※小出裕章氏出演


6月27日 ストロンチウム内部被曝はホールボディカウンターではわからない 小出裕章(MBS)

2011年6月28日

2011年6月27日(月)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。

番組案内

2011年6月27日【月】
「一定のメド」が生まれた瞬間~平野博文・元官房長官
自民党議員に政務官就任を打診、亀井氏には副総理を固辞され、と今日も話題に事欠かない菅政権。思えば6月2日の菅首相と鳩山前首相との「確認事項」なる覚書が事の発端でした。この文書を作成した張本人で「鳩菅会談」にも同席した平野博文元官房長官を東京スタジオに招いて「一定のメドの真意」、迷走する民主党政治の針路をどうみるか直撃します。京大・小出先生の原発事故解説も。

録音

20110627 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

内容要約

・(汚染水をいかにして浄化していくかという課題。本日も夕方始まったが1時間半で停止。感想を教えてください。)今日夕方からやったのはいわゆる循環冷却という試みをして、それがうまくいかなかった。その前にやっていたのが汚染水の浄化作業。これもトラブルを繰り返しながらここまできた。技術というのはトラブルを経験しながら一歩一歩行くしか無いもの。循環冷却もトラブルが続く。乗り越えながらなんとかやるしかない。うまくいって欲しい。

・(やり方を学んでうまくいくものなんですか?)わかりません。原子力発電所の事故は放射能を相手にします。普通の工場のトラブルであれば直して乗り越えていけばいいが、原子力発電所の事故の場合は放射能があり被曝は避けられない。トラブルがあれば被曝が重なる。そしてトラブルによって汚染が広がっていくので被曝がおおくなってしまう。

・(しかしこの方法しか今はないんですか?)循環冷却はずっとやって欲しいと言い続けていました。原子炉の炉心がまだ健全であれば絶対やらなければいけないし、やるべきだと思ってきた。しかし、5月の中頃に東京電力が既に炉心がメルトダウンをしてしまっていると主張を変えたわけですから、循環冷却には意味が無いかもしれないと思っている。

・(梅雨で水位が上がるが、溢れ出すという可能性がありますよね)なんとか避け無くてはいけないが、既にもう漏れてしまっているわけですから、汚染水を循環冷却をしようとしまいと循環冷却が成り立つか成り立たないか、そんなこととは全く無関係に汚染水を除去しなくてはいけない。これが進んでいないことが私には不思議です。

・(福島県民の被爆調査が始まった。調査のやりかた今のもので十分でしょうか)よくわかりません。いわゆる原爆被爆者の調査をずっとやってきたわけで、その経験を何とか活かしながらやろうとしているのだと思う。何月何日にどこにいたかということを聞き取り調査しながら、積み上げていくということ。考えて欲しいのですが、100日前のある時に自分がどこで何をしていたかを正確に思い出すことができるかというと、かなり不正確だろうと思う。かなりの誤差をもってしか評価できない事になっていると思う。内部被ばくを測定するということも、全く手段がないわけではないが100日も前の内部被ばくの量を評価するのはほとんどできないというか、相当な困難がある。

・(調べる放射性物質がヨウ素とセシウムだけでいいのですか)本当はよくありません。プルトニウムも敷地内で検出されたし、敷地外でも距離の近いところでは被曝はあったと私は思う。セシウムについで重要なのはストロンチウムだと思うが、これはホールボディーカウンターで測っても測定できない。(え? ストロンチウムはホールボディーカウンターではわからないのですか)わかりません。私たちのバイオアッセイという、おしっことかうんことかいわゆる排泄物を分析することでしかわかりません。仮にそれをやったところでもものすごい誤差がある。

・(ストロンチウムは大変人体に影響がある物質ですよね)そうです。(わからないんですか)はい。(影響が出てきて初めてわかる?)推測の手段はいろいろあります。土がセシウムでどれだけ汚れている。ストロンチウムでどれだけ汚れている。あるいは水がセシウムでどれだけ、ストロンチウムでどれだけ。食べ物がセシウムでどれだけ、ストロンチウムでどれだけ、ということを積み上げていけば、セシウムの汚染度とストロンチウムの汚染度がそれなりにわかる。人間の中に取り込んだ量がどれだけ。被曝がどれだけ。であると推定することはできる。しかし相当大きな誤差を含んでしまうことは覚悟しなくてはいけない。

・(調査結果だけで安心してくださいとは福島の人には言いにくいということですね)はい。言いにくいし、結果が出るのを見るのは何十年も調査を続けて、癌で死ぬ方の数を見るわけですから。大変な作業がこれから待っていると思わなくてはいけない。

・(原発で生み出される核燃料のゴミについて。使用済み核燃料が燃料プールで冷やす必要があるが、全国の原発で行き場のない使用済み核燃料がそれぞれの場所で保管され続けているという報道があったが、プールの7割はすでに使用済み核燃料いわゆる核のゴミで埋まってしまっているということですが、これどこへ持って行くんですか)これまでは原子力発電所の敷地には使用済み核燃料は残らないと国も電力会社も言ってきた。なぜなら再処理を必ずやるので、再処理工場に送りますと約束をしてきたから。従来はイギリスとフランスの再処理工場におくってしまって向こうで再処理をしてもらうということにしながらここまで来た。最近、イギリスやフランスに頼まず自分の国で再処理をしようと青森県の六ヶ所村に再処理工場をつくろうとした。だが、本来なら1997年から操業開始するはずだったが、難しい課題が次々に出てきて未だに実現していない。再処理工場には使用済燃料を受入れないと、原発の使用済燃料プールがどん詰まりになるというので3000トン分の使用済燃料プールを前倒しで作って、そこにすでに3000トン分だけ受け入れた。既に六ケ所の使用済燃料プールもいっぱいになっている。このまま行くともうすぐ各地の原子力発電所の使用済燃料プールがいっぱいになって、糞詰まりになって原子力発電所を止めなくてはいけなくなる、そういう状況に近づいてきた。

・(地上で保管しようという案。そんなことできるのか)それを私たちは中間貯蔵施設と呼んでいる。なぜ中間と呼んでいるか。その後再処理をするので再処理ができるようになるまでの中間的な置場。すでに東京電力は青森県のむつ市、下北半島の最北端。そこに5000トン分の使用済燃料の保管施設、中間貯蔵施設をつくろうとしている。既に建設が始まっている。(あぶなくないんですか)もちろん危ないです。5000トンなんていうのは、1つの原子力発電所が1年間で生みだす量に比べると160倍から170倍ある。とほうもない核のゴミを貯蔵するということになる。

・(地震で倒れたりして、地上にあるものがどうなるのか)可能性は0ではないわけで、だからどこの自治体でも受け入れたくないと言ってきた。しかし青森県のむつ市が受け入れるという決断をして建設している。


6月25日 小出裕章氏の講演動画(八戸市)質疑応答動画もあります

2011年6月26日

2011年6月25日に小出裕章氏の講演が青森県八戸市で行なわれました。その様子を録画した動画がUstreamに掲載されていました。コメント欄にてedokko311さま、tsukisamaさま、ねずさま、hassan_mukoさまより教えていただきました。

講演概要

「私たちの暮らしとエネルギー 今こそ知りたい! 小出さんに聞く わかりやすい原子力のお話」
 日時 2011年6月25日(土) 開場 14:00 開始 15:00
 会場 八戸市総合福祉会館・多目的ホール
 お話 小出裕章さん(京都大学原子炉実験所・助教)
 会費 大人 1,000円 大学生 500円 高校生以下 無料  託児あり
 主催 PEACE LAND  http://peaceland.jp 後援 青森県保険医協会ほか

講演動画

http://www.ustream.tv/recorded/15604038

質疑応答動画

http://www.ustream.tv/recorded/15606233


5月10日の小出裕章氏インタビューが文字で読めます

2011年6月26日

注意:このエントリーで紹介する動画と書き起こしは、2011年5月10のインタビューです。

2011年5月10日に小出裕章氏がジャーナリスト岩上安身氏からうけたインタビュー動画が、現在、書き起こしされ文字で読めるようになっています。コメント欄にてedokko311さまに教えていただきました。

動画(既出かもしれません)

110510 小出裕章氏インタビュー from iwakamiyasumi on Vimeo.

以下に紹介したリンク先に「書き起こし」が掲載されています。文字で内容を読めます

2011/05/10 小出裕章氏インタビュー – Web Iwakami