2月27日【大阪】第111回 原子力安全問題ゼミ ―小出裕章氏 最終講演(動画)

「原子力安全問題ゼミ」

2月27日の京都大学原子炉実験所において1980年から行われている自主講座「原子力安全問題ゼミ」で、小出裕章さんが「原子力廃絶への道程」と題し在職中の最終講演を行いましたが、その記事と動画抜粋がIWJのWebサイトおよびYoutubeに公開されていましたので、このブログでも共有させていただきます。また、小出さんの講演部分の文字起こしも行いました(抜粋)。なお、講演の全てはIWJ会員のみが閲覧できます。

2015/02/27 【大阪】第111回 原子力安全問題ゼミ ―小出裕章氏 最終講演(動画)

大阪府熊取町にある京都大学原子炉実験所において1980年から行われている自主講座「原子力安全問題ゼミ」で、2月27日(金)14時より小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が「原子力廃絶への道程」と題し在職中最後のゼミ講演を行った。長年に渡り原発の危険性を訴えてきた小出氏は3月で定年退職を迎える。

▼小出さん講演部分の文字起こし(抜粋)

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ずっと生きてきました。
ところがそうこうするうちに、私は定年というものになってしまいまして、仕方がない、お前1回しゃべれと今中さんが言うもんですから、まあ諦めて、今この場に立っています。

今日は私は原子力廃絶までの道程ということで、原子力というものがどういうもので、これまでどういう歴史を辿ってきたのかと、これから本当に廃絶できるんだろうかということで、私が思っていることを聞いていただこうと思います。

これは皆さんご存知だろうと思いますが、人類が初めて炸裂させた原爆、トリニティという名前が付いていました。
この中にクリスチャンの方もいらっしゃると思いますが、キリスト教の中ではたいへん重要な教義だそうです。
え、そのトリニティという言葉を使って、人類初めての原爆が炸裂しました。
これが炸裂したのは、1945年の7月16日です。
これも皆さんご存知だと思いますが、ポツダム会談という会談がドイツのベルリンの郊外の由緒正しきというか、古いポツダムという町で開かれた、その日に合わせてこの原爆が爆発させられました。
ポツダム会談、もちろん戦争していたときに、日本にどうやって降伏韓国を突き付けるかということで、米英露3国の首脳が集まって会談を開いた、その日です。

長い年月をかけて、米国は原爆を作ろうとしてきて、ようやくにして、これでできた筈だと思って、この会談に合わせて、爆発実験をしたわけであります。
実験したのは、ニューメキシコ州の砂漠、アラモゴルドというところです。
砂漠の一角に原爆を据え付けて、作った物理学者、軍人たちがみんな集まってきたわけですが、この爆弾が本当に爆発するかどうか分かりません、でした。
半信半疑のもと、学者も軍人も遠く離れたところにまずは避難をして、スイッチを入れた途端にこんな火の玉が立ち上がって、爆心地のものは溶けてしまう。
何キロも離れたところで見ていた学者、軍人のところに、猛烈な爆風が吹き寄せてくると、そういう爆弾が作り上げられたのでした。

この爆弾は、しばらくして実戦で使われました。
皆さんご承知の通り、広島です。
アラモゴルドは砂漠です。
人間がみんな逃げて、遠くで見ているところで炸裂した、火の玉が出来て爆心地のものは溶けてしまうということは事実として知った上で、米国という国は、広島という町にこの爆弾を落としました。

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▼動画 Youtube

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