4月27日 4号機核燃料プール損傷の影響 小出裕章

2011年4月27日

4号機の使用済み核燃料プールから水が漏れている可能性を東電が4月26日に発表したこと、及び水棺化作業が進行していることに関連し、ジャーナリスト木下黄太氏が小出裕章氏に取材した内容が公開されています。

チェルノブイリから二十五年、日本政府は教訓をくみ取る気があるのか
(2011-04-27 04:08:49)

小出先生の部分のみ転載させていただきます。全文は上記記事をご覧ください。

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さてさて、格納容器に水を入れると言う水棺作戦について、小出先生にも話を聞きました。小出先生は「水棺にできればいいのですが、そもそも格納容器がまず、あの水の重さに持つのかどうかということを考えると、難しいのではないかと言う気がします。もちろん容器の健全さが本当に保たれているのかどうかは、私にはわかりません。そもそも格納容器は水を入れないものですから、想定外のことをおこっています。仮に水が入ったとしても、その先どうなるのかはよく見えません。だから、この方法がうまくいくかどうかは確信は無いと思いますよ。他の号機は無理ですしね」とも。
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この他に、元々あった情報がさらに追加されてきている四号機の核燃料プール情報です。もれているという話も報じられていますが、さらにそこが抜ける可能性もいわれ始めています。核燃料プールが底抜けで崩壊した場合についても小出先生に聞いてみました。「木下さんにも、前に言いましたが、そもそも四号機のプールが危ないのは僕らも思っていますが、たぶん水蒸気爆発は、僕はすぐにはおきないと思いますよ。プールにつかっていたものが落ちていくので、それから溶け始めて、さらに下まで落ちて水があって反応する形にならないと。だけど、むき出しになると冷やすのも難しいし、反応も進み、線量も出るから致し方ない状況になると僕は思いますよ。」とおっしゃいます。
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4月26日 4号機汚染水は本当に3号機から? 小出裕章

2011年4月26日

2011年4月26日(火)、MBS(毎日放送)ラジオたね蒔きジャーナルに、京都大学原子炉実験所助教小出裕章氏が出演されました。

2011年4月26日【火】
福島元年にチェルノブイリ25年を考える~広河隆一さん
きょうはチェルノブイリ原発事故から25年。はるか遠くの地の昔の出来事だと思っていた原発事故は私たちの直面する最大の難題となってしまいました。チェルノブイリを何度も取材し、福島原発事故翌日には現地入りもしているフォトジャーナリストでDAYS JAPAN編集長の広河隆一さんに「今、私たちがチェルノブイリから学ぶべきこと」を聞きます。京大・小出先生の原発事故解説も

今回も、小出先生の出演部分を録音、公開してくださっています。

【福島原発】4/26/火★1-土壌汚染について 2-4号機 地下汚染水濃度高まる 1/2

【福島原発】4/26/火★1-土壌汚染について 2-4号機 地下汚染水濃度高まる 2/2

以下、要約です。(全体文字おこし転載はその下にあります)

・(郡山市の保育所や学校で園庭、校庭の汚染土を除去する話が出ているが)除去したほうがいい。それは過剰反応ではない。被曝はあらゆる意味で危険であり、どんな時も除去したほうがいい。特にこどもは大人より放射線の感受性が高い。

・(文科省は地上1メートルで測定しているが、郡山市は独自に1センチメートルのところで測定している。これは?)意味がある。というのは地面が汚れているため、表面近くで測ったほうが土地の汚染がより正確に分かるから。大人の場合は被曝量を考える上で1メートルで測ればいいという専門的な合意がある。が、地べたで這い回り泥まみれになる子どもたちのためには、低いところで測ったほうがいい。

・(除去した土の処理は?)一般のゴミ処分場ではだめ。福島原発の周辺の汚染はものすごく、残念ながら住民は元には戻れないと予測している。そこを無人地帯にし、汚染物質はそうした場所に集めるしかないと思う。放射能汚染は消すことはできず、一般の処分場に入れたら後の管理ができなくなる。どこかに集めるしかない。

・(進行中の今の時点で汚染物を集めるのは早過ぎるのでは?)そうかもしれない。今後もっと強い放射性物質が降ってくるのを私は懸念している。しかし、子どもたちは今生きている。今の時点で綺麗にする責任がある。

・(掃除機で校庭を吸い続けるのはどうか?)多分効果はない。土はそのものが汚れていて、掃除機で吸い込めるものではない。表面から数センチ分を除去して新しく入れる必要がある。まだ事故が起きて一ヶ月ちょっとであり、土の汚染は表面から2〜5センチ程度だろう。

・(やれることは何でもやったほうがいいと小出先生は言っていたが、水棺についてはしないほうがいいとしている。水棺に失敗したらどうなるのか?)一部破損している格納容器が、それによって余計に破損してしまう。もともと格納容器は大量の水をいれる設計になっておらず、トラブルが起こりかねない。水をいれることで損傷が拡大する可能性もある。

・(明日から注水量を2.3倍に増やすとされているが?)これまで水を漏らしながら注水を続けてきた。が、1号機の状況を見ると期待通りには冷えていない。そこから水棺の発想が出た。いままでより多い水を入れてみようという話。

・(水棺作業によって格納容器が倒れたり崩壊する恐れは?)格納容器が倒壊したり崩壊したりすることはないと思う。損傷が拡大し水がもっと多く漏れてくることは心配している。これが原因で爆発につながるとは思わない。東電と保安院によると、1号機には水素爆発の危険があるということで、窒素を注入していた。それを本当に心配していたのなら、水棺はしてはいけない。水棺をすると気層が狭まってしまい水素が濃縮されやすくなるはず。

・(ではなぜそのような矛盾したことをしているのか?)分からないが、私はもともと格納容器の水素爆発を防ぐために窒素を入れること自体に疑問を持っていた。もしそれをするなら2号機や3号機でしなければいけないはず。東電はちぐはぐなことをしている。

・(4号機の地下の汚染水の濃度が一ヶ月で250倍に高まったことについて)東電は3号機から来ているとしており、その可能性はあると思う。私は4号機の使用済み燃料プールの損傷が進んで、そこから漏れてきている可能性もあると思う。4号機は考えようによっては難しい問題をはらんでいる。原子炉の中で溶融する可能性はないが、燃料プールの状況によっては事故の進展が大きく変わりえる。4号機は既に爆発で建屋の壁が損傷しており、プールそのものが崩壊する可能性もある。そうなると水がたまらなくなり、外から水をかけつづけても溶融する可能性が高い。そしてその水は外に出てしまう。

・(福島県から先生への質問が増えている。明日もよろしくお願いしたい)はい。

ブログSleepingCatsにて、小出先生部分の書き起こしをされています。転載させていただきます。

4月26日MBSラジオ小出裕章氏「学校の土壌汚染、水棺、4号機地下汚染水等について」

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メインキャスター(以下「MC」):水野晶子
コメンテーター:平野幸夫・毎日新聞「ほっと兵庫」編集長

※完全な文字起こしではありません。
 また、誤字脱字等、ご了承下さい。

MC:京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺います。
  小出先生、こんばんは。

小出氏:こんばんは。

MC・平野氏:よろしくお願いします。

小出氏:よろしくお願いします。

MC:今日はまず、土壌汚染、土の問題ですね、
  この土壌の汚染から如何に子供達を守るかについて伺いたいのですが、
  福島県の郡山市、ここは福島第一原発から60km程離れた所ではあるのですが、
  今度小学校・中学校・保育所などで、校庭の土を除去する、と、
  表面の土、表土を除去するという話が出て来ました。
  これは、放射性物質が含まれているとみられる土を、
  何とか除いて欲しいという親御さん達の希望があったという事なのですが。
  もともと文部科学省が基準としているのは、
  3.8mSv以上だと外で活動しないで下さい、というものですので、
  郡山市の場合は小中学校では同じ値ですけれども、
  保育所の場合、それより低い値でも園庭の表面の土を除去しよう、
  という話になっているのですね。
  小出先生からご覧になると、どんなふうに映りますか。

小出氏:いいと思います。

MC:除去した方がいいという事ですか。

小出氏:はい。

MC:もしかしたら、過剰反応なのではないかという見方はありませんか。

小出氏:そんな事は全くありません。
  被曝というのは、大人も含めてあらゆる意味で危険です。
  ですから、何とか被曝をしないように、
  どんな時もした方がいいのですし・・・

MC:出来る事なら。

小出氏:はい。
  特に子供の場合には、大人に比べて放射線の感受性が強いので、
  何とか、出来る事があるならば、やるべきだと思います。

MC:この基準について言いますと、
  文部科学省は、地面から高さ50cmから1mの所の空気で
  放射性物質を計っているそうなのですが、
  郡山市の場合は、地面から高さ1cmの所で計るという、
  独自の方法を用いているのだそうです。
  測定する高さが違う事に意味はあるのでしょうか。

小出氏:もちろんあります。

MC:どういう事ですか。

小出氏:要するに、地面の表面が汚れている訳ですから、
  その汚れている表面から、高さが離れれば離れるだけ数値が小さくなってしまう、
  そういう性質があります。
  ですから、なるべく表面近くで計れば、その土地の汚染の強さというのを、
  より正確に知る事が出来ます。
  だから、1cmという所で計るという事は、
  汚染をちゃんと知るという意味では良い方法だと私は思います。

MC:では、国でも1cmで計ればいいではないですかね。
  何で1mとかになるのですか。

小出氏:要するに、空間のガンマー線量率というものを計っているのですが、
  普通の大人の場合には、身長が150cm、60cm、あるいは、180cmという、
  そういう人間を相手にしている訳で、
  平均的な大人の被曝量を考えるには、大体1mで計ればいいだろうというのが、
  私達の合意なのです。
  でも、子供はもちろん背が小さい訳で、50cm位で計った方が良い訳ですし、
  私は、子供というのは地べたに寝転んで泥まみれになって生きるものだと
  思っていますので、むしろ地面そのものの汚染を計った方が良いだろうと思います。

MC:ただ、この土をさらって、その汚染された土をどこにやるのか
  という問題があると思うのです。

小出氏:もちろん、あります。
  もうどうしようもありません。

MC:埋め立て処分場の一角に埋めるという話も聞こえて来たのですが、
  一般のゴミ処分場でいいのでしょうか。

小出氏:全くダメです。
  今もう既に事故が起こってしまった訳で、
  福島原発の周辺は物凄い汚染になっていて、
  私はこんな事を言うのは大変言い難いけれども、
  たぶん、住民の方は元に戻れないと思います。

MC:原発の近くの方は、元の形ではお住まいになれないだろうというのが、
  小出先生の予測ですか。

小出氏:そうです。
  ですから、そういう場所というのはもう無人にするしかないと思いますので、
  汚染したものはそういう場所に集めるという事になると思います。

MC:では、今一旦一般のゴミ処分場に埋めるという話では収まらない。

小出氏:私は、そんな事はしない方が良いと思います。
  放射能で汚染したものを、一般のゴミ処分場などに入れてしまったら、
  後の管理が出来なくなりますので、
  放射能で汚染したものは、それなりの場所に集めるしかない。
  消す事が出来ないのです。
  ですから、どこかに集めるしかないと思います。

平野氏:先生、これは集めると言っても、現在まだ進行形ですよね。

小出氏:そうです。

平野氏:ですから、これ、今の時点でそれをやるというのは、
  まだちょっと早すぎる・・・

小出氏:それはあるかもしれませんね。

MC:さらってもまた次に放射性物質が降って来るという事ですね。

小出氏:はい、その可能性はあるし、
  もっと強い放射能が降って来る事をずっと私は懸念している訳ですから、
  今やった所でまた汚染が生じてしまう可能性はあると思います。
  でも、子供達は、今生きている訳ですから、
  今やはり綺麗にする責任はあると思います。

MC:例えば、掃除機のようなもので、毎日校庭を吸い取るような事をし続ける
  というのはどうですか。

小出氏:たぶん、効果はないだろうな、と私は思います。
  要するに、砂というか土そのものが汚れてしまっているはずで、
  掃除機で吸い取るような事をしても、たぶんダメだと思います。

MC:そういうゴミやチリというような感覚では、もうダメなのですね。
  土地そのものをやはり除去しなければいけない。

小出氏:そうですね、ですから表面から何cmという所を除去しなければ
  いけないとして、そして新しくて新しく綺麗な土を入れる、と。

MC:また入れなければいけない、入れ替えが必要なのですか。

小出氏:たぶん・・・
  例えば、砂をどかしてしまえば、砂場が無くなってしまう訳ですから、
  新しい砂を入れなければいけないと思いますし、
  校庭を1cmずつはぎ取って行って、
  何回か出来るという事はあるかもしれませんけれども、
  やはり綺麗な土を入れるという作業を、結局はしなければいけないと思います。

MC:上から何cm程までさらう必要が本当はあるのですか。

小出氏:それは良く解りませんけれども、
  ただ、まだ事故が起きて一月ちょっとな訳ですから、
  汚れているのはたぶん表面から2cm、
  深くても5cmだと私は思います。

MC:ただそれでも、それだけの砂をさらってどこかに運び、
  また新しいのを入れるというのは、また大変なお金・労力が要りますね。

小出氏:でも、子供の遊び場だけはやって欲しいです、私は。

MC:それから、水棺について伺いたいのです。
  水の棺と書く、この水棺、水で原子炉を全部浸してしまおうという話での
  処理方法を今度やって行こうという話なのですが、
  これは、小出先生は昨日もやらない方がいいのではないか、というふうに
  おっしゃいました。
  今まで、いろいろな方法について、
  小出先生は、やれる事なら何でもやった方がいいかもしれない、
  とおっしゃっていたにも関わらず、
  水棺についてはかなり否定的なご意見ではないかと、
  私は思っているのです。

  それで、ラジオネーム(省略)という方は、
  福島市からメールで小出先生に質問というふうに下さいました。
  「この水棺の作業は、これから本格的に行われるという事ですが、
  もし失敗した場合には、どのような事が起こるのでしょうか」、
  どうした事を懸念してらっしゃるのでしょうか、先生。

小出氏:格納容器が余計破損するという事です。

MC:格納容器は今一部破損しているのではないか、と
  小出先生は見ていらして・・・

小出氏:それはもう私だけではなくて、皆が見ています。

MC:これが余計破損するというのは、どうしてですか。

小出氏:格納容器というのは、もともと水を入れるなんて事を想定していませんし、
  そういう設計にもなっていません。
  そこに何千トンもの水を入れようとしている訳で、
  今まで考えてもいなかった所で、トラブルが起きないか、
  と私は心配していますし、
  特にもう既に格納容器の一部に損傷がある事は確実ですので、
  その損傷が、水を入れた事で拡大する可能性はあると思います。

平野氏:先生、明日から一挙にこれまでの注水量の2.3倍に当たる
  毎時14㎥に増やすと。
  一挙にこういう事をして大丈夫なのでしょうか。

小出氏:要するに、今水を入れて来ている、これまでも入れて来たのです。
  でも、その水は一部は外に漏れて事は確実です。
  でも、今の1号機の圧力容器の状態を見ると、
  期待している通りには冷えていない。
  ですから、何とか冷やしたいという事を東電は思って来た訳で、
  それが水棺という事にも続いて行った訳ですが、
  水棺にするためには、なるべくどんどん水を入れる必要がありますので、
  今までよりも2倍3倍の水を入れてみようと言っている・・・

MC:入れてみようと・・・
  そこでラジオネーム(省略)という方は、福島県のいわき市から下さいました。
  「この水棺の作業で、格納容器が水の重みに耐えかねて倒れてしまったり、
  崩壊してしまったりという恐れはないでしょうか」。

小出氏:何ともよく解りませんが、
  格納容器が倒れたり、崩れ落ちるという事は、たぶん私はないと思いますが、
  今まで既に漏れが起きている、つまり損傷がある訳ですけれども、
  その損傷の部分がより拡大して、水がもっと漏れてくるという可能性は
  あると思います。
  むしろ、高いかもしれないと思っていて、
  それを私は心配している。

MC:その事が何か原因で、爆発に繋がるのではないか、
  というご質問も来ているのですが。

小出氏:爆発という現象には、私は繋がらないと思います。

MC:そういう事ではないのですね。

小出氏:はい。
  まあ、1号機には、東電や保安院の主張によると、
  水素爆発の可能性があるから窒素を入れるというような事を、
  ついこの間までやっていたのです。
  ですから、その事が、本当に彼らが心配していたのだとすれば、
  水棺はやってはいけません。
  要するに、私達が気層と言う、水ではないガス状の空間が
  どんどん狭まってしまいますので、
  水素がより濃縮しやすくなる、と私は思います。
  ですから、本当に東電や保安院が、水素爆発の可能性を心配しながら
  窒素を注入するという作業をしたのであれば、
  水棺はやらない方がいいです。

MC:そうしたら、何故論理が矛盾するような、水棺に拘っているのでしょうか。

小出氏:解りませんけど。
  私はもともと格納容器の中の水素爆発を防ぐために窒素を入れるという事に
  疑問を持っていて、たぶんこの番組でも聞いて頂いたと思いますが、
  もしそんな必要があるのだとすれば、2号機3号機でやらなければいけない、
  と思ってきました。
  そっちではやっていない訳ですから、
  東電がやっている作業は、本当にちぐはぐな事をやっています。

MC:今度4号機の地下の汚染水が、
  非常に濃度が高くなっているという話が出てきました。
  一ヵ月で最大250倍まで濃度が高まりました。
  の原因は何だとお考えですか。

小出氏:東電によると、3号機の方から水が来ているのではないか、
  と言っていますけれども、その可能性はひとつはあると思います。
  ただ、私は、ひょっとすると、4号機の使用済み燃料プールが
  かなりもう損傷が進んでいて、どんどん漏れて来ている可能性もある
  と思っています。

MC:それは、3号機から汚染水が来たという事よりも、
  4号機の使用済み燃料(プール)の損傷が進んでいる事の方が、
  リスクは高い事なのですか。

小出氏:4号機というのは、とても考えようによっては難しい問題をはらんでいて、
  運転していませんでしたから、本来は原子炉の中にある燃料が、
  使用済み燃料プールという方にあったのです。
  ですから、原子炉そのもの中で溶融するとかいう可能性はない訳ですけれども、
  その分が使用済み燃料プールにありましたので、
  そこが一体どういう状況にあるのかによって、
  事故の進展は大きく変わると思います。
  そして、4号機の使用済み燃料プールは既にもう水素爆発を起こして、
  建屋自身が吹き飛んでいますし、
  建屋の壁までが損傷しているという事が解っていますので、
  使用済み燃料プールがそれこそ崩壊する可能性もあると思います。

MC:プールそのものが崩壊する可能性・・・
  そうしたら、どうなるのですか。

小出氏:そうなると水を溜める事が出来ませんから、
  外からまた水をとにかく入れ続ける、掛け続ける、
  という事になると思いますけれども、
  燃料が溶融する可能性は高いと思います。

MC:その水はどんどん地中に入って行き、また海水に・・・
  という事になるのでしょうか。

小出氏:そうです、もちろんです。
  今までも、そうやって水をどんどん掛けたがために、
  敷地中に水が溢れてしまって、
  なんか東電や保安院は、それあまり程海に漏れていないかのように、
  言っていますけれども、
  私は、それはもうどんどん今現在も漏れている、と。

MC:なるほど。
  これを何とか食い止めなければいけない訳ですけれども、
  作業員の方の必死な作業が続いているし、
  また、福島県からこうした先生へのご質問も増えて来ております。

小出氏:はい。

MC:皆さん、本当に正しい情報を知りたいと思っていらっしゃるのが解ります。
  明日もどうぞよろしくお願い致します。

小出氏:こちらこそ、よろしくお願いします。

MC:ありがとうございました。

平野氏:どうもありがとうございました。

小出氏:はい、ありがとうございました。

MC:京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生に伺いました。
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4月25日 どんな技術もやぶられる 小出裕章

2011年4月26日

コメント欄にて、きすけさんとおっしゃる方から、宮崎日日新聞の記事で小出裕章氏のコメントが紹介されていることを教えていただきました。

調べてみると、以下の記事と同じもののようです。転載させていただきます(小出先生部分は太字)。

追加配備の電源、容量不足で冷却果たせず (’11/4/25)

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追加配備の電源、容量不足で冷却果たせず

 東京電力福島第1原発事故を受け、全ての電源が断たれた場合に備えて各電力会社などが新たに配備した電源車や発電機では、ほとんどの原発で原子炉を安定した停止状態にすることはできないことが25日、電力会社などへの取材で分かった。

 容量が小さく、原子炉を冷却する装置を一部しか動かせないのが理由。地震後の福島第1原発と同様に、非常用発電機が使えない場合の代替電源がない状況は事実上、改善されていない。経済産業省原子力安全・保安院は、緊急安全対策の一つに位置付けているが、こうした状態での運転継続は議論を呼びそうだ。

 原発を所有する電力10社と、高速増殖炉もんじゅ(福井県)を持つ日本原子力研究開発機構によると、事故後に電源車や可搬式発電機を原発に配備した。だがこうした電源で動かせるのは計器類や小規模の注水装置だけで「非常用発電機のバックアップとは言えない」(電力関係者)という。

 東京電力だけは、柏崎刈羽原発(新潟県)に配備した4500キロワット1台、500キロワット4台の電源車などで運転中の4基の冷却が可能だとしている。

 ガスタービン発電機の設置などで十分な大容量電源が確保できるのは「2012年度初め」(九州電力)、「2年程度」(北陸電力)と比較的時間がかかる施設と、秋―年内という東北電力東通原発(青森県)、日本原子力発電東海第2原発(茨城県)、関西電力、中国電力、「速やかに」(四国電力、原子力機構)などに分かれている。

 日本原電によると、敦賀原発2号機(116万キロワット、福井県)の安全な冷却には約3500キロワットが必要だが、配備したのは220キロワットと800キロワットの電源車1台ずつ。1825キロワットの電源車3台を手配したが、配備は「来年3月ごろまでに」としている。

 中部電力は東海地震の震源域にある浜岡原発(静岡県)で、廃炉手続き中の2基を含む5基に追加対策。現在ある非常用発電機に加え、津波の影響を受けないように海抜約14~30メートルの原子炉建屋屋上などに新たにディーゼル発電機計9台を設置したが、容量が小さいため、さらに敷地内の高台にガスタービン発電機3台を配備する。

 北海道電力は、泊原発に3200キロワットの電源車1台を配備したが1~3号機共用のため、2年以内をめどに1台追加するという。

    ▽お粗末すぎて言葉が出ない

 小出裕章京都大原子炉実験所助教(原子核工学)の話 お粗末すぎて言葉が出ないような対応だ。配備された電源車では、いざという時に原子炉をしっかり冷やせず、役に立たないのは明らか。大容量の電源車を配備したとしても、さらに想定外のトラブルが起きれば使えない恐れもある。これまで電源問題を放置してきた国の責任も重い。どんな技術も破られるというのが今回の事故の教訓。原子力発電を続けるかどうか考えるべきだ。

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4月25日 情報一本化のリスク 小出裕章

2011年4月25日

2011年4月25日(月)、MBS(毎日放送)ラジオのたね蒔きジャーナルに小出裕章氏が出演されました。

2011年4月25日【月】
JR福知山線脱線事故から6年
107人が死亡したJR福知山線の脱線事故は、きょうで発生から6年を迎えました。今夜の特集では、事故で娘を亡くした、ある遺族の思いをお伝えします。
また、きょうも京大原子炉実験所の小出裕章さんに、原発事故について解説してもらいます。

今日も小出先生出演部分を録音、公開してくださっています。

【福島原発】4/25/月★1情報公開について 2水棺はどうか? 1/2

【福島原発】4/25/月★1情報公開について 2水棺はどうか? 2/2

以下、要約です。(全文文字おこし転載はその下にあります)

・(情報公開のあり方に関して細野補佐官が記者会見の一本化を発表したが評価は?)分からない。もともと一本化は私は大嫌い。それぞれの意見を言う方が好ましい。一本化した情報が間違えていたらどうなるのか。

・(東電と、チェックする立場の国が一本化することについてはどうか?)国はチェックするどころか推進してきた張本人。それなのに偉そうにしている。まず自分たちが悪かったということを反省するところから始めるべき。

・(東電が原発敷地の中の汚染地図を公開したが、作られてから一ヶ月以上公開されなかったのは?)私には分からない。他のこともすべて公開が遅れている。

・(敷地の汚染地図で気になる点は?)1と3号機の周辺にスポット状に高い汚染がみられる。建屋で水素爆発が起きたが、それにより汚染物質が飛び散った影響だろう。

・(一ヶ月経っても毎時70ミリシーベルトの地点があることについて)がれきそのものに近づけばその一桁多い数値になってもおかしくない。

・(毎時900ミリシーベルトのコンクリ破片も見つかったが)普通の人の被曝限度は年間1ミリであり、900分の1時間(※4秒)で1年間の被曝をしてしまう放射線量。

・(そういうがれきを撤去したとしてどう処分するのか?)放射能の墓場をどこかに作ることになる。チェルノブイリの場合はヘリや装甲車などを20kmくらい離れたところに作った墓場に廃棄した。福島のポンプ車などの場合もそれをすることになる。現在福島原発から半径3kmは一時帰宅も不可能になっており、そういう地域につくるのだろう。

・(一時帰宅については食品や家畜の持ち出しは禁止されているが?)科学的には家畜持ち出しはできない。が、科学では測れないものがある。

・(ペットを持ち出すことについては検討されているが?)人もペットも汚染されている。スクリーニングをしながら人は逃がしたが、避難地域で亡くなった人については遺体の持ち出しもできず、難しい状態。

・(馬淵補佐官が1〜4号機に連続地中壁の構想について語ったが可能か?)私の専門ではないが、大量の汚染水が現在海に出ており、それをしても水はなくならないため、他のところから出てくるのでは。一箇所を止めたから止まるとは思えない。

・(格納容器を水でいっぱいにすること=水棺化について)格納容器を水で満たすのは意図的にやっているのではなく、圧力容器の穴から漏れてきて、結果的にたまっている。今の状態は意味がない。もっと水が増えて燃料が水没するのであれば意味があるかもしれないが、いまは格納容器の下のほうに水がたまっているだけでメリットは何もない。

・(圧力容器から漏れているのであれば水棺方式は無理?)もともと無理があると思う。格納容器は巨大で、水で満たそうとすると何千トンもの水をいれることになる。が、格納容器は水をいれるような設計をしていないし、現在損傷があると思われる状況で、損傷がひどくなる可能性もある。

・(一時帰宅する人はマイカーを持ち出せるか?洗車すればOKか?)クルマは比較的汚染を落としやすい。が、放射性物質の除去は汚染地帯でする必要があるため、被曝が発生する。それにやっても全部は取り除けない。チェルノブイリの時は多くの車両が放棄された。

ブログSleepingCatsにてこの放送の小出先生出演部分を書き起こしていらっしゃいます。転載させていただきます。

4月25日MBSラジオ小出裕章氏「会見一本化、汚染物質の墓場、水棺等について」

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メインキャスター(以下「MC」):水野晶子
コメンテーター:平野幸夫・毎日新聞「ほっと兵庫」編集長

※完全なテキスト化ではありません。
 毎度の言い訳、誤字脱字等ご了承下さい。
 今回は時間なく、全く見直しをしていません(汗)

MC:それではここで、京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生に伺います。
  小出さん、こんばんは。

小出氏:こんばんは。

MC:今週もよろしくお願いします。

小出氏:こちらこそ。

MC:まず、この原発事故の様々な情報の公開の在り方について、
  総理補佐官の細野さんが今日発表致しました。
  これまで原発を巡っては、様々な形の記者会見が行われましたよね、小出先生。
  事故の当事者である東京電力、それから経済産業省の原子力安全保安院、
  また内閣府の原子力安全委員会、別々に記者会見を行っていた、
  これを1本化していくという話なのですけれども、
  この1本化については評価なさいますか。

小出氏:(溜息)解りません。
  もともとは、私は1本化というのは大嫌いなのです。
  それぞれの人がそれぞれの意見を言うのが良いと思いますが、
  今は、政府の言う事とか、東電が言う事とかが、
  てんでんばらばらで、何を信じていいのか解らない状況になっていましたので、
  そういう意味では、これまで原子力を進めて来た人達が、
  意思を統一して、ひとつにして頂く事は、良いような気もしますけれども、
  それが間違っていたら、それこそ困った事になるだろうな、と。

MC:そうなんです。
  正しい情報が迅速に公開されるのであれば、小出先生がおっしゃるように、
  良い面もあるかと思うんですが、
  これまでそれぞれの組織の言っている事が、バラバラで食い違っていたので、
  そこで、これはおかしいのではないのか、という、
  正しく疑う事も出来た訳ですよね。

小出氏:そうです。

MC:そこが1本化されてしまうと、間違っていた時に、
  追及しにくくなるのではないか、と。

小出氏:そうです。
  ですから、それは私が初め申し上げたように、
  もともとはバラバラの方が、私は好きなのですね。
  どこかで1本化して、というのは、私の好みではありません。
  (また大きな溜息)

MC:あまりにここまでバラバラだと、混乱するのではないかという
  ご意見ですか。

小出氏:そうですね、それもあったと思いますし。

MC:ただ、これは第1義の当事者である東京電力を、
  国はチェックする立場ですよね。

小出氏:ただ、国がチェックする立場って、
  これまで原子力を進めて来た一番の張本人は国の訳で、
  それが何か今、東京電力が悪いというふうに一切責任を東京電力の方に付けて、
  自分達は何か偉そうな顔をしている訳ですよね。
  まず、自分達が悪かったという事を、
  国が認める事から始めて欲しい、と私は思います。

MC:それから、更にこの情報公開のひとつの話として出てきましたのは、
  昨日になって東京電力がある地図を公開しました。
  これは原発の敷地の中の放射線で、どれ位空気が汚染されているか、
  というのを示しています。
  これを見ると、何号機の辺りにどれだけの、何Svの汚染があるかというのが、
  解る地図になっているのですが、
  これはもともと3月22日に作られて、どんどん情報が更新されていたらしいのですが、
  やっと昨日という事は、1カ月以上公開されなかったのですね。
  何故今頃公開するのですか。

小出氏:私には解りませんが・・・

MC:そうですよね(苦笑)。
  すみません、小出先生に聞いて・・・
  
小出氏:はい、この期間も全部そうでしたよね。
  いつまで経っても情報が出ないで、
  一月位経ってから初めて情報が出てくるという、
  この国は何なのかな、と私は思いました。

MC:この汚染地図をご覧になって、専門家の小出先生から、
  ここの所が特に気になる、と思われる点はどういう所でしょう。

小出氏:よく解りますけれども、
  1号機と3号機の周辺ですね。
  スポット状に物凄い汚染があるのですね。

MC:スポット状に高い汚染地域がある!
  何でですか?

小出氏:1号機と3号機は原子炉建屋の中で水素爆発が起きました。
  それは原子炉建屋の最上階という使用済み燃料プールがある場所で
  起きた訳ですけれども、
  そこは、核分裂性物質というような汚染の高いものが剥き出しである場所で、
  プールの底に燃料が沈んでいる限りはもちろん良いのですが、
  その燃料を取り扱うための交換機であるとか、
  いろいろな汚染をしたものがある場所なのです。
  それが、たぶん水素爆発で粉々に飛び散って、
  そこらじゅうに落っこちているという状況だと思います。

MC:爆発して一ヵ月以上経っても、最大で毎時間70mSvの所がある、
  という話ですけれども、この数値はどういう事を意味しますか。

小出氏:それはある場所の測定値ですし、
  もっと瓦礫そのものに近付いたら、一桁位多い数値もあった、と思いますし・・・

MC:確かに3号機の周辺で、1時間あたり900mSvのコンクリートの破片が
  見つかったという事ですね。

小出氏:そうです。

MC:これは、どれ位の数字なんでしょうか。

小出氏:普通の皆さんは1年間に1mSvしか浴びていけない訳ですから。

MC:1年で1mSvなのですね、限界が。

小出氏:はい。
  それが1時間あたり900mSvな訳ですから、
  900分の1時間というのは何秒になるのですかね、
  たぶん1秒とか2秒だと思いますが、
  そこにいたら、1年分の被曝をしてしまうという、
  物凄い場所がある訳ですね。

MC:「あ」と言ったら終わりますよね。
  そんな瞬時しか、側に居られないような状況が作り出されている。

小出氏:そうですね。

MC:こうした瓦礫は、いろいろ他にももっとあるのでしょうが、
  瓦礫を取り除かない事には、作業員の方達の作業が、
  進まないのですよね。

小出氏:そういう事です。

MC:瓦礫の撤去とよく言っていますが、
  撤去した瓦礫はどこへやるのですか。

小出氏:放射能の墓場というものを、どこかに作る事になるでしょうね。

MC:どこか。
  それはどこなのですか?

小出氏:解りません。
  例えばチェルノブイリの原子力発電所の事故の場合には、
  沢山のヘリコプターとか軍の車両とか、装甲車のようなものも含めて、
  動員された訳ですけれども、
  それはチェルノブイリの原子力発電所から
  確か20km位の所だったと思いますが、
  そこに広大な墓場を作りまして、そこに集めて、廃棄されました。
  そういう事を、たぶん福島でもやらなければいけないと思います。

MC:汚染された瓦礫の墓場を見つけるという作業も
  これから必要になって来るのですね。

小出氏:もちろん瓦礫もそうですし、
  今消防のポンプ車で水を入れて来た訳ですけれども、
  そういうポンプ車なども、2度と使えませんので、
  そういうものをどこか墓場にしなければならないと思います。

MC:でも、その墓場を決めたら、またその墓場の半径何kmかは、
  人が近寄れなくなるのではないのですか。

小出氏:そうです。
  ですから、今福島の第一原発から3kmの所は、
  とにかくもう一時帰宅すら許さないという汚染地帯になっている訳ですね。
  その外側の20kmあるいは風下に当たった所の人達を
  避難指示とか警戒区域に指定して、人を入れないようにしている訳ですから、
  そういう地域の一部に、そういう墓場を作る事になると思います。

MC:そういう作業も必要なんだ(と独語)。
  一時帰宅の事について伺いますけど、
  食品や家畜の持ち出しは認めないというルールなのだそうです。
  ですけど、本当に家畜を家族のように大切にしていらした
  酪農家の方々にとっては、それはいたたまれない事だと思うのですが、
  やはり家畜を連れ出す事はムリだと科学的に思われますか。

小出氏:科学的にはそうです。
  でも、科学では計れない問題だと思います。

MC:例えば、ペットの持ち出しについては、今政府が検討中なのだそうです。
  家畜もペットも生き物であるという事では共通だと思うのですが、
  ペットを持ちだすという事の危うさ、検討課題というのはどこなのでしょう。

小出氏:ペットも人も汚れている訳ですよね。

MC:汚染はされている訳ですね。

小出氏:ですから、人だってむしろ汚染されていた訳で、
  皆さんスクリーニングをしながら、
  髪の毛が汚れているから洗いなさい、
  服が汚れているから、それは袋に入れて縛って捨てなさい、
  とか言って、それでも人は逃がした訳ですね。
  でも例えば、汚染地帯で死んでしまった方に関しては、
  もう遺体が汚れているから持ち出してはいけない、
  というような事でやっている訳ですよね。
  ですから、とても難しいと思うのですよ、これは。

平野氏:すみません、海洋汚染の方もちょっと気になるのですけれども、
  今日馬渕首相補佐官が、1号機から4号機まで連続地中壁のようなものを
  構造物を作って、環境への排出を止める事を検討する、
  というような事を言っているのですけれども、
  これはじわじわと海ににじみ出るように、
  にじみ出るというかもっと大量なのでしょうけれども、
  こういう事は可能なのでしょうか。
  止める事は。

小出氏:それは私の専門と違いますので正確にお答え出来ませんけれども、
  既に大量の汚染水が、いわゆるトレンチ・ピットのコンクリートの割れ目から
  地下に沁み込んで、それが海に流れ出ている、と私は思います。
  それを防ぐために、矢板を打つなりして、海に流れ出るのを防止しようと
  そういう話だと思いますけれども、
  でもそれをやった所で水が無くなる訳ではありませんから、
  水はたぶん別のルートを取って海に出て来るのではないかな、
  と私は想像します。

MC:堰き止めるというのは、非常に難しいですか。

小出氏:要するに、地下の事な訳ですし、
  地下水はあっちこっちに流れ出ている訳で、
  もともと一カ所を止めたからと言って、それが止まるというふうには、
  私には思えません。

MC:この水で言いますと、水の棺と書いて水棺(すいかん)という、
  原子炉格納容器ごと水で満たそうという話ですよね。
  これは圧力容器の中の水を意図的に外に溢れ出させて、
  その外側を守っている格納容器の中を水で一杯にする
  という策だと聞いていますが、
  意図的にやっている訳ではないのに、水深た高まっている、水が増えている、と。
  これはどう見たらいいのですか。

小出氏:今水野さんがおっしゃった通り、
  意図的にやっているのではありません。
  圧力容器に既に穴が開いてしまっているから、
  圧力容器に水を入れる限りはどんどん漏れて来て、
  格納容器に溜まるという事、それだけの事です。

MC:意図的に溢れ出させるつもりが、
  圧力容器に穴が開いているので、勝手に下から漏れて、
  それで意図していないのに、水が溜まって水棺のようになって来ているのですか。

小出氏:そうです。

MC:そうしたら、それはそれで外から冷やせて良い、
  という事にはならないのですか。

小出氏:今の状態は全く意味がないです。
  どんどんもっと水が増えて、燃料が水没する位まで水が増えてくれる、
  というのであれば、その時点では某かの意味があるかもしれませんが、
  今はただ格納容器の中に水がどんどん溜まって来ているというだけで、
  何のメリットもありません。

MC:という事は、もともと圧力容器に穴が開いているとしたら、
  この計画そのものにムリがあるというお考えになりますか。

小出氏:私はムリがあると思います。
  格納容器というのは、巨大な容器ですので、
  それに水を満たそうとすると、
  何千トンもの水を格納容器の中に入れなければいけませんが、
  格納容器はもともと水を入れるような想定はしていませんし、
  そんな設計もしていませんし、
  今格納容器のどこかに損傷がある事だけは確かな事なので、
  水などを入れて行ったなら、きっとその損傷が拡がって行ってしまうでしょうし、
  水棺というのはむしろやらない方が良い、と私は思います。

MC:そうですか。
  この水棺で、世界のどこかで何か成功した例というのは・・・

小出氏:もちろん、ありません。

MC:ないのですね。
  世界で初めての試みな訳ですものね。

小出氏:そうです。

MC:もうひとつ、伺って良いですか。

小出氏:はい。

MC:話がちょっと前後してしまいますけれども、
  一時帰宅をこれからなさる方々にとって、大きな課題のひとつだと思うのは、
  車、マイカーを持ちだせるかどうかというのは、
  皆さんの生活にとっては大きいのではないかと思うのですよ。
  マイカーについても政府は検討中だと言うのですが、
  車は汚染していても洗車したら大丈夫じゃないですか。

小出氏:比較的容易だと思います。
  車の塗装は、どっちにしても付着はしますが、
  比較的汚染を落とし易いと思いますので、
  可能性はあると思いますけれども、
  でもその汚染を除去するために、また被曝をしなければいけませんし、
  だから・・・

MC:すみません、除染をするために被曝をするとはどういう意味ですか。

小出氏:要するに、汚染地帯でその作業をしなけれはいけない・・・

MC:汚染地帯で、その被曝をしたものを全部落として行かなくてはいけない。

小出氏:そうです。

MC:だから、作業は汚染地帯でしなければいけないのですか。

小出氏:もちろん、そうです。

MC:という事は、被爆地帯に長く(滞在し)、被曝する時間が長くなってしまう・・・

小出氏:そうですね、その汚染を除去するための作業も
  人々がそこで作業をしなければいけなくなります。
  それで全部は、どっちにしても取れません。
  ですから、そんな事をする位なら、もう諦めた方が良い、
  という事になるかもしれませんし、
  チェルノブイリの原子力発電所の事故の時にも、
  沢山の車両が全て放棄されました。

MC:そうだったのですか。
  今日も具体的にいろいろと教えて頂きました。
  明日はちょっとでも何か前進したニュースを届けられたら、
  というふうに思いますが、明日もどうぞ解説をよろしくお願い致します。

小出氏:こちらこそ。

MC:京都大学原子炉実験所助教の小出裕章先生に伺いました。
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小出裕章氏と推進派との直接対話 (平成17年)

2011年4月25日

ここで紹介するものは、福島原発事故に直接関係するものではありませんし、5年以上前の古いものです。

ですが、「想定不適当事故」という言葉に象徴される推進派の議論の方法が典型的に現れており、今日でも深い意義のある記録であると感じます。特に大橋弘忠氏との対話には強い印象を受ける人が多いはずです。

このページにて、録画、アンケート結果、議事録、各パネラーの資料などが提供されています。
プルサーマル公開討論会 (佐賀県の原子力安全行政)

プルサーマル公開討論会日付:平成17年12月25日

概要:県では、玄海原子力発電所3号機プルサーマル計画について、プルサーマルを推進する立場、慎重な立場双方が一堂に会し、その安全性を議論していただくため、県主催の公開討論会を開催しました。 討論会のテーマは「玄海3号機プルサーマル計画の安全性」。推進、慎重、双方の立場の方々によるパネルディスカッションの他、会場の方々との質疑応答を行いました。

1/7【原発問題】(推進派vs反対派)小出裕章氏(1)

2/7【原発問題】(推進派vs反対派)小出裕章氏(2)

3/7【原発問題】(推進派vs反対派)小出裕章氏(3)

4/7【原発問題】(推進派vs反対派)小出裕章氏(4)

5/7【原発問題】(推進派vs反対派)小出裕章氏(5)

6/7【原発問題】(推進派vs反対派)小出裕章氏(6)

7/7【原発問題】(推進派vs反対派)小出裕章氏(7)

1/8【原発】推進派vs反対派 質疑応答編(1)

2/8【原発】推進派vs反対派 質疑応答編(2)

3/8【原発】推進派vs反対派 質疑応答編(3)

4/8【原発】推進派vs反対派 質疑応答編(4)

5/8【原発】推進派vs反対派 質疑応答編(5)

6/8【原発】推進派vs反対派 質疑応答編(6)

7/8【原発】推進派vs反対派 質疑応答編(7)

8/8【原発】推進派vs反対派 質疑応答編(8)


4月23日 東電は生データ開示を 小出裕章

2011年4月25日

先日東京電力が塩素38(クロル38)の測定値を訂正したことに関して、Peace Philosophy Centreが、モントレー国際問題研究所不拡散研究センターの研究員ダルノキ-ベレス博士の見解を翻訳して掲載されています。

東電の塩素38測定値撤回に対するダルノキ-ベレス博士の所見と情報開示の要請

この見解について小出裕章氏のコメントが紹介されていますので、以下の通り小出先生部分を転載させていただきます。

東電、保安院、安全委員会が4月25日から会見を一体化し、出席記者は保安院による事前審査により選別されるとの報道がありましたが、小出先生の言われるような生データの公表ということから逆に遠ざかることにならないよう願いたいところです。

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(小出裕章さんから4月23日メールで届いたコメント)
ご指摘の点はそのとおりです。

 私の推測では、Ge半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリのデータを、測定器メーカーの解析ソフトを使って自動的に解析してしまっているためだと思います。
 その結果を本当ならチェックしなおすのですが、それを怠ったためでしょう。
 そして、半減期37分のCl-38の場合、測定時点から、試料採取時点までの減衰補正をすると大きな値になってしまいます。
 たとえば、370分(約6時間)経っていたとすれば、測定時点の1000倍の値として評価しますし、採取から測定まで740分(約半日)経ってしまっていたとすれば、採取時点に減衰補正すると6桁分大きくなります。

 ダルノキ-ベレスさんのコメントどおり、生データが公表されれば、一気に解決します。                                  2011/4/23  小出 裕章
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4月13日 FMわぃわぃインタビュー 小出裕章

2011年4月24日

2011年4月23日、FMわぃわぃで小出裕章氏のインタビューが放送されたようです。

実際の放送内容は分かりませんが、インタビューは2011年4月13日に行われたということです。神戸市長田区のNPO法人たかとりコミュニティーセンター(TCC)が動画を以下のように公開しています。

小出裕章助教_FMわぃわぃインタビュー1

小出裕章助教_FMわぃわぃインタビュー2

小出裕章助教_FMわぃわぃインタビュー3

小出裕章助教_FMわぃわぃインタビュー4

以下、要約です。

・政府はレベル7と認めたが、私は当初からそう思っていた。3月12日の水素爆発時点でレベル6は確実で、その後レベル7も明らかだった。レベル7は原発事故のうち最悪のもの。現時点の福島では、チェルノブイリと比較すると放出されている放射能の量は少ないが、福島は進行中であり、今後の状態次第で超えることもありえる。

・福島では原子炉の中にたまった大量の放射性物質が熱を出している。その熱によって原子炉が溶けている。そのために発生した水素で水素爆発が起こった。今後の展開次第では水蒸気爆発の可能性もある。それが起こると大量の放射能が出てくる。それが最悪のシナリオ。

・(水蒸気爆発はどういう時に起きるか?)原子炉の炉心には直径1センチで長さ4メートルという細長いパイプが立っている。その中にウランを焼き固めた瀬戸物(ペレット)が入っている。パイプはジルコニウムで出来ているて、850度以上で水と反応し水素を出す。1号機は燃料棒が70%が損傷しているとしている。被覆管が水と反応し壊れているということ。そうなるとペレットがぼろぼろこぼれてくる。放出されている物質から考えるとペレットが溶けているのは明らかだが、炉心全体が溶けているわけではないと私は思っている。全体が溶けると燃料が落下する。炉心が下にある水に落ちると水蒸気爆発となる。そうなると圧力容器と格納容器も壊れるかもしれない。

・(水蒸気爆発には前兆があるか?)前兆はなかなか見えない。核分裂生成物が出す熱(崩壊熱)が止められたとしても、たまっている燃料の熱は止められない。1号機は6号機までの中で最も小さいが、それでも現在3000キロワット程度の熱が出ていて、それを冷やさないと壊れる。こうした現象が前兆として分かるかというと、分からない。それは、原子炉に近づくことができない状況だから。計器も壊れていて状態が分からない。確実に分かるのは、爆発そのもの。映像ですぐに分かる。爆発が起きたら逃げるべき。

・(退避勧告が出ている地域には戻れるか?)チェルノブイリで強制避難があったが、100〜200人くらいは汚染地帯に戻った。ガンになる可能性を抱えて生きている。今回の汚染地域の住民のなかには帰りたいと思う人がいるかもしれないが、相当の被曝を覚悟しないといけないだろう。

・(食物については?)放射能はあらゆる意味で危険。国は基準値を設けて出荷の可否を決めているが、基準以下だから安心ということではない。そうしたやり方は正しくない。汚染度をひとつひとつについて示すべき。それに応じて食べるか食べないか個々が決めるべき。

・(汚染されていても地域に残る人がいそうだが?)被曝は避けられるなら避けないといけない。枝野さんは「ただちに〜」と言うが、それは急性の被曝障害がないという意味であって、ガンや白血病になる危険はある。低い被曝も危険であることは調査で分かっている。基準値より上か下かの問題ではない。

・(福島以外にも原発は沢山あるが?)これほどの事故が福島で起こった今、すべての原発をすぐに止めるべき。神戸にも大阪湾にも東京湾にも原発はない。危険と分かっているからつくらなかった。

・(原発は未来のこどものために必要と政府は言うが?)でたらめ。負の遺産を残すだけ。原発を止めても、電力は必ず足りる。

・(原発が危険とどこで気づいたか?)元は安全で必要なものと思っていたが、原子力発電所を消費地に作らないことを見て、これはだめだと思った。それからは廃絶させることを目指している。

・(電気の需要が2000年以降急激に上がったといわれているが?)電力消費量があがっている。駅のエスカレーターも増えているが、私は足があるんだから階段を登る。不自由な人でない若い人もエスカレーターに乗るのが現状。階段がどこにあるか分からない建物も多い。何でも楽や便利が追求されている。不必要なものはどんどんやめて、生活を見直すべき。

・(日本に原発は54あるがそれを全部止めても支障は出ないか?)出ない。火力は半分は止めている状態。原発は電気事業法という仕組みの中でこれまでは儲かっていた。これを再考しないといけない。

・(日本のどこが安全か?)いま世界どこに行っても安全はない。程度の問題で比較的危険が大きいところと小さいところがあるというだけ。風次第の面もある。

・(どのように生活すべきか?)汚染が少ないところに行ったほうがいいとは思うが、人間は土地を簡単には離れられない。生活には歴史がある。別の場所に行くと別な危険もある。被曝を少なくしてほしいとは思うが、それだけでは判断できない。

・福島を中心として食べ物は汚染されるが、国の基準で出荷停止をしたりすると地域の農業が崩壊する。従い、大人は汚染された食物を食べるべき。年をとるほど放射能の影響は少ない(60を超えると平均より100分の1の感受性)し、原発の存在を許してきた責任もある。ただし、乳児やこどもには汚染した食物を与えるべきでない。

・(こどもを守るために行動を起こすべき?)ひとりひとりで考えて行動するべき。

・(日本に暮らす外国人にメッセージを)日本が外国人に優しい国かどうか分からない。私が原子力に反対するのは専門的なことからということもあるが、根本の理由は、自分だけよくて危険だけ他人に押し付けるやり方が許せないから。都会には原発を作らないし、原発の労働者は社会の底辺の存在が多い。外国人で日本に暮らすのは大変だと思う。閉鎖的で冷たい面もあると思う。その国を変えるには外国人の力も必要。

・(原子力推進派との対話は可能か?)推進派は我々との対話を望まなかった。私は知っていることを伝えたいと思ってそうしてきた。論争できる場があればどこにでも出かけてきたし、今後もそうするが、推進派はそうした場に出てこない。私の相手をすることにメリットがないから。

・(いま推進派は必死?)そうだと思うが難しい状況であり、推進派の人間は表には出てこなくなっている。ただし、状況をおさめるために必死になっている。

・私が原子力に取り組み始めたときは日本の原子炉は3つで、今は54。私にとっては敗北の歴史といえる。それは私のような特殊な人間だけ反対してもどうにもならないということ。普通の人が原子力はどういうものか技術的な危険性に気がつくことが必要で、さらに原子力問題の本質が差別の問題だということに気がつけば止まると思う。だが、停電になると困るから原発は必要というのが日本の大多数であり、情けない。

・どんな時代どんな場所でも、絶対にいいという場所などなかった。いつでも困難はあり、そこでもこどもが育ってきた。どんな状況でもおとなの責任はある。今の日本でも大人が責任が果たすべき。